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【特集】エネクス Research Memo(11):発電事業の高度化に向けて、自然エネルギー発電やバイオマス発電に取り組む

エネクス <日足> 「株探」多機能チャートより

■新中期経営計画と成長戦略

(2) 電力・ユーティリティ部門
同部門の取り組みとしては発電事業の高度化が第一に挙げられる。環境規制などを考慮し、自然エネルギーによる発電事業の強化を行う方針だ。設備投資資金の調達に当たってはプロジェクトファイナンスやノンリコースローンなど、当該プロジェクト完結型の資金調達を想定している点が注目される。また既存の発電施設についても長期的視野に立って入れ替えを行う可能性もある。一時的に自家発電能力が減少する可能性もあるが、その対策の意味も含めてO&M(Operation & Maintenance)事業を進め、自社管理下の発電量を一定水準に維持する取り組みも進める計画だ。

また伊藤忠エネクス<8133>は電源開発の取り組みとしてバイオマス発電事業も視野に入れて取り組みを強化するとしている。環境ビジネスの視点から、バイオマス燃料の選定や調達ルートの確保、それに関するインフラ整備などについて精査する必要がある。これらの作業量は膨大であるため、新中期経営計画の2年間は検討と準備だけで終わってしまう可能性もあるが、環境負荷の低いベースロード電源として実態的に話が進捗する可能性は高いとみている。

販売面ではホームライフ部門や生活エネルギー・流通部門との協業推進に加えて、外部パートナーとのアライアンスも積極的に活用する方針だ。対象顧客では、効率の良い高圧分野の大口顧客(工場、中型店舗など法人が主体)への販売強化を継続していく。

業績面では、2018年3月期及び2019年3月期の営業利益をそれぞれ、4,400百万円(前期比33.7%減)、5,500百万円(同25.0%増)と計画している。2018年3月期の減益計画は、2017年3月期にあった資産売却益がなくなる反動減によるものであり、実質ベースでは電力販売量の拡大などで5億円の増益を見込んでいる。2019年3月期については、電力販売量の一段の増加により増益幅が拡大すると計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MW》

 提供:フィスコ

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