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【特集】薬王堂 Research Memo(3):ホームケアとコンビニエンスケアに注力

薬王堂 <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業内容等

1. 部門別主要取扱品目と売上高・売上総利益の構成
薬王堂<3385>の主要取扱品目は、ヘルスケア、ビューティケア、ホームケア、コンビニエンスケアの4つの部門に分類される。ヘルスケアは医薬品・衛生用品・医療用品から健康食品・介護用品・ベビー用品・調剤まで取扱い、ビューティケアは化粧品・ヘアケア・オーラルケア・ボディケアから構成される。洗剤・家庭紙・台所用品・実用衣料・履き物・服飾雑貨はホームケアに分類され、コンビニエンスケアでは、文具・玩具・ペット用品・電気小物・菓子・飲料・食品・米・書籍・酒・たばこをカバーする。

2017年2月期の部門別売上高は、ヘルスケアが17,420百万円(構成比は23.2%)、ビューティケアが13,000百万円(同17.4%)、ホームケアは9,718百万円(同13.0%)、コンビニエンスケアは34,773百万円(同46.4%)であった。部門別売上総利益率は、ヘルスケア32.1%、ビューティケア28.2%、ホームケア17.7%、コンビニエンスケア17.7%で、これから推定できる売上総利益の構成比はヘルスケア32.6%、ビューティケア21.4%、ホームケア10.0%、コンビニエンスケア35.9%。同社は、客数・買上げ点数向上を重視、そのドライバーカテゴリーにホームケアとコンビニエンスケアを位置付けていることから、これらの売上高の前期比増加率はそれぞれ16.0%、14.9%と、他の2セグメントの1ケタ台の伸び率を大きく上回っている。なお、コンビニエンスケアのうち、食品・酒が占める売上高の割合は40.1%。

2. 店舗
2017年4月末の県別店舗数は、岩手県90店、宮城県56店、秋田県30店、青森県29店、山形県20店の225店舗(うち調剤併設型4店舗、調剤専門薬局1店舗)を運営している。前述のとおり、同社は東北圏内に店舗を積極展開しており、今後は、福島県にも出店する計画だ。新規出店の際の商圏人口は7,000人としている。

同社の店舗づくりの特徴は、シンプルな売場、生活に密着した品ぞろえ、安さの3点である。新規の店舗は900~1,000坪の敷地に平均300坪程度の売場面積を確保し、50台の駐車場を設置している。通路は広くゆっくり店内を回ることができるよう設計されているほか、生活に必要な商品を1ヶ所で購買できるよう日用品から食料品、衣料品まで幅広く商品をそろえている。また、店内POPは必要最低限にしていることも特徴だろう。同社のPOPは、基本的に商品名と値段を明確に示すことだけに集中しており、手書きPOPなどはほとんど見られない。商品の説明にはデジタルサイネージを活用している。こうして得られた効率化効果は顧客にESLPなどで還元する仕組みを構築している。

新規出店に当たって同社は店舗の土地を賃貸し、その上に建物を自社で建設する。よって、同社の投資キャッシュ・フローにおける有形固定資産の取得による支出や、貸借対照表の有形固定資産の主な内容は、同社の店舗建物の建設によるところが大きい。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)

《HN》

 提供:フィスコ

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