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【市況】【杉村富生の短期相場観測】─ 世界の投資資金はリスクオンの姿勢を鮮明に!

株式評論家 杉村富生

「世界の投資資金はリスクオンの姿勢を鮮明に!」

●VIX指数は24年ぶりに10ポイント割れ!

 外部環境が急好転、世界の投資資金はリスク・オンの姿勢を鮮明にしている。その象徴的な動きがVIX(恐怖)指数だろう。5月8日には9.77ポイントまで低下した。約24年ぶりの低水準だ。VIX指数は先物の対象になっている。このため、時に不可解な値動きを示すことがある。

 しかし、歴史的な10ポイント割れは多くの投資家が地政学上のリスクなど、「まったく気にしていない」という明らかなデータではないか。

 とりあえず、短期的に米軍の北朝鮮攻撃はないと思う。ソウル近郊には10万人超のアメリカ人がいる。北朝鮮の戦車、戦闘機は旧ソ連製の「博物館クラス」と言われているが、射程40キロ級の火砲は大量に保有している。万一の場合、ソウルは“火の海”となる。

 このリスクをトランプ政権が冒すとは考えにくい。攻撃の前に、アメリカ人に対する「避難命令」が発動されるだろう。邦人も同じだ。シリア、アフガニスタンに対する空爆とは状況が違う。

●引き続いて好決算銘柄を攻める!

 為替は円安に振れている。1ドル=114円前半だ。主力輸出企業の想定為替レート(2017年度)は108円43銭だ。いまだに、「105円」にこだわっている企業もある。この円安は株高に加え、企業業績の強力な支援材料になろう。

 それなのに、日経225証拠金取引の売り残高は18万6000万枚と、史上最高水準に放置されている。おそらく、買い戻せない状況に陥っているのだろう。こうした事例は株価上昇の初期局面においてみられる現象である。

 ヘッジファンドなど売り方はポジションの手仕舞いを急いでいる。GS(ゴールドマン・サックス)はドテン買い越しに転じた。彼らは素早い。機を見るに敏!というべきか。確かな情報を持っているのだろう。6~7月に、日経平均株価は2万2000円絡みの水準がある、と判断している。

 一方、物色面では引き続いて好業績銘柄を攻めたいと思う。具体的にはTHK <6481> 、ネクストジェン <3842> [JQG]、KLab <3656> など。このほか、ポラテクノ <4239> [JQ]、青山財産ネットワークス <8929> [東証2]、アーレスティ <5852> 、スマートバリュー <9417> [JQ]の好業績、株価の強さは評価できる。

2017年5月11日 記

株探ニュース

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