【市況】明日の株式相場見通し=円相場にらみの神経質な推移、買い手控え姿勢が継続
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
現地13~14日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定した後の米連邦準備制度理事会(FRB)の方針は、従来の利上げペースを維持するものだった。ところが、同日発表された米5月の小売売上高や同消費者物価指数が、いずれも市場予想を下回ったことから、米長期金利が一時約7カ月ぶりの低水準をつけた。これに伴い、外国為替市場では円高・ドル安が進行し、東京時間で一時1ドル=109円20銭台まで円高が進行し、日経平均株価も前日比マイナス圏で推移する時間帯が長かった。
市場関係者からは「FOMC後にFRBが明らかにした今後の利上げペースの方針は、3月時点と変化がなかったものの、米経済指標の不振から景気の先行き懸念が広がり、ドルが売られる流れとなった。国内の主力輸出企業のなかで、18年3月期の想定為替レートを1ドル=110円としている企業も多く、1ドル=109円台に円が上昇すると、業績下方修正懸念が浮上して、全体相場にブレーキが掛かる傾向が強い」との見方が出ていた。
15日の東京株式市場は、FOMCは波乱なく通過したものの、米経済指標の不振などにより今後の利上げペースが鈍化するとの見方が優勢となり、為替が円高・ドル安で推移したことで、日経平均株価はほぼ前日比マイナス圏での推移となった。大引けにかけて下げ幅を縮小したものの終値は、前日比51円70銭安の1万9831円82銭と続落した。
日程面では、黒田日銀総裁会見に注目。海外では、アジアインフラ投資銀行(AIBB)年次総会(18日まで)、米5月の住宅着工・完工件数、欧州5月の新車販売が焦点となる。(冨田康夫)
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)