【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 狙うは消費関連! リスク回避&成長期待で魅力光る
株式アドバイザー 北浜流一郎
●トランプ流為替操作が日本株の重石に
東京市場にとって最大の懸念材料となっていた北朝鮮の金正恩委員長の祖父、キム・イルソン(金日成)主席の生誕105年を記念する催事が終わってちょうど一週間。
東京市場の回復力は弱々しい限りだ。21日こそ日経平均株価は100円以上上昇したものの、それまでは上がっても小幅。1万8500円台を回復するのに手間取ってしまった。
そのため、現在の水準は昨年12月初めに逆戻りした形になっているのが実際だ。12月の場合、その後、月半ばには1000円幅ほど上がって1万9500円台に乗ったが、今回も同様の展開になるのか。
残念ながらそれは難しいと見る。昨年12月のように円相場が対ドルで下落する可能性は低いからだ。
トランプ大統領は中国、日本などが為替操作を行っているとの発言を時々する。しかし、実際に為替操作を行っているのは米国そのものといってよい。トランプ大統領自身が口頭で「ドルは高すぎる」と堂々と発言しており、これがドルを引き下げる役割をしていると見てよい。
先進諸国のトップで、自国通貨の水準についてことあるごとに「高い」「高い」「高すぎる」と繰り返すのはトランプ大統領一人しかいない。
この点でわれわれ日本の投資家は、中東や北朝鮮などの地政学リスクとともに、トランプリスクを警戒する必要がある。警戒するといっても、トランプ大統領の口を塞ぐわけにいかないし、ツイッターに書き込む指を拘束するわけにもいかない。
ならば、どうするか。為替変動の影響を受けやすい銘柄にはなるべく近づかず、逆に影響を受けにくい銘柄にシフトする。極めてオーソドックスながら、なかなか実行が難しいこの方法で対処するのがよい。そして実際、国内消費への依存度の高い銘柄の値動きは多くが良好だ。
しかも、それらは北朝鮮リスクにも強いので心強い。極論するなら、たとえ北朝鮮リスクがあっても消費関連には簡単には縮小しない事業があるからだ。私なら、ハーゲンダッツを食べずにいられないといった具合に。
●飲食中心に魅力株が多い消費関連
では、どんな銘柄が有望か。前回取り上げたコシダカホールディングス <2157> はなお有望。そして新たに、まずはドトール・日レスホールディングス <3087> だ。私の住む街の最寄り駅前にもあるので時々行くが、いつもかなりお客が入っている。実際、この会社の収益は伸び続けていることから株も魅力的だ。
同じく喫茶店ではコメダホールディングス <3543> も高値圏ながらなお上昇余力があると見る。客席が適度な距離を保って離れているため落ち着いて長居できるのがよい。
喫茶店といったらスターバックスじゃないか。こういう方もおられようが、同社は東京市場には上場されていない。かつては上場されていたのたが、知名度向上で上場に特に意味はないと本社が考えたのだろう。
他の業種にも目も向けてみると、ペッパーフードサービス <3053> [東証M]がある。ステーキのファストフード店「ペッパーランチ」などを運営しているが、将来、米国産牛肉の関税が引き下げられる可能性が高いことを考えると、株価の現在水準はまだ低いと見てよい。
ゼンショー傘下でファミレス「ココス」を運営しているココスジャパン <9943> [JQ]も、客席に可愛いロボットを導入するなどユニークな経営努力を続けており、株価も上向き始めた。少し時間はかかるものの、回復トレンドが続く可能性が高い。
4月3日に発表された今17年11月期業績予想が期待外れだったとして大きく売り込まれてしまったキユーピー <2809> も、4月12日につけた安値2726円が直近の底と見てよい。現在の2800円前後ならここから大きく下げることはまず考えられず、中長期投資に向く。
最後に先月の福岡旅行で店舗を実際に取材してきたコインランドリー運営のWASHハウス <6537> [東証M]を。
2017年4月21日 記
株探ニュース