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【特集】窪田朋一郎氏【大型連休目前、セルインメイへの警戒は?】(1) <相場観特集>

窪田朋一郎氏(松井証券 シニアマーケットアナリスト)

―懸念払拭「東京市場」、日経平均の戻りメドは―

 仏大統領選の結果は大方の想定通りとなり、これを受けて、週明け24日の東京株式市場は大きく買い優勢の展開となった。しかし、まだ油断できない部分もある。あす25日は、北朝鮮の人民軍創建85周年に絡み軍事的挑発に対する警戒感がくすぶる。また、本格化する企業の決算発表に対する思惑が交錯するなか、ガイダンスリスクが改めて意識される可能性もある。5月の大型連休を前に投資家はどう対処すべきか。第一線で活躍する市場関係者に、ここからのマーケット展望を聞いた。

●「上昇はショートの巻き戻し、下振れリスクも」

窪田朋一郎氏(松井証券 シニアマーケットアナリスト)

 仏大統領選の第1回投票結果は、事前予想のメーンシナリオであった中道・独立系のマクロン候補と、極右政党・国民戦線のルペン候補の決戦投票という形となり、マクロン氏が勝利する可能性が高まったとの見方から、株式市場はリスクオンの流れに傾いた。為替が対ドル、対ユーロともに円安方向に傾いたこともあって、主力株中心に風向きは追い風となった。

 ただし、足もとの株高はショートの巻き戻し(空売りの買い戻し)の色が強く、先物主導の裁定買いによってもたらされた上昇も多分に含まれるだけに、日経平均の上昇ほど実態は強くない。中小型株は軟調なものも多く、東証2部や新興市場が利益確定売り優勢で推移したことも、相場が完全に復調モードではないことを暗示している。

 今週のポイントは主に2つある。まず、北朝鮮を巡る地政学リスクについては、あす(25日)の朝鮮人民軍創建85周年に合わせて北朝鮮が軍事的挑発を行うのか否か、これは突発的な波乱要因として注意が必要となることは言うまでもない。しかし、中期的な見地からより重視しておかなければならないのは、トランプ米大統領が税制改革の内容を26日に発表する意向を表明していることだ。マーケットが待ちわびた具体的な減税案であるが、この規模感が市場期待に応えるものなのかどうか、そして議会を通過するいわゆる実現可能性の高いものかどうか、この点に投資家の関心が集中することになるだろう。

 米長期金利の動向は“トランプ相場”において重要なバロメーターとなっているが、直近は2.17%から2.25%台まで上昇、政策に対する期待感が再燃していることを窺わせる。しかし仮に、発表されたトランプ大統領が打ち出す減税策が期待を裏切る内容だった場合は、米長期金利は再び急低下し、結果的に為替市場でドル安円高を招き、日本株も厳しい向かい風に遭遇する。

 その場合は日経平均の下値1万8000円前後への大幅な調整もあり得るだろう。一方、失望売りにさらされないケースでは、米長期金利は上昇し、円安を背景としたリスクオンの環境のなかで日経平均は目先1万9100円を目指す展開を想定している。

 また、今週から企業の決算発表が本格化することで、個別銘柄の株価は業績動向に左右されることになる。全体では18年3月期の企業業績は改善色の強いものとなるが、個別にはソニー <6758> 、パナソニック <6752> などの大手電機メーカーや、東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> など半導体装置関連株などを注目している。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(くぼた・ともいちろう)
松井証券へ入社後、マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウオッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。

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