【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東宝、JCRファ、サンケン
東宝 <日足> 「株探」多機能チャートより
東宝 <9602> が急反発し、上場来高値を更新した。同社は18日に決算を発表。18年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益が前年同期比36.3%増の175億円に拡大して着地したことが買い材料視された。主力の映画事業で「ドラえもん」「名探偵コナン」といった定番アニメ作品をはじめ、「シング」「ワイルドスピード」などの洋画作品が高稼働だったことが寄与。「シン・ゴジラ」のパッケージソフトの販売好調も業績拡大に貢献した。第1四半期業績の好調に伴い、通期の同利益を従来予想の428億円→469億円に9.6%上方修正。減益率が17.0%減→9.0%減に縮小する見通しとなった。
■JCRファーマ <4552> 2,993円 +169 円 (+6.0%) 本日終値
JCRファーマ<4552>が反発。18日の取引終了後、帝人<3401>との間で、日本国内における他家(同種)歯髄由来幹細胞(DPC)を用いた急性期脳梗塞を適応症とする再生医療等製品(開発番号「JTR-161」)の共同開発および実施許諾について契約を締結したと発表しており、将来的な業績への寄与を期待した買いが入った。DPCは、神経保護作用や免疫調整作用、血管新生作用などがあることが示唆される一方、体内に投与しても拒絶反応が起こりにくいとされることから、さまざまな疾患に対する治療薬への応用が期待されているもの。今回の契約締結は再生医療領域の拡充を目指したもので、JCRは治験製品の製造などを行うほか、帝人は非臨床試験および臨床試験の実施や承認申請などを担当。また、製造販売承認取得の際には、JCRが製品の製造と供給、帝人が日本国内における販売を担当するとしており、これに伴いJCRは、帝人から共同開発契約および実施許諾契約に基づく一時金や、マイルストンおよびロイヤルティーを受け取る権利を取得することになる。なお、両社では、18年度内には、急性期脳梗塞を適応症とした臨床開発を開始する計画としている。
■サンケン電気 <6707> 569円 +25 円 (+4.6%) 本日終値
サンケン電気<6707>が続伸。構造改革の推進を好感し株価は1月13日につけた568円の年初来高値を半年ぶりに更新した。同社は18日の取引終了後、事業の構造改革を発表しパワーモジュール(PM)事業から撤退しパワーシステム(PS)事業に統合することを明らかにした。半導体デバイス事業でも不採算製品から撤退し車載、白物、モーターなど戦略市場での拡大を目指す。これに伴い120人の早期退職を募集する。
■Gunosy <6047> 2,619円 +102 円 (+4.1%) 本日終値
Gunosy<6047>が続伸。岩井コスモ証券は18日、同社株の投資判断「A」と目標株価3200円を継続した。スマートフォン向けニュースアプリ「Gunosy(グノシー)」を展開。収益源のインターネット広告が拡大し18年5月期は4期連続で増収増益の見通し。ファッションやグルメなど女性ユーザーをターゲットとするスマートフォン向けアプリ「LUCRA(ルクラ)」なども展開。新たなアプリサービス開始で収益基盤を強化している。同証券では「中期的に高めの収益成長が期待できる企業」として注目している。
■ビジョン <9416> 2,710円 +98 円 (+3.8%) 本日終値
ビジョン<9416>が続伸。同社は18日、訪日外国人旅行者向けビジネスを展開する法人向けに、ウエアラブル音声翻訳デバイス「ili(イリー)」を活用したソリューション「ili for Guest」の販売を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。「ili」は、話した言葉を一瞬で翻訳してくれるウエアラブル音声翻訳デバイス。同社では、「ili」のレンタルサービスを、世界に先駆けて日本で行っているが、多言語対応力の向上によるサービスレベル・顧客満足度向上を図るため、今回の法人向けサービスを開始したとしている。
■松竹 <9601> 1,461円 +52 円 (+3.7%) 本日終値
