【市況】15日の米国市場ダイジェスト:ダウ5ドル高、小売決算嫌気し売りが広がる
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:ダウ5ドル高、小売決算嫌気し売りが広がる
15日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は5.28ドル高の21998.99、ナスダックは7.22ポイント安の6333.01で取引を終了した。北朝鮮がグアム沖へのミサイル発射を見送るとの報道を受けて、投資家心理の改善から買いが先行。7月輸入物価指数が予想に一致したほか、堅調な7月小売売上高や8月NAHB住宅市場指数も好感された。一方で、主要小売決算が嫌気されたほか、高値警戒感による利益確定の動きも広がり、売り買いが交錯する展開となった。セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や食品・飲料・タバコが上昇する一方で小売や耐久消費財・アパレルが下落した。
スポーツ用品小売のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)は決算内容が予想を下振れたほか、通期見通しを下方修正し、20%超の大幅下落。自動車部品小売りのアドバンス・オート・パーツ(AAP)は決算内容が嫌気されたほか、CEOが下半期の業績低迷に言及したことで急落、一方で、カジノホテル運営のウィン・リゾーツ(WYNN)、アクションカメラのゴープロ(GPRO)、写真共有アプリを手掛けるスナップ(SNAP)は一部アナリストによる投資判断引き上げを受け、買われた。
ディックス・スポーティング・グッズの軟調決算を受けて、一部アナリストが米国でのスポーツウエアやシューズを日常着とする「アスレジャー」と呼ばれるファッションブームの終焉が業績低迷の要因と指摘し、アパレルのアンダーアーマー(UA)、ナイキ(NKE)、ルルレモン・アスレティカ(LULU)などにも売りが広がった。
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■NY為替:ドル強含み、米7月小売売上高は予想を上回る
15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、110円37銭から110円85銭まで上昇して110円69銭で引けた。米国の7月小売売上高の伸びが予想を上回り年初来で最大となったほか、8月NY連銀製造業景気指数が3年ぶり高水準に達したため、米国の年内の追加利上げを織り込むドル買いが再燃した。
ユーロ・ドルは、1.1745ドルから1.1687ドルまで下落し、1.1734ドルで引けた。欧米金利差の拡大観測に伴うユーロ売り・ドル買いが一段と加速。ユーロ・円は、129円42銭から129円91銭まで上昇した。北朝鮮の緊張緩和でリスク回避の円買いが一段と後退。ポンド・ドルは、1.2888ドルから1.2846ドルへ下落した。予想を下回ったインフレ指標を受けて利上げ観測を受けたポンド買いは後退した。ドル・スイスは、0.9717フランから0.9752フランまで上昇。地政学的リスクの後退で、安全通貨としてのスイスフランの売り戻しが継続した。
■NY原油:大幅反落で47.59ドル、中国の製油活動低下を嫌気
15日のNY原油先物9月限は小幅安(NYMEX原油9月限終値:47.55 ↓-0.04)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日比-0.04ドルの47.55ドルで取引を終えた。米国内におけるシェール増産を嫌ってNY原油先物は一時47.02ドルまで売られたが、16日発表予定の米原油在庫統計への期待でショートカバー的な買いが入った。好調な米経済指標も買い材料となったようだ。ただ、市場関係者の間では「OPEC加盟国・非加盟国による減産順守や原油需要の世界的な増加が原油価格安定のための必要条件」との見方が依然として多い。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 24.47ドル +0.05ドル(+0.20%)
モルガン・スタンレー(MS) 46.43ドル -0.08ドル(-0.17%)
ゴールドマン・サックス(GS)227.59ドル +0.23ドル(+0.10%)
インテル(INTC) 36.00ドル -0.34ドル(-0.94%)
アップル(AAPL) 161.60ドル +1.75ドル(+1.09%)
アルファベット(GOOG) 922.22ドル -0.45ドル(-0.05%)
フェイスブック(FB) 171.00ドル +0.25ドル(+0.15%)
キャタピラー(CAT) 113.65ドル -0.06ドル(-0.05%)
アルコア(AA) 37.50ドル +0.31ドル(+0.83%)
ウォルマート(WMT) 80.77ドル +0.07ドル(+0.09%)
スプリント(S) 8.30ドル -0.11ドル(-1.31%)
《HT》
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