【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 秋のIPOシーズンが到来する!
株式評論家 杉村富生
「秋のIPOシーズンが到来する!」
●類似会社、関係会社を狙う戦術!
秋のIPO(新規公開)シーズンが到来する。8月30日に上場したYoutuberのマネジメントを手掛けるUUUM <3990> [東証M]の初値は公開価格(2050円)の3.27倍の6700円だった。動画広告は急成長が予想されている。それと、IPOが端境期だったため、集中人気になった面があろう。
しかし、IPOの公募を手に入れるのは難しい。ただ、類似会社、関係会社を狙う戦術は有効だ。UUUMの場合、アイフリークモバイル <3845> [JQ]、オールアバウト <2454> [JQ]の買いは大成功だった。あくまでも“本体”の上場までの勝負だが、理屈抜きの展開になる。
9月中に上場が予定されている企業は8社ある。爆発的な人気となりそうなのはPKSHA Technology <3993> [東証M](9月22日上場)だろう。東大発のベンチャーだ。画像認識、自動対話のAI開発に強みを持ち、早くもトヨタ自動車 <7203> が出資(10億円)を表明している。
人的にはフリークアウト・ホールディングス <6094> [東証M]、ジーンテクノサイエンス <4584> [東証M]との関係が深い。ノーリツ鋼機 <7744> は子会社が大株主になっている。
●直近IPOの押し目を拾う作戦!
マネーフォワード <3994> [東証M](9月29日上場)はスマホを使った自動家計簿アプリを展開、利用者は500万人を超える。ソースネクスト <4344> が大株主に名を連ねている。ただ、出資比率は1%に過ぎない。
ウォンテッドリー <3991> [東証M](9月14日上場)はAIの求人情報サービスを手掛けている。社長さんが32歳女性という点だけがクローズアップされているきらいがある。ここにきてマスコミ対応の不手際が指摘されている。まあ、話題性は十分だが…。
年内という条件付きだが、フリーマーケットアプリのメルカリの上場が見込まれている。「くるぞ、くるぞ」と言われてなかなか上場しない大型案件だが、ユナイテッド <2497> [東証M]が関係している。上場が決まればユナイテッドの株価を刺激するだろう。
一方、直近IPOの押し目をコツコツと拾う作戦は意外な効果が期待できる。例えば、アセンテック <3565> [東証M]、テモナ <3985> [東証M]、ソウルドアウト <6553> [東証M]など。UUUMの5500円絡みは買える。
いずれも好業績であり、テーマ性を内包している。当面、個別物色の展開だ。新旧のIPOはそのターゲットになろう。
2017年8月31日 記
株探ニュース