松竹<9601>は大幅反発、6月20日の年初来高値1454円を約1カ月ぶりに大幅更新してきた。同社は14日の取引時間中、18年2月期の第1四半期(3~5月)連結決算を発表した。売上高は248億8700万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は24億2600万円(同11.0%増)、最終利益は10億6600万円(同8.8%減)だった。18年2月期通期営業利益の54億5000万円(前期比27.7%減)は据え置いたが、第1四半期営業利益の通期予想に対する進捗率は44.5%に達している。 映画配給では、「PとJK」などがティーンの女性を中心に支持を集めヒットし、5月には「家族はつらいよ2」が公開され好評を得た。映画興行は、同社配給作品の他、「美女と野獣」などのヒット作品を上映し収益に貢献した。一方、歌舞伎座は、「三月大歌舞伎」「團菊祭五月大歌舞伎」を中心に好成績を収めた。新橋演舞場「滝沢歌舞伎 2017」、大阪松竹座「関西ジャニーズJr.春のSHOW合戦」「五月花形歌舞伎」などが高稼働した。
■ナノキャリア <4571> 705円 +25 円 (+3.7%) 本日終値
ナノキャリア<4571>が大幅高。前引け後に、同社が軟部肉腫を対象として米国で開発中の「NC-6300」について、FDA(米国食品医薬品局)からオーファンドラッグの指定を受けたと発表しており、今後の開発の進展への期待感から買いが入ったようだ。オーファンドラッグ指定とは、FDAが米国における患者数20万人以下の希少疾病に対する新薬開発を促進するために与える制度。指定を受けると、7年間の排他的先発販売権が与えられるほか、米政府からの補助金の獲得、臨床研究費用の税額控除、FDA申請における医薬品審査手数料の免責、治験実施計画書の審査に対しての優遇措置が受けられることになっている。なお、「NC-6300」の開発については、昨年12月にFDAに対し、希少がんである軟部肉腫を対象とした第1/2相臨床試験に関する治験計画届書を提出しており、既に第1相パートの患者登録を開始しているという。
■任天堂 <7974> 37,640円 +1,140 円 (+3.1%) 本日終値
任天堂<7974>が大幅続伸。6月下旬から7月初旬にかけて調整局面を強いられたが、ここにきて再び買い板が厚くなり、きょうの上昇で25日移動平均線を上回りトレンド転換を印象づけている。「ニンテンドースイッチ」の販売好調は、ソフトのラインアップの充実と相まって同社の業績押し上げへの期待が一段と高まっている。また、市場関係者の間では、ここにきての任天堂の株価上昇について「米国では長期金利の低下に呼応してFANG株と呼ばれるグロース株の一群が切り返し局面にあり、FANG株と連動する任天堂に上値思惑が広がった。短期売買の個人投資家だけでなく、海外ファンド筋の買い戻しの動きが反映されている可能性も高い」(国内ネット証券アナリスト)と指摘されている。
■キヤノンMJ <8060> 2,591円 +73 円 (+2.9%) 本日終値
キヤノンマーケティングジャパン<8060>が堅調に推移。同社子会社のキヤノンITソリューションズはきょう、ネットプロテクションズ(東京都中央区)とフィンテック領域で協業すると発表した。ネットプロテクションズは、日本初の未回収リスク保証型後払い決済サービスを提供している企業。両社はディープラーニング(深層学習)を活用した与信審査AI(人工知能)および、言語処理技術を用いた取引明細データ活用の分野における共同実証実験を開始するとしている。
■東海カーボン <5301> 706円 +18 円 (+2.6%) 本日終値
東海カーボン<5301>が反発し、年初来高値を更新した。18日の取引終了後、独SGLカーボンとのアジア市場における化学装置用不浸透性黒鉛事業の合弁事業を解消し、シンガポール合弁会社の同社持ち分49%全てをSGL社に売却すると発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。同社では、中期経営計画で掲げた「構造改革」に基づいて、非中核事業からの撤退を進めているが、今回の合弁解消はその一環だという。なお、同件に伴う業績への影響は軽微としている。
株探ニュース