【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 株神バフェットに倣う“強勢銘柄”投資
株式アドバイザー 北浜流一郎
「株神バフェットに倣う“強勢銘柄”投資」
●株式投資の本道は「増収増益株」にあり
日経平均株価が2万円の大台に乗りそうで乗らない。もちろん一日も早く乗ってほしいものだが、正直急ぐことではない。
近いうちに乗ればよいからだ。それにスピーディーに乗っても、すぐに反落してしまったのでは意味がない。重要なのは2万円台に乗ることではなく、さらに上がって2万2000円、2万3000円と水準を上げてくれることだからだ。
そうなる可能性はあるのか。十分あると見ている。
何を根拠に? 企業業績だ。四半期、そして本決算が相次いで発表されているが、それらの多くが好業績、しかも上方修正企業が多いからだ。
株式投資の本道は、増収増益株は有望、これになる。実際はこの原理通りには動いてくれない銘柄もあって、そうした銘柄に投資してしまうと落胆させられることになるのだが、それでも勝利の確率が高いのはやはり増収増益企業への投資になる。
ところが、それらの銘柄は多くの場合、すでに買われて高値圏。こうなっている。
そのため、投資に二の足、三の足を踏んでしまい、結局買いを見合わせてしまう。最悪のケースでは、高くなったところで我慢し切れなくなって投資し、そして反落。こんなことになったりする。
そこで、紹介したいのが、ウォーレン・バフェット氏の最近の投資姿勢だ。このところ米国で投資家の話題を集めているのが、バフェット氏のアップル株投資である。
バフェット氏が(といっても率いるバークシャー・ハサウェイ社だが)保有するIBM株の3分の1を売却したというのだ。バフェット氏といえば、これと見込んだ株は滅多なことでは売らないことで知られていた。
それなのに、長期保有していたIBMを大量売却したのはなぜか。企業収益の伸びが止まっているのを警戒してのことと見てよい。2017年1-3月期まで20四半期連続で減収を続けていては、さすがに愛想がつきたのだろう。
では、現在氏はどんな株を購入しているのか。明らかになっているのはアップル株だ。昨年のいま頃からアップル株の購入が話題になりはじめ、今年2月末にはさらに買い増し、昨年末に比べて2倍余りの約1億3300万株に増やし、投資額は実に180億ドル(2兆210億円)に及んでいる。
●バフェット氏の投資スタイルに変化?
バフェット氏は、それまでIT企業への投資には興味がないと言っていたのだ。それに同氏の投資方針は、徹底的に下げたところでの買いだったはずだ。ところが、アップル株はどんどん上値を追い、史上最高値を更新中なのだ。そんな銘柄への投資は、バフェットファンなら、「殿ご乱心か?」と疑うほどだろう。
しかし、ご乱心などではもちろんない。バフェット氏はアップル株に投資した理由を、「ティム・クックCEOが資本の運用に秀でている」「アップル製品はユーザーの継続購入が多い」ことを上げている。
これらによって増収増益を続けていることに注目している。こういうことであり、ごく当然で、平凡といえるような理由ながら、株神バフェット氏がこんな姿勢でアップル株に投資している事実は、やはり参考にした方がよいのではないか。実際、バフェット氏はアップル株への投資で巨額の利益を得ているのだ。
ということで、ここでの注目銘柄も、スケールではアップルに及ばないもの、堅調さでは負けない「強勢銘柄」への投資を考えたい。まずは私の好きな銘柄である日本M&Aセンター <2127> になる。これまで幾度も紹介したが、株価は絶好の動きを続け、新値に進んだばかりだ。M&Aの案件豊富でこなし切れないほどとなっているだけに、株価は目先小反落はあってもさらなる上昇が見込める。
7月に東証1部への昇格を申請すると一部で報道されたシャープ <6753> [東証2]も、一時の過熱感はなくなっているので400~420円ゾーンで拾っておきたいところだ。
インドネシアでは若者たちがポマードで髪を固めるのが大流行とのこと。その恩恵をフルに受けているのがマンダム <4917> 。もちろん同社株も有望だ。
地域限定菓子で多彩なブランド展開を推進、増収増益を続けている寿スピリッツ <2222> も急騰はないものの、着実高はある。
地味な銘柄ながら百貨店、専門店向けなどの紙袋に強いザ・パック <3950> も株価高値圏ながら浅い押し目で拾っておきたい銘柄。国内消費は意外に堅調なだけに株価の上昇トレンドは崩れないだろう。
新興銘柄ではジャスダックのナカニシ <7716> [JQ]が魅力的だ。歯科関連機器に強く、歯科業界はいまインプラント全盛時代だけに歯科関連の各種機器類の需要増が続き、株も魅力的だ。
2017年5月12日 記
株探ニュース