【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):SUMCO、国際石開帝石、FPG
SUMCO <日足> 「株探」多機能チャートより
SUMCO<3436>が続落。世界的に半導体需要は旺盛で、構造的に半導体製造装置や半導体材料を手掛ける企業に吹く追い風は強い。しかし、足もとはシリコンウエハーの需給逼迫が顕著となるなか、ウエハーを供給する側の双璧である同社と信越化学工業<4063>が増産に慎重な構えを見せていることが、半導体の素材不足による収益機会喪失につながるとの懸念につながっている。今週に入って、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>なども軟調な動きが続いている。これについて市場では「日柄的に(半導体関連は)調整の欲しいところで、ウエハー不足の問題は売りの口実にされている部分もありそうだ」(準大手証券ストラテジスト)と指摘する声がある。過去にウエハーの大増産体制を敷いたことが、価格暴落の引き金となった苦い経験からSUMCO、信越化とも慎重な姿勢を続けているが、「両社が増産に慎重なのは今に始まったことではなく、マーケットは理解していたはず。需要自体は旺盛なので、いずれ両社が生産増強に動くことは間違いのないところ。ここは押し目を買い下がるチャンス」(同)という見解を示している。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,042円 -8.5 円 (-0.8%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、日本海洋掘削<1606>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株に売りが優勢の展開。足もと原油価格が急落しており、これが嫌気された。前日のWTI原油先物価格は、米エネルギー省が発表した週間在庫統計が市場の予想ほど減少しなかったことを受け、1ドル=73セント安の1バレル=44ドル73セント安と急落、終値ベースでは昨年11月14日以来の安値水準となり、これを嫌気するかたちで前日の米国株市場ではシェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー関連株が売られた。東京市場でも原油価格の下落が収益面でデメリットとなるセクターに売りが波及している。
■FPG <7148> 976円 -5 円 (-0.5%) 本日終値
FPG<7148>が続落。この日の寄り前、航空機11機を対象としたオペレーティング・リース事業案件を組成すると発表したが、市場の反応は限定的のようだ。今回の案件組成は、B737-800型航空機11機(09~11年製造)を取得し、うち7機は信託方式、4機は匿名組合方式によりそれぞれリース事業案件を組成するという。同件による17年9月期の業績予想の変更はないが、航空機11機を組成し、信託受益権および匿名組合出資金を全て投資家に譲渡した場合の売上高の合計額は、16年9月期連結売上高(約189億円)の10%超となる見込みとしている。
■HyAS&C <6192> 679円 +100 円 (+17.3%) ストップ高 本日終値
14日、ハイアス・アンド・カンパニー <6192> [東証M]が決算を発表。17年4月期の連結経常利益は前の期比32.9%増の3億円に拡大して着地。続く18年4月期も前期比15.5%増の3.5億円に伸び、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。同社は中小の工務店などへビジネスモデルパッケージの提案を手掛けている。今期は前期に引き続き主力の高性能デザイナーズ住宅の受注増加を背景にロイヤルティ収入が伸び、25.5%の大幅増収を見込む。業績好調に伴い、今期は16年4月上場来初となる配当8円を実施する方針としたことも買いに拍車を掛けた。
■ナガオカ <6239> 1,217円 +148 円 (+13.8%) 本日終値
ナガオカ<6239>が続急騰。14日の取引終了後、スクリーン・インターナル(石油関連プラントの内部装置)の大口受注を獲得したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。受注金額は352万4000ドル(約3億9500万円)で、納期は18年3月を予定。なお、売上高への計上は18年6月期を予定している。
■Hamee <3134> 1,531円 +183 円 (+13.6%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
14日、Hamee <3134> が決算を発表。17年4月期の連結経常利益は前の期比2.5倍の10.4億円に急拡大し、従来予想の7.8億円を上回って着地。続く18年4月期も前期比10.4%増の11.5億円に伸び、8期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。前期はスマートフォンケースを中心に相次いで投入した自社企画商品の販売が大きく伸びたことが収益を押し上げた。今期もスマートフォン買い換え需要の増勢を追い風に、モバイルアクセサリーの販売拡大を見込む。業績好調に伴い、前期の年間配当を3.5円→4.5円(前の期は1→2の株式分割前で3円)に増額し、今期も前期比0.5円増の5円に増配する方針としたことも支援材料となった。
■第一カッター興業 <1716> 1,170円 +100 円 (+9.4%) 本日終値
14日、第一カッター興業 <1716> [JQ]が配当修正を発表。17年6月期の期末一括配当を従来計画の12円→15円(前期は12円)に増額修正したことが買い材料視された。従来計画の普通配当12円に、設立50周年記念配当3円を上積みする。権利付き最終日を27日に控え、配当取りを狙う買いが向かった。
■エンシュウ <6218> 127円 +10 円 (+8.6%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率3位
エンシュウ<6218>が続急騰、前日のストップ高に続き、きょうも一時50円高の167円と値幅制限上限まで上値を伸ばし、株価は2日間でほぼ倍化した。同社は工作機械の老舗メーカーだが、半導体レーザーやファイバーレーザーなどレーザー工法の開発で強みをもっており、同分野に関する特許取得が材料視された。「レーザ発振器の冷却構造、およびこれを使用したファイバーレーザ装置」に関する特許について会社側では「これはトヨタと日星電気、トヨタ学園と共同で2014年1月15日に特許出願したもので、これが6月14日付で特許公報が発行された(特許を取得した)」としている。なお、同社は業績もベトナム現地法人が牽引して回復色を強める見通しにあり、18年3月期は営業損益段階で4億8000万円の黒字(前期実績4億400万円の赤字)と急回復を見込んでいる。
■G-FACTORY <3474> 1,043円 +72 円 (+7.4%) 一時ストップ高 本日終値
G-FACTORY<3474>が一時ストップ高の1121円まで買われた。この日の寄り前に、飲食店経営のル・クール(名古屋市西区)および石油卸売業の三鱗事業(東京都千代田区)と業務提携を行うことで基本合意したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。G-FACTORYが売上債権を保有していた遠藤商事・Holdings.(東京都目黒区)が破産手続き開始を決定したことを受けて、遠藤商事が保有していた「ナポリ」「ナポリス」の商号についてG-FACTORYを商標権者として新たにピザFC事業を展開することになり、店舗管理やメニュー開発、FC出店希望者に対する今後の新規出店などの促進のため、3社が持つサービスを相互活用することで業務提携するとしている。
■ラクーン <3031> 656円 +37 円 (+6.0%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
ラクーン<3031>が7日続伸。午前11時ごろ、同社が提供するBtoB後払い決済サービス「Paid(ペイド)」が、キャンドゥ<2698>が運営する「キャンドゥ ネットショップ」にサービスの提供を開始したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。「Paid」は、企業間取引の掛売り(後払い)決済で発生する与信管理から請求、代金回収まで決済まわりの業務を一括して代行するサービス。一方、キャンドゥの公式サイト「キャンドゥ ネットショップ」は、オフィス用品のまとめ買いやノベルティ品の大量発注などで事業者も利用することが可能であったが、決済手段はクレジットカードと先払いのみであったことから、企業間取引における掛売り決済ニーズに対応するため、「Paid」が採用されたとしている。
●ストップ高銘柄
ホロン <7748> 958円 +150 円 (+18.6%) ストップ高 本日終値
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース