【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):大阪チタ、神戸物産、アイフリーク
アイフリーク <日足> 「株探」多機能チャートより
大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>が4日続落で年初来安値を更新したほか、東邦チタニウム<5727>も軟調な値動きとなった。両社は25日取引終了後に、米国のスポンジチタン製造事業者が、日本から米国へのスポンジチタン輸出に関するアンチダンピング調査手続きの申し立てを行ったと発表。これによる業績への影響が懸念されたようだ。両社の開示によると、米チタニウム・メタルズ・コーポレーシンから、日本およびカザフスタンから米国へのスポンジチタンのダンピング輸出により米国産業への実質的な被害または、その恐れが生じているなどとして、アンチダンピング調査開始を求める申し立てが米国国際貿易委員会に対して行われたという。なお、両社は申し立て内容を精査したうえで今後の対応を決定するとしている。
■神戸物産 <3038> 5,690円 -160 円 (-2.7%) 本日終値
神戸物産<3038>は反落。前週末25日の取引終了後に発表した7月度の単独業績で、売上高194億6200万円(前年同月比5.8%増)、営業利益9億7700万円(同13.0%増)と増収増益となったものの、市場の反応は限定的のようだ。7月は、業務スーパーの新規出店が8店舗あったことで店舗数が773店舗となり、前年同期より34店舗増加したことが寄与した。また、NB商品をPB商品へ切り替えたことによる利益率の改善や価格戦略が功を奏し営業増益に貢献したという。
■コロプラ <3668> 1,375円 -29 円 (-2.1%) 本日終値
コロプラ<3668>が冴えない展開。前週末25日の取引終了後、5月23日に配信を開始したスマートフォン向けスポーツアクションゲーム「プロ野球バーサス」の累計利用者数が、8月23日付で100万人を突破したと発表したが、市場の反応は限定的のようだ。同ゲームは、友だちや全国のプレイヤーとオンラインで白熱した試合が楽しめる本格野球ゲームで、ピッチングとバッティングを直接操作しながら試合を進める点が大きな特徴となっている。同社では利用者100万人突破を記念して「ハイライトボーナス時に限定パック&ブラックパックの出現率2倍」「ゲーム内アイテムが手に入るログインボーナス開催」など5つのキャンペーンを開催している。
■ヤフー <4689> 507円 -9 円 (-1.7%) 本日終値
ヤフー<4689>が続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が25日付で、投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」とし、目標株価を600円から420円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では、従来は「EC革命」による利益成長期待を織り込んだバリュエーションを付与していたが、実際は期待通りにはならなかったと指摘。「EC革命」は全体的にはうまくいっているとしているが、ストア間の価格競争が当初の想定通りに進まず、投資期間が長引いている点を懸念している。また、それ以上に、基幹事業の広告で、YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)などの売り上げ成長率の鈍化が懸念材料としており、18年3月期業績予想を1841億円から1826億円へ、19年3月期を同2005億円から1853億円へ下方修正している。
■三菱UFJ <8306> 657.6円 -6.7 円 (-1.0%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクに売りが先行。米長期金利を横にらみに軟調な値動きが続いている。米10年債利回りは7月初旬に2.38%台をつけた後、下値を徐々に切り下げる展開で直近は2.16%前後まで下落、三菱UFJなどメガバンクの株価もこれにリンクするような下落トレンドを続けている。なお、第一生命ホールディングス<8750>なども同様の値動きで時価は年初来安値近辺にある。
■トヨタ自動車 <7203> 6,126円 -32 円 (-0.5%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、SUBARU<7270>など自動車株はやや売り物に押される展開。注目されたジャクソンホールでの経済シンポジウムでは欧米の中央銀行トップがいずれも金融政策についての言及を避けたが、同会合通過後、結果的に対ドルで円高、対ユーロでは円安に振れる方向に動いている。対ドルでは1ドル=109円台前半の推移となっており、北米向け輸出比率の高いトヨタなどの自動車株にとっては向かい風が意識されているようだ。
■山王 <3441> 1,445円 +300 円 (+26.2%) ストップ高 本日終値
山王 <3441> [JQ]が25日にストップ高まで買われたのに続き、値幅制限が2倍の300円になった本日もストップ高となった。24日、「導電性微粒子及び導電性微粒子の製造方法」について特許を取得したと発表したことが引き続き材料視された。同特許は産業技術総合研究所と実用化に向け研究・開発中の「銀めっきアクリル粒子」を製造するための基本技術に関するもの。この技術を用いることで、コア材料のアクリル樹脂上に直接またはニッケル層を介して、緻密な銀層を形成することが可能となるという。今後、導電性フィルムへの混練部材やその他特性を生かした製品・技術への転用をめざし拡販活動を進めていく計画だ。実用化の際には差別化を図れることから、将来的な業績への寄与が期待する買いが殺到している。
■アイフリークモバイル <3845> 492円 +80 円 (+19.4%) ストップ高 本日終値
アイフリークモバイル<3845>がストップ高、年初来高値を一気に更新した。30日にUUUM<3990>のマザーズ上場を控えて、関連銘柄として関心が高まっているようだ。アイフリークとUUUMは1月10日から、親子で楽しめる幼児・未就学児向け動画コンテンツを配信するYouTubeチャンネル「Popo Kids(ポポキッズ)」を共同で開設しており、ここから連想的な買いが入っているもよう。同チャンネルでは、アイフリークが提供する400冊以上のデジタル絵本を定額で楽しむことができるスマートフォン向けアプリ「森のえほん館」で提供されている絵本コンテンツを一部改編して配信している。
■三社電機製作所 <6882> 694円 +100 円 (+16.8%) ストップ高 本日終値
25日、三社電機製作所 <6882> [東証2]が業績修正を発表。18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の7000万円→4億5000万円に6.4倍上方修正したことが買い材料視された。半導体事業でロボット用やエアコン用などのモジュールの受注が想定より伸び、売上が計画を上回ることが利益を押し上げる。なお、通期の同利益は従来予想の5億5000万円(前期は2億1700万円)を据え置いた。業績上振れに伴い、従来未定としていた上期配当を7円(前年同期は5円)実施する方針としたことも支援材料となった。
■エノモト <6928> 7,040円 +1,000 円 (+16.6%) ストップ高 本日終値
25日、エノモト <6928> [JQ]が9月30日現在の株主を対象に1→4の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の4分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。
■富士通コンポーネント <6719> 793円 +100 円 (+14.4%) ストップ高 本日終値
富士通コンポーネント<6719>が続急伸となった。株価は長期トレンドでも2010年4月につけた戻り高値715円を払拭したことで新波動入り、上げ足を一気に強めている。リレーやタッチパネルなどの電子部品を製造する。7月26日にマドを開けてストップ高に買われたが、この時は17年4~6月期決算で営業利益が前年同期比6.2倍となる急変化をみせたことがポジティブサプライズとなった。その後、親会社の富士通<6702>が携帯電話事業の売却など選択と集中を加速させる方針が伝わり、車載やIT分野向けで高い実績を持つ富士通コンポは中核企業として物色人気が増幅された。
●ストップ高銘柄
杉村倉庫 <9307> 548円 +80 円 (+17.1%) ストップ高 本日終値
など、6銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース