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【市況】国内株式市場見通し:外部環境の落ち着き次第では、意外高の可能性も

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は下落。米中首脳会談の行方や米雇用統計の結果を見極めたいとの模様眺めムードのなか、シリアや北朝鮮問題など地政学リスクの高まりを背景に、日経平均は年初来安値を更新した。また、午後に入りインデックスに絡んだ売買から値を崩す傾向にあるなか、中小型株についても下げが目立つ場面がみられ、投資家のセンチメントを悪化させた。

米国のトランプ政権はシリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃で多数の死傷者が出たことへの対抗措置として、巡航ミサイル「トマホーク」59発をシリアの同国軍施設に発射し、対シリア攻撃を行った。地政学リスクの高まりが嫌気されるなか、週末の日経平均は一時18517.43円まで下げる場面をみせている。

今週については、先週末の米雇用統計のほか、米中首脳会談の行方が相場を左右させそうである。雇用統計については農業分野以外の就業者数は、前月比9.8万人の増加と、市場の予想(18万人程度)を大幅に下回った。しかし、失業率は4.5%と前月より0.2ポイント低下し、平均時給も前年比プラス2.7%とインフレ期待を後退させる内容ではなかった。また、米中首脳会談では、貿易、北朝鮮問題などで両国の意見が一致する兆しが見えないまま閉幕した。首脳会談の合意内容次第では北朝鮮が挑発的な行動に出るとの懸念が強かったこともあり、一先ず落ち着きをみせてくる可能性がありそうだ。まずは、11日に北朝鮮が最高人民会議を開催することもあり、市場の関心が集まろう。

日経平均については、先週の調整により年初からのもち合いレンジ(19000-19600円)を下放れており、シグナルは悪化傾向にある。信用需給では信用倍率は昨年11月以来の3倍台と買いに傾いているため、戻り待ちの売り圧力も警戒されやすいと考えられる。ただ、模様眺めムードの中で午後のインデックスに絡んだ商いで振らされた可能性はある。海外勢のオーダーはそれ程多くないと観測されているほか、また国内の機関投資家は、中小型株に対しての押し目買いが観測されている。外部環境の落ち着き次第では、これまでのもち合いレンジ下限レベル辺りへの意外高の可能性も意識しておきたい。もっともスウェーデンの首都ストックホルム中心部の繁華街で、トラックが歩行者に突っ込む事件が起きた。15日には北朝鮮 金日成国家主席の生誕105周年を控え、地政学リスクが上値の重しとなる状況は変わらず、シグナルを好転させることは厳しい。

経済イベントでは10-11日にG7外相会合が開かれる。10日に米労働市場情勢指数(3月)、11日に独ZEW景況感指数(4月)、ユーロ圏鉱工業生産(2月)、12日に機械受注(2月)、企業物価指数(3月)、米輸入物価指数(3月)、米財政収支(3月)、中国消費者物価指数(3月)、中国生産者物価指数(3月)、13日に米生産者物価指数(3月)、米ミシガン大学消費者マインド指数(4月)、中国貿易統計(3月)、14日に米消費者物価指数(3月)、米小売売上高(3月)が予定されている。また、週末は欧米市場がグッドフライデーの祝日で休場となるため、週後半に向けては商いが細ることになろう。

その他、イベントではニューヨーク国際自動車ショーのプレスデー(13日まで、一般 公開は14-23日)が開催される。米決算ではJPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、シティグループなど金融機関の決算発表が予定されており、材料視されよう。

《FA》

 提供:フィスコ

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