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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

JMACS <日足> 「株探」多機能チャートより

■JMACS <5817>  605円 (+100円、+19.8%) ストップ高

 JMACS <5817> [東証2]がストップ高で年初来高値を連日更新した。同社は14日後場に決算を発表。17年2月期の経常損益(非連結)は5400万円の黒字(前の期は9100万円の赤字)に浮上し、続く18年2月期の同利益は前期比5.6倍の3億円に急拡大する見通しとなった。これを評価する買いが続いており、14日から20日までの5営業日のうち4営業日でストップ高を記録している。同社は電線事業を主力とするほか、新事業としてIoTを活用したスマート工場化などのトータルソリューション事業を手掛けている。前期は昨年11月以降の銅価格急騰で採算が改善し、経常黒字を確保した。今期は高機能ケーブルなど付加価値の高い商品の開発に注力、トータルソリューション事業を確固たるものとし、大幅増益を目指す。業績回復に伴い、今期の年間配当は前期比5円増の15円に増配する方針とした。

■enish <3667>  936円 (+150円、+19.1%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。enish <3667> がストップ高で年初来高値更新。直近では短期資金が集中し、前日までストップ高を含む5連騰となっていたが、20日は、日本国内で配信しているみんなで×つなげるバトルRPG「12オーディンズ(トゥエルブ オーディンズ)」を中国で配信すると発表しており、これを好感した買いが入った。「12オーディンズ」は、プレイヤーが、世界を滅ぼしかけた魔龍の爪あとが残るウルザールを舞台に、「約束の地」を求めて冒険に旅立つというストーリーで、個性豊かなキャラクターとの出会いや交錯する思いと人間模様など、仲間との連携が熱い、みんなで×つなげるバトルRPG。今回の中国配信では、中国のOPD2C社(上海市)と独占的ライセンス契約を締結したことで実現し、配信は今年夏ごろを予定しているという。

■シンプロメンテ <6086>  2,224円 (+347円、+18.5%)

 シンプロメンテ <6086> [東証M]が続急騰。19日、同社が乃村工藝社 <9716> との資本業務提携の最終契約を今月27日に行う見通しとなったと発表したことが買い材料視された。同社は2月16日に乃村工芸社との資本業務提携に関する基本合意書を締結したが、今月10日になって同提携の協議期間を延長すると発表していた。今回、最終契約日が決まったことで提携を再評価する買いが殺到した。なお、今回の提携内容は、乃村工芸社と合弁会社を設立し、飲食店などの新設・改装向けサービスで協業するほか、同社が乃村工芸社子会社で設備メンテナンスを展開するテスコを株式交換で完全子会社化するというもの。

■ソレイジア・ファーマ <4597>  606円 (+67円、+12.4%) 一時ストップ高

 ソレイジア・ファーマ <4597> [東証M]が連日の急騰。前日のストップ高に続き、20日も一時ストップ高まで買われた。全般相場が方向感に欠ける展開となるなか、値の軽いバイオ関連株として目先筋を中心する買いが集まっている様子だ。同社は先月24日に東証マザーズに新規上場した赤字のバイオベンチャー企業で、悪性腫瘍の治療を目的とする医薬品の開発・販売が主な事業。株価は600円台に乗せ、公開価格185円から約3.4倍の水準に上昇している。売買単位は100株であり6万円台から投資ができる手掛けやすさも人気を呼ぶ要因となっている。

■オロ <3983>  3,400円 (+320円、+10.4%)

 オロ <3983> [東証M]が急騰。同社は3月24日に上場した直近IPO銘柄でクラウドを活用した業務管理サービスを手掛ける。新規上場後のセカンダリー市場では調整色を強めていたが、直近は3連騰と戻り足を強めている。そのなか19日、クラウド型統合業務システム「ZAC Enterprise」の販売累計が10万ライセンスを突破したことを発表、これを材料視する短期資金の流入を誘っている。

■ライフネット生命保険 <7157>  420円 (+36円、+9.4%)

 ライフネット生命保険 <7157> [東証M]が急伸し年初来高値更新。19日の取引終了後、17年3月期決算において、保険業法第113条繰延資産の一括償却を行うと発表しており、これを好材料視した買いが入った。保険会社は、開業当初に多大な事業費が先行して発生することから、保険業法第113条第1項において、開業から5年間の事業費を資産として計上し、10年以内に償却することが認められている。同社でも、開業後の08年度から12年度までに発生した事業費の一部を保険業法第113条繰延資産として計上し、17年度までの10年間で償却するとしており、17年3月期および18年3月期に10億6000万円の均等償却を行う予定だったが、これを17年3月期に一括償却することにしたという。これに伴い、17年3月期業績は、経常収益100億9600万円(前の期比7.6%増)、経常損益20億3100万円の赤字(前の期4億7500万円の赤字)、最終損益18億9000万円の赤字(同4億2900万円の赤字)になる見通し。また、18年3月期は引き続き営業費用の積極的な投下を予定していることから、経常損益は赤字を予定していることも明らかにしている。

■サンバイオ <4592>  1,163円 (+87円、+8.1%)

 サンバイオ <4592> [東証M]が続伸。同社は19日に、20日放送予定のNHK「クローズアップ現代+」で取り上げられることを明らかにしている。この番組は「脳がよみがえる!?再生医療大国・日本の逆襲」と題し、再生医療ベンチャーの最前線をルポするという。

■NOK <7240>  2,521円 (+168円、+7.1%)

