【市況】国内株式市場見通し:株主総会シーズン、都議会議員選挙見極めでこう着相場継続か
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
先週の日経平均は上昇。週明けに2万円大台を回復すると、翌日には20300円を回復する場面をみせた。米国市場では相場のリード役であるフェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、アルファベット(グーグル)の「FANG」銘柄の底打ちがみられたことが安心感につながった。週後半には、共和党上院のオバマケア代替法案の詳細が明らかになったことも材料視された。しかし、週を通じて原油相場の弱い動きが重しとなるなか、日本株市場もこう着感の強い相場展開に向かわせた。日経平均は20100円を挟んでの狭いレンジ相場が続くなか、インデックスに絡んだリバランス中心の売買となった。
今週もこう着感の強い相場展開になりそうである。国内では株主総会シーズンとなるなか、機関投資家は動きづらい状況である。また、7月2日には都議会議員選挙の投開票となる。小池氏が代表の「都民ファーストの会」が、選挙協力する公明党などの支持勢力と合わせ都議会の過半数を獲得するかが焦点となる。先週、安倍内閣の支持率が49%に急落し、自民党の支持率も40%に下がった。自民党の苦戦は織り込みつつあるだろうが、予想以上に苦戦した場合、安倍首相の政策基盤が揺らぐ可能性も考えられ、世論調査などメディア報道に振らされやすくなりそうだ。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)は22日、米国で営業する大手銀行のストレステストの結果を公表、34行全てが最低基準を上回った。トランプ政権が審査を見直せばさらにこの傾向が続く可能性が高まるため、金融機関への見直しが意識される。ただし、経済指標では、26日に米耐久財受注、27日に米消費者信頼感指数、28日に米卸売在庫、米中古住宅販売成約指数、29日に米1-3月GDP(確定値)、米新規失業保険申請件数、30日に米個人支出・所得、米シカゴ製造業景況指数、米ミシガン大学消費者マインド指数等多くの経済指標の発表が予定されている。また、中国では製造業・非製造業PMIを控えていることもあり、米中経済指標を見極めながらの相場展開になろう。
そのため、こう着感の強い相場展開のなか、個人主体の資金は引き続き、中小型株に向かいやすいだろう。先週末の中小型株は荒い値動きとなったが、足元で強い値動きが続いていたこともあり、週末に伴うポジション調整の影響があったと考えられる。乱高下の銘柄も散見されているが、資金回転が速いため、シコリは残っていないと考えられる。大きく調整するものの、これまでの上昇トレンドの下限レベル辺りの銘柄も多く、スタンスとしては仕切り直しといったところであろう。
その他、物色対象についてはゲーム株への循環物色が依然として活発であるが、ここにきてバイオ株への物色も目立つ。相対的に出遅れ感があるため、過熱警戒感が高まっている銘柄等から出遅れて、低位、割安といった銘柄への資金シフトも意識されやすいと考えられる。また、日経平均は足元でこう着感の強い相場展開から、目先調整色が強まる展開が意識されやすいが、中期トレンドは依然として強い形状であることは意識しておきたい。
《FA》
提供:フィスコ