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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

SMC <日足> 「株探」多機能チャートより

■SMC <6273>  35,870円 (+860円、+2.5%)

 SMC <6273> が年初来高値を更新した。空気圧機器の世界トップメーカーで、18年3月期は前期に続き増収営業増益が見込まれている。SMBC日興証券が5月31日付で同社株の投資評価を「1」継続、目標株価を3万6000円から4万円に引き上げており、これが株価を強く刺激する形となった。18年3月期の営業利益予想は1511億円から1626億円、19年3月期は1620億円から1636億円に上方修正している。

■武蔵精密 <7220>  2,916円 (+68円、+2.4%)

 武蔵精密工業 <7220> が3日続伸。同社は5月10日、18年3月期連結業績予想を発表した。売上高2130億円(前期比18.0%増)、経常利益125億円(同21.1%増)と2ケタ増益を見込むことに加えて、年間配当は前期比2円増の54円を予定している。時価で試算したPERは11倍台と割安水準にある。前期に買収した欧州の大手鍛造・機械メーカーの独HAYグループの収益がフルに寄与することに加えて、シナジーの実現が業績を押し上げる見通し。具体的には、HAYグループ顧客網の活用による両グループの商品ならびに垂直統合商品のクロスセル(関連商品販売)の実施、グループ独自の生産改善ノウハウのHAYグループへの適用などを実施、展開していく。

■三菱電機 <6503>  1,562.5円 (+35.5円、+2.3%)

 ドイツ証券は5月31日、「好調なFAセクターに再注目する局面」と指摘。FA銘柄の堅調な業績推移は素直に下期パフォーマンスにつながるとみている。具体的には三菱電機 <6503> を最上位のトップピックとしたうえで、SMC <6273> 、キーエンス <6861> 、ファナック <6954> の順に推奨。4社のレーティングはすべて「バイ」を継続している。三菱電は、年前半に出遅れたパフォーマンスを後半に取り返す好機で、多角化事業によるディフェンシブさも好材料。SMCは、決算を経て株主還元と説明会での対話により、短期的には出遅れ分を取り戻す可能性がある。キーエンスは、引き続き業績拡大に伴い、底堅い株価パフォーマンスが期待される。ファナックは為替がセクター内で最も控えめな前提であり、今後の業績進捗と工作機械業界の継続的回復の恩恵を十分享受できる。

■フリークHD <6094>  3,965円 (+90円、+2.3%)

 フリークアウト・ホールディングス <6094> [東証M]が続伸、連日の年初来高値更新と気を吐いている。ネット広告市場の拡大が続くなか、同社はスマートフォン向けに、リアルタイムで広告枠を高速取引するシステムを手掛けており、業績は絶好調に推移。16年9月期は営業利益段階で前の期比3.7倍と急拡大、17年9月期は前期比68%増の6億円を見込んでいる。現在はアフィリエイト広告を含め“非運用型広告”の伸びが鈍化しているが、一方で閲覧者の属性や行動履歴を分析して効果を高めた“運用型広告”が急増傾向にある。クライアントは、入札条件を入札専用のデマンド・サイド・プラットフォーム(DSP)に設定すれば、広告枠の入札に参加ができる仕組み。フリークアウトはスマホ向けDSPを提供、LINE <3938> とは合弁事業を行うなど連携しており成長期待が高い。

■持田製薬 <4534>  7,980円 (+150円、+1.9%)

 持田製薬 <4534> が13日ぶりに反発。1日、三洋化成工業 <4471> が昨年10月に医薬品製造販売承認を取得していた潰瘍性大腸炎の体外診断用医薬品「カルプロテクチン モチダ」が、6月1日付で保険適用されたと発表しており、販売を手掛ける同社の業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。「カルプロテクチン モチダ」は、三洋化成および持田製薬が、スイスのブールマンラボラトリーが開発・販売する診断薬に関して、日本国内での独占製造・販売契約を交わして製造販売する体外診断用医薬品。潰瘍性大腸炎の体外診断用医薬品として、三洋化成が日本で初めての認可を取得し、持田製薬を通じて販売することになっており、現在、発売に向けて準備中としている。

■NTTデータ <9613>  6,080円 (+110円、+1.8%)

 エヌ・ティ・ティ・データ <9613> が4日ぶりに反発。同社は1日、米マークロジックの株式を取得し、次世代データベースビジネスの拡大に向けて資本・業務提携することで合意したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。NTTデータは2012年にマークロジックと販売代理店契約を結んでおり、これまでの協業関係をさらに強化するかたち。両社はこの提携を通じ、従来NTTデータが国内企業を中心に提供していた「AI(人工知能)技術を含むさまざまな最新技術によるデータ活用」サービスの取り組みを拡充し、共同でグローバル市場開拓ビジネスプランを作成、NTTデータグループの主要グローバル商材として、次世代データビジネスの事業拡大を目指すとしている。

■ブリヂストン <5108>  4,727円 (+75円、+1.6%)

 ブリヂストン <5108> が6日ぶりに反発。1日から国内市販用タイヤの出荷価格を従来比で6~10%値上げしており、採算改善を期待した買いが入ったようだ。昨年来、タイヤの主要原材料である天然ゴムをはじめとして、合成ゴムなど石油化学系原材料の価格が高騰しており、企業努力だけでこれを吸収することは困難であるとして値上げを決定したという。また同社同様に6月から6~10%値上げした住友ゴム工業 <5110> も5日ぶりに反発した。

■小野薬 <4528>  2,332.5円 (+30.5円、+1.3%)

 小野薬品工業 <4528> が3日ぶりに反発。同社は5月31日の取引終了後、米Array Biopharma(アレイ社)が開発中のMEK阻害剤「Binimetinib」およびBRAF阻害剤「Encorafenib」に関して、日本と韓国で開発・商業化するライセンス契約を締結したと発表したことが好感された。MEK阻害剤であるBinimetinibおよびBRAF阻害剤であるEncorafenibについては、現在、 併用療法としてBRAF変異メラノーマとBRAF変異大腸がんを対象とした2つのグローバル第3相臨床試験を実施している。

■村田製 <6981>  15,515円 (+165円、+1.1%)

 村田製作所 <6981> 、ローム <6963> 、日東電工 <6988> など米アップルのサプライヤーリストに指定される電子部品株に買いが入った。名実ともに月替わりとなり、国内機関投資家の買い需要が発生しているとの見方が出ている一方、市場関係者の間では「6月6日に米アップルが新製品発表の場となる開発者向けイベント『WWDC』基調講演を予定しており、電子部品関連の株価にはポジティブに働く」(国内ネット証券アナリスト)との指摘があった。今秋発売予定のiPhone次世代機種に対する思惑も底流している。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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