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【市況】米国株式市場見通し:1-3月期決算が本格化


先週はトランプ大統領が中国の為替操作国認定を見送り、ドル安や低金利環境を望ましいとする考えを示唆するなど当初の主張と矛盾する対応が目立ち、市場には混乱が広がった。15日には北朝鮮が故・金日成主席の生誕105周年の記念日を迎えるが、仮にミサイル発射や核実験などが行われるなど不測の事態が起きた場合、週明けも地政学的リスクの上昇による投資家のリスク回避姿勢が継続することに注意が必要だ。但し、今週からは1-3月期決算発表が本格化していく。また、今年は18日が確定申告期限となっているが、それに伴って非課税で積み立てられる退職金額が確定、市場に流入してくる時期であることから、ファンダメンタルズ的にも需給的にも悪くない状況だ。地政学的リスクが落ち着けば再び上値追いも期待できるだろう。

主要企業の1-3月期決算は、ハイテク銘柄では動画配信サービスのネットフリックス(17日)、ITサービスのIBM(18日)、検索サイトのヤフー(18日)、半導体のクアルコム(19日)、オークションサイトのイーベイ(19日)などの発表が予定されている。ネットフリックスは10-12月期決算で契約者数の伸びが予想を大幅に上回ったことが好感された。同社は17年度のコンテンツ制作に前年比20%増の60億ドルを投資する方針を示しているが、引き続き、十分な会員数を確保できるかに注目したい。

その他主要企業では、航空大手のユナイテッド・コンチネンタル(17日)、医療保険のユナイテッドヘルス(18日)、医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソン(18日)、金融大手のバンク・オブ・アメリカ(18日)、ゴールドマンサックス(18日)、モルガンスタンレー(19日)、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(19日)、通信のベライゾン(20日)、複合企業のゼネラル・エレクトリック(21日)などの決算も控えている。ユナイテッド・コンチネンタルは、会社都合のオーバーブッキングを巡り乗客を強制的に降機させた問題が、訴訟に発展する見込みとなっている。暫くは利用客の減少も予想され、業績見通しには注意が必要だ。

経済指標ではニューヨーク連銀製造業景気指数(17日)、4月NAHB住宅市場指数(17日)、3月住宅着工・建設許可件数(18日)、3月景気先行指数(20日)、4月マークイット米国製造業PMI(21日)、3月中古住宅販売件数(21日)などの発表が予定されている。17日には中国の1-3月期GDP、19日にはFOMCでの基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表も予定されている。先月発表されたNAHB住宅市場指数は約12年ぶりの高水準となった。今週も住宅関連指標に注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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