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【注目】前週末1日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

ANAHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■ANAHD <9202>  419.7円 (+11.9円、+2.9%)

 ANAホールディングス <9202> が反発。8月31日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の7.14%にあたる2億5000万株(金額で700億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は9月1日から18年3月31日まで。うち、1億7165万2000株を1日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で買い付ける(買い付け価格は31日終値の407.8円)。併せて、総額1400億円のユーロ円建て新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行すると発表したが、売り材料視されなかった。

■住友倉庫 <9303>  745円 (+20円、+2.8%)

 住友倉庫 <9303> が反発。8月31日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の2.8%にあたる500万株(金額で40億円)を上限に、9月1日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は31日終値の725円)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■コンコルディ <7186>  539.1円 (+13.2円、+2.5%)

 コンコルディア・フィナンシャルグループ <7186> が続伸。8月31日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の1.55%にあたる2000万株(金額で75億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は9月4日から10月10日まで。

■コナミHD <9766>  5,870円 (+140円、+2.4%)

 コナミホールディングス <9766> が反発。同社は9月1日午前、モバイル向け恋愛コミュニケーションゲーム「ラブプラスEVERY」を今冬配信することを決定したと発表した。これを手掛かり材料に短期資金が流入した。21日から開催される日本最大のゲーム見本市、東京ゲームショウに出展することも同時に発表しており、業績への寄与が期待されている。同社の株価は7月下旬に大きく調整を入れ、その後約1ヵ月間にわたり5700円台を軸とするもみ合いを続けているが、売り物もこなれつつあり、往来圏離脱のタイミングが意識されている。

■セ硝子 <4044>  473円 (+11円、+2.4%)

 セントラル硝子 <4044> が3日続伸。8月14日につけた年初来安値411円をターニングポイントに一貫した戻り相場を形成。9月1日までの14立会日で下げた日はわずか2日間のみ。しかも終値が寄り値を上回る陽線の数が圧倒的に多く、回転売買目的ではない中長期資金の継続的な買いを暗示している。同社は需給逼迫が指摘されるリチウムイオン電池の電解液を手掛けており、電気自動車(EV)普及促進に積極的な欧州で販売会社を設立して電解液の需要取り込みを図る。リチウムイオン電池は、主に正極材、負極材、セパレーター、電解液の4部材で構成されているが、そのうち電解液は、正極材と負極材、それらを隔絶するセパレーターの隙間を満たす形で流し込まれている。

■菱洋エレク <8068>  1,895円 (+42円、+2.3%)

 菱洋エレクトロ <8068> が3日ぶりに反発。8月31日の取引終了後に発表した第2四半期累計(2-7月)連結決算は、売上高460億4900万円(前年同期比6.6%減)、営業利益6億8900万円(同12.5%減)、純利益5億7500万円(同1.9%増)と2ケタ減益で着地した。半導体メーカーの政策変更や主要顧客における生産調整の影響を受けた半導体/デバイスが大きく減少したことが響いたとしているが、従来予想の営業利益6億5000万円を上回って着地したことを好材料視する買いが入ったようだ。なお、18年1月期業績予想は、売上高1000億円(前期比1.6%増)、営業利益15億5000万円(同12.9%増)、純利益11億円(同33.7%増)の従来見通しを据え置いている。

■トランスコス <9715>  2,413円 (+48円、+2.0%)

 トランスコスモス <9715> が続伸。9月1日、デジタル化が進む消費者と企業のコミュニケーション領域に特化した独自の人工知能(AI)や機械学習などの先端技術の研究所として「Communication Science Lab(コミュニケーションサイエンスラボ)」を設立したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同研究所は、ニューヨーク大学の関根聡研究准教授を技術顧問に迎え、AIやデータサイエンスを活用し、消費者と企業のコミュニケーションを科学するために設立。外部研究機関やパートナー企業との共同研究を行うことで、AIやデータサイエンスを活用した次世代コミュニケーションの社会実装と人材育成を推進するとしている。

■東芝 <6502>  311円 (+5円、+1.6%)

 東芝 <6502> [東証2]が4日ぶりに反発。同社は半導体メモリー事業の売却交渉を進めているが、目標としていた8月月内の決着はできず9月にズレ込んだ。米ウエスタンデジタル(WD)陣営への売却が有力なものの、米投資ファンド、ベインキャピタルからの買収案提示や、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の再接近の思惑が浮上するなど、交渉の行方には、依然不透明感がある。今年度末までに債務超過を解消できない場合、上場廃止となるため、早期決着が期待されているが、今後の状況次第では銀行への優先株発行のほか、既存株主に無償で新株予約権を割り当てることで資金調達を行う「ライツ・オファリング」で資本増強を図る可能性も報道されている。

■住友鉱 <5713>  1,920.5円 (+25.5円、+1.4%)

 住友金属鉱山 <5713> が続伸。SMBC日興証券は8月31日、同社株の目標株価を1300円から2030円に引き上げた。投資評価は「2」を継続した。金属市況の上昇を受け、ニッケルやコバルトなどの見通しを引き上げており、これを反映し業績予想を増額修正した。18年3月期の連結営業利益を従来予想714億円から915億円(前期比約20%増)に見直したほか、19年3月の同利益を834億円から1010億円に増額した。モリブデンの生産増と銅市況の上昇によりチリのシエラゴルダ鉱山の減損リスクが遠のいた点なども評価している。

■沢井製薬 <4555>  6,070円 (+60円、+1.0%)

 沢井製薬 <4555> が3日続伸。岩井コスモ証券は8月31日、同社株の投資判断「A」を継続した。目標株価は7000円(従来7500円)としている。同社はジェネリック(後発薬)医薬品の専業大手。政府は、ジェネリック医薬品の数量シェアに関して「20年9月までに80%」の新たな目標を示している。このなか、同社はシェア拡大に加え超高齢化に伴う患者数拡大による成長が見込める。米ジェネリック会社のUSL社を買収したことで、米国展開を加速することも注目されている。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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