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【特集】清水三津雄氏【大型連休目前、セルインメイへの警戒は?】(2) <相場観特集>

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

―懸念払拭「東京市場」、日経平均の戻りメドは―

 仏大統領選の結果は大方の想定通りとなり、これを受けて、週明け24日の東京株式市場は大きく買い優勢の展開となった。しかし、まだ油断できない部分もある。あす25日は、北朝鮮の人民軍創建85周年に絡み軍事的挑発に対する警戒感がくすぶる。また、本格化する企業の決算発表に対する思惑が交錯するなか、ガイダンスリスクが改めて意識される可能性もある。5月の大型連休を前に投資家はどう対処すべきか。第一線で活躍する市場関係者に、ここからのマーケット展望を聞いた。

●「2万1000円視野の強調相場も」

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

 今後、1ヵ月程度の相場をみた場合、東京市場は強含みの相場が期待できるとみている。

 日本の景気は好調なほか、今後本格化する決算発表では史上最高益を更新する企業も少なくないとみられる。国内要因は、マクロ・ミクロともに堅調とみていい。

 海外では、来月中旬にも米トランプ大統領が予算教書を発表する予定だ。トランプ大統領の政権運営の手腕を不安視する動きも出ているが、インフラ投資や減税が実施される方向性は変わらない。トランプ政権は、年4%の経済成長を掲げており、依然として積極的な景気刺激策は期待できるだろう。

 外部環境では北朝鮮問題による地政学リスクのほか、来月下旬のOPEC総会、5月の仏大統領選と6月の英国選挙など不透明要因はあるが、ひとつ一つの懸念要因をこなすことで徐々に上値を試す展開が予想される。

 日経平均株価は5月下旬にかけ、2万1000円を視野に入れた展開が期待できるとみている。下値は1万8500円前後だろう。

 個別では、好業績銘柄が注目されるだろう。為替の円安基調も見込めるなか、ソニー <6758> などの大手電機株や村田製作所 <6981> 、アルプス電気 <6770> といった大手電子部品株の上値が期待できる。ファナック <6954> や安川電機 <6506> など設備投資に絡むロボット関連株なども面白いだろう。

 また、株価が軟調に推移していた三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などの銀行株、野村ホールディングス <8604> などの証券株といった金融株も見直されそうだ。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・みつお)
日本アジア証券エクイティ・ストラテジスト。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。セミナー講師を年間50回以上務め、個人投資家との対話が好評を博す。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演中。

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