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2017年08月16日19時30分

【特集】拡大“オトコ臭ケア市場”、気温上昇とコスメ売上増の方程式 <株探トップ特集>

マンダム <日足> 「株探」多機能チャートより

―爽快感と上値追い、成長市場を取り込む企業は?―

 メンズコスメティックスの国内市場が拡大している。牽引しているのは、30~40代の男性を中心としたシャンプーやボディシャンプーの需要だ。株式市場においても、制汗シートなど加齢臭対策を中心とした“オトコ臭ケア商品”に関連する銘柄はテーマ買いの一角として注目されることがあった。しかし、“シャンプー”という強力な切り口が加わっていることで、再び脚光を浴びそうだ。緊迫する北朝鮮情勢という地政学リスクに方向感を失った東京市場、投資家にとっては、汗は汗でも、まさに冷汗をかく状況が続くが、目先を変えてメンズコスメ関連で爽快に上値を追う銘柄を探すというのも一法かもしれない。

●「男のくせに」はもう古い

 ここ数年、いわゆる制汗シートで顔や体を拭いている男性が増加していることは、周囲を見渡しても実感できる状況にある。その背景には、ヒートアイランド現象を背景にした都会の気温の上昇と、それに伴う汗や臭いを気にするエチケット重視の男性が急増したことも影響している。ひと昔前ならば、「男のくせに」と嘲笑されることもあったが、いまやそれも過去の話、まさに新たなマーケットが誕生した格好だ。

 調査会社の富士経済によると、メンズコスメティックスの国内市場について「2016年はメンズシャンプー・リンス、メンズボディーシャンプーが、男性特有の加齢臭や汗・皮脂による不快臭ケアの需要を取り込み、市場拡大を牽引したことにより、前年比1.3%増の1113億円となった」とし、19年には1149億円へと順調な市場拡大を予想している。そのうち、メンズシャンプー・リンスが263億円(16年)だったものが285億円(19年)に、メンズボディーケア商品は86億円から100億円へと伸長するとしている。ちなみに、制汗剤はメンズコスメティックス市場の集計上の対象外であることから、これを加えると“男の不快臭ケア市場”のさらなる大きさがうかがえる。

●ロートは「デ・オウ」で地位確立

 まず、注目したいのが、シャンプーやボディシャンプーを中心とした男性用デオドラントブランド「デ・オウ」シリーズが好調なロート製薬 <4527> だ。同社では、売り上げが拡大するなか「加齢臭対策ブランドとして、しっかり地位が確立できた」(広報・CSV推進部)とし、多少季節的な要因はあるとしながらも「今後も順調に推移するとみている」(同)と自信をのぞかせる。

 業績も好調だ。8日取引終了後、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表したが、売上高が前年同期比9.0%増の358億3700万円、営業利益は54.9%増34億3300万円、最終利益は65.7%増の22億7500万円だった。目薬では高機能眼科用薬「Vロートプレミアム」が好調で収益に貢献。また、スキンケア分野では「肌ラボ白潤プレミアム」や日焼け止め「スキンアクア」などの新製品がインバウンド需要なども取り込み業績に寄与した。

●マンダムなどには相乗効果

 男性化粧品の雄といえるマンダム <4917> は、好調続くルシードブランドで「薬用スカルプデオシャンプー」を展開。40歳からのミドル脂臭対策とし、ニオイ菌を殺菌し頭皮の汗のニオイを防ぐ。株価は、7月19日に6290円で年初来高値をつけたあと、若干の調整を入れたものの6000円台をキープしており頑強な展開を続けている。

 花王 <4452> も「メンズビオレ」シリーズで臭いをもとから防ぐ「薬用デオドラントボディウォッシュ」を発売している。加えて洗顔料、洗顔シート、制汗・デオドラント剤など品ぞろえも豊富だ。ライオン <4912> は「PRO TEC」ブランドの「薬用デオドラントソープ」が、臭いの原因菌を殺菌し長時間にわたり臭いを防ぐ効果がある。

 こうした男性の不快臭ケアを訴求したメンズシャンプー・リンスやメンズボディーケア商品のブランドが拡大するなか、17年はロート製薬「デ・オウ」、マンダム「ギャツビー」、花王「メンズビオレ」といった各ブランドが、ロールオンタイプの制汗剤を相次いで投入。前述の富士経済では「制汗剤との併用を推奨した店頭販促による相乗効果が期待される」と指摘している。

●資生堂は一石二鳥で株価も好調

 また、資生堂 <4911> はスカルプケアシャンプー「ADENOGEN(アデノゲン)」で攻勢をかけるが、ハリ・コシを与えボリュームのある髪に仕上げるだけでなく、シトラスグリーンの香りで頭皮臭もしっかりカバーしており、まさに一石二鳥の製品だ。

 同社は、9日の取引終了後、17年12月期の連結業績予想の修正を発表、売上高を9400億円から9650億円(前期比13.5%増)へ、営業利益を455億円から560億円(同52.3%増)へ、最終利益を260億円から325億円(同1.2%増)へそれぞれ増額、ここ株価も上げ足を加速しており上場来高値圏で推移している。しわを改善する「エリクシール」美容濃密リンクルクリームなどが売り上げを伸ばして収益に寄与、インバウンド需要も追い風に中高価格帯のブランドが好調で会社側の想定を上回る見通しだ。話題のしわを改善クリーム、そしてインバンド株としての視点、さらに加速するメンズ向け製品の投入と、切り口多彩な同社株なだけに、今後の展開から目が離せない。

 ある業界関係者は「むろん、暑い夏は売れ行きに好影響を与える。近年では、5月から早くも猛暑日となるなど、以前と比べ確実に販売のピーク期間が長くなっている。そういった面においても、非常に魅力のある市場だと各社が認識を強めている」という。実際、ここ数年は9月後半になっても夏の暑さを感じるというのが当たり前の状況になってきている。ヒートアイランド現象と男のエチケット指向の高まりを背景に、まだまだ市場の拡大傾向は続きそうだ。

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