【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「増える注意信号、鍵を握る“NY”」
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◆都議選では自民党が歴史的大敗を喫し、4年半を迎える「安倍一強政治」に疑問を投げかける結果となった。日銀短観は業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス17となり3期連続で改善したものの、北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)の打ち上げ成功がマーケットに水を差す。
◆EU、英国の金融緩和政策の終了観測を背景に欧州で金利上昇が目立ってきた。ユーロ高を背景に独DAXや英FT指数は陰転気配。そして、日本も長期債利回りが0.1%に上昇し、国債先物は2月中旬以来となる149.81円に低下。堅調な路線価が発表されたが、東証REIT指数は逆に1649ポイントと年初から11%下げている。
◆前回、8年以上も上昇を続ける米国株は三段上げとなりRCIが高値示現、ナスダックのハイテク主力株の陰転や、日経平均株価の「宵の明星」など、注意信号がポロポロ出始めていると記したが、冒頭のごとく不安要因はさらに増している。
◆過剰流動性(金余り)を背景に日銀は景気回復・脱デフレのシナリオを描くが、どこかボタンを掛け違えているのか、実態はそのシナリオ通りには進んでいない。
◆日経平均は25日移動平均線(2万0052円)や2万円大台を意識するように下げ渋っていたが、6日の終値は1万9994円と微妙にポイントを割ってきた。ここから再び切り返して上昇基調を維持できるのか、それとも波動陰転から下値模索となるのか。鍵を握るのは「NY」と思われ、7日の米雇用統計がまた1つのポイントになるだろう。ただ、NYダウは最高値圏で不安を抱えることから慎重姿勢は不可欠。個別株では引き続き機敏に行動しておきたい。
(7月6日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース