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【特集】サムティ Research Memo(1):好調な不動産市況を追い風として不動産事業が順調に拡大

サムティ <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

1. 会社概要
サムティ<3244>は、関西圏及び首都圏を中心として全国に展開している総合不動産会社である。不動産事業(不動産ファンド向け大型賃貸マンションや投資家向け収益マンションの開発及び販売等)と不動産賃貸事業(賃貸マンションや商業施設等)を両輪とし、ビジネスホテルの運営なども手掛けている。不動産賃貸事業による安定収入と不動産事業による成長加速のバランスにより事業環境の変化に柔軟に対応できるところに特長があり、大きな金融危機を乗り越えながら持続的な成長を実現してきた。また、両事業の組み合わせによる一気通貫型のビジネスモデルにも優位性があり、ここ数年高い成長を続けている。事業エリアの拡大とともに、2015年6月にはJ-REIT事業にも進出※、2015年10月には東証JASDAQから東証1部へ市場変更となり、更なる事業拡大に向けてビジネスモデルの基礎固めが完了。好調な事業環境を追い風としながら、同社は新たな成長フェーズに入っている。

※2015年3月に設立したサムティ・レジデンシャル投資法人<3459>(以下、SRR)を東証J-REIT市場に上場。


2. 中長期経営計画
同社は、2016年11月期から2020年11月期までの中長期経営計画(5ヶ年)を推進している。(1)SRRを中心としたビジネスモデルの構築、(2)地方大都市圏における戦略的投資、(3)ホテル開発事業の展開により、2020年11月期の目標として、売上高1,000億円水準、経常利益100億円水準を掲げている。また、5年間で約3,000億円の投資を行う計画となっている。

3. 2017年11月期上期の業績
2017年11月期上期の業績は、売上高が前年同期比76.9%増の37,692百万円、営業利益が同104.1%増の6,928百万円と想定を上回る増収増益となった。好調な不動産市況を背景として、不動産事業における販売価格の上振れが業績の伸びに寄与した。また、今後の成長につながる仕入れ(開発用地及び収益不動産)についても、通期計画に対して順調に進捗している。

4. 2017年11月期の業績予想
2017年11月期の業績予想について同社は、上期業績や足元の状況等を踏まえ、期初予想を増額修正した。修正後の業績予想として、売上高を前期比18.3%増の62,000百万円(修正幅+800百万円)、営業利益を同20.0%増の10,300百万円(修正幅+1,000百万円)と見込んでいる。また、期末配当予想についても、前期比9円増配の1株当たり42円(修正幅+6円)に増額修正した。一方、投資計画については、開発用地に約158億円、収益不動産に約265億円の合計423億円を予定している。弊社では、上期業績のほか、開発案件(パイプライン)や収益不動産の取得状況等を勘案し、会社予想の達成は十分に可能であると判断している。更なる上振れの可能性や2018年11月期以降の業績の伸びを意識しながら、市況動向や計画の進捗状況をフォローしていきたい。

5. 中長期展望
弊社では、外部及び内部環境がともに同社の成長を後押しする状況にあることから、中長期的にも成長性を維持できるものとみている。都心を中心に用地仕入れが難しくなっているなかで、開発案件(パイプライン)をどのように積み上げていくのか、地方大都市圏を中心とした利回りの高い収益不動産の発掘やバリューアップをいかに行っていくのか、SRR を中心としたビジネスモデルの構築が同社の収益性や成長性にどのような変化をもたらすのか、などに注目している。

■Key Points
・2017年11月期上期業績は想定を上回る増収増益
・2017年11月期の通期業績予想及び期末配当予想を増額修正
・SRRを中心としたビジネスモデルの構築や地方大都市圏における戦略的投資、ホテル開発事業の進捗などに注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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