 東証1部の上昇率3位。19日、NOK <7240> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の311億円→441億円に41.8%上方修正。減益率が42.1%減→17.9%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。自動車・産業機械用シールやスマートフォン向け電子部品の販売が想定より伸びたことが寄与。円安による収益押し上げ効果や為替差損の減少も利益を押し上げた。

■アーレスティ <5852>  1,020円 (+49円、+5.1%)

 東証1部の上昇率9位。アーレスティ <5852> が4ケタ大台を回復。戻り足を強めてきた。同社はアルミダイカストの大手メーカーで北米自動車向けなどの高水準の需要を取り込んでいる。全般波乱相場でツレ安したものの、「決算発表が近づくなかファンダメンタルズに再注目する流れにあり、株価指標面で割安な銘柄は復元力が強い」(準大手証券)との見方がある。そのなか、同社株はPER6倍台、PBRは0.4倍台と超割安圏にあり、17年3月期業績はなお上振れ余地が指摘されるほか、18年3月期も増益の公算が大きいとみられ見直し買いを誘っている。株主還元にも前向きで16年3月期に続き17年3月期も2円増配の16円を計画。

■オハラ <5218>  1,001円 (+43円、+4.5%)

 オハラ <5218> が急反発。同社は光学ガラス大手で苦戦のデジカメ市場向けレンズ材を縮小させ成長市場へ経営の重心をシフト、有機EL製造装置向けガラスセラミック材などが好調で収益成長トレンドに乗っている。また、同社が手掛ける高透過率を実現した「ナノセラム」は従来のスマートフォン向け以外の需要を開拓し業績への貢献が期待される。17年10月期営業利益は前期比6.3倍の9億円を見込むなど急回復トレンドにある。0.6倍台のPBRにも割安感が強い。

■日本写真印刷 <7915>  2,637円 (+99円、+3.9%)

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が18日付で日本写真印刷 <7915> の投資判断「Buy(買い)」を継続し、目標株価を3920円→4800円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、センサーフィルム再拡大による収益底上げが中長期で実現すると再強調。有機EL市場の拡大などを踏まえ、センサーフィルムの販売数量予想を上積みした。株価は円高に加え、3月の台湾TPKと中国O-filmの提携報道以降、調整色を強めているが、今後説明会などを通じ、センサーフィルムの競争状況と需要増の方向感が確認されれば、上昇に転じるとみている。

■ロート製薬 <4527>  1,939円 (+40円、+2.1%)

 ロート製薬 <4527> が反発。野村証券が19日付で、投資判断「バイ」を継続しつつ、目標株価を2200円から2700円へ引き上げており、これを好材料視した買いが入ったようだ。同証券では、中国や日本の業績が落ち込んだ17年3月期を経て、18年3月期は「製薬会社の知見を生かした」「ロート製薬ならでは」の開発力が発揮され、新たな成長ステージを迎えることになると評価。その18年3月期業績は、中国EC向け商品投入、医薬品研究開発から生まれた新商品の拡販が進むと見て、営業利益予想を150億円から152億円へ引き上げている。

■三菱UFJ <8306>  666.6円 (+11.2円、+1.7%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクが戻り足を強めてきた。三菱UFJは一時3%近い上昇をみせ、「これまでの空売り筋のショートカバーによるアヤ戻しとは違う動き」(国内投資顧問)という。「GPIFの買いなどが一部で取り沙汰されているが、自動車は朝方の貿易統計を受けた買いの根拠があるものの、銀行については足もとの日米の長期金利が上昇したくらいで材料に乏しい」(同)という。このほか市場では、年金資金のリバランスの買いに加え、リスクオフからリスクオンへの転換を感じ取った個人など短期資金の買い参戦も影響しているとの見方も出ている。

■Jフロント <3086>  1,593円 (+23円、+1.5%)

 J.フロント リテイリング <3086> が5日続伸。20日、同社や森ビルなどが手掛けた商業施設「GINZA SIX」(ギンザ シックス)が開業しており、業績への寄与を期待した買いが入った。同施設は松坂屋銀座店跡に建てられた、地上13階・地下6階建ての施設で、売り場面積は銀座最大の約4万7000平方メートル。ファッションや服飾雑貨、飲食など241店舗を誘致したが、出店する店舗の半数以上が旗艦店と位置付けており、新たな銀座の名所として期待が高まっている。

■ヤマハ発動機 <7272>  2,481円 (+26円、+1.1%)

 ヤマハ発動機 <7272> が反発。同社は20日、エンルート(埼玉県ふじみ野市)と産業用ドローン事業での業務提携に向けた検討を開始したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。両社は今後、8月をメドに業務提携契約を結ぶ予定。両社の製品や事業ノウハウを活用し、農薬などの散布ドローンをはじめとした産業用ドローンのグローバル展開および、精密農業や各種インフラ点検、測量、環境対策、災害対応、運輸、漁業などドローンを利用した新規市場開拓での協業を目指すとしている。

■トヨタ自動車 <7203>  5,754円 (+59円、+1.0%)

 トヨタ自動車 <7203> 、SUBARU <7270> など自動車株に買いが厚くなってきた。外国為替市場で一時1ドル=109円台に入るなど円安基調にあることが、為替感応度の高い自動車セクターには有利に働いているが、市場ではリバランスの買いを指摘する声も強い。「リスクオフの流れが一巡したことで、国内外の機関投資家に食品セクターなどを売って、これまで売り込まれていた自動車株や銀行株などを買い戻すポジション調整の動きが出ている」(国内大手証券)としている。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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