【市況】米国株式市場見通し:1-3月期決算シーズンに突入
14(金)は聖金曜日で株式相場は休場。来週から1-3月期決算発表シーズンに入る。投資家は減税や規制緩和などトランプ大統領の政策により米国企業の多くが恩恵を受けると見ているものの、医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案が撤回されたほか、今週から米議会が休会となり、税制改革の早期成立にも懸念が生じている。これらを受けて決算では業績見通しに慎重となる企業が増える可能性があり、失望を誘う可能性もある。また、シリアへの空爆や北朝鮮によるミサイル発射問題など地政学リスクも高まっており、追加動向に注目したい。
FOMC議事録では、年内のバランスシート縮小に向けて関係者の多くが、満期を迎えた保有証券の再投資停止を支持したことが明らかとなった。2013年にバーナンキ前FRB議長が債権購入額を縮小する可能性を示唆した際は、金融市場の混乱を招いたが、今回は段階的縮小が明言されるなど、緩やかな内容となり市場への影響は限定的だろう。一方で、バランスシートの縮小が開始されれば、17-18年の利上げ見通しに影響を与える可能性があり、保有資産の縮小規模発表に注目が集まりそうだ。
決算発表では航空大手のデルタ航空(12日)、大手行のウェルズ・ファーゴ、JPモルガンチェース、シティグループ(13日)などの発表が予定されている。ファクトセット社の調査によれば、1-3月期のS&P500構成銘柄の利益は、7日時点で前年同期比8.9%の増益予想と、11年10-12月期以来の利益成長(前年同期比)となる見通しだ。金融セクターは全てのセクターで最大となる利益成長が予想されており、特にバンク・オブ・アメリカとゴールドマンサックスの寄与が見込まれている。
経済指標では3月輸入物価指数(12日)、3月生産者物価指数(PPI)(13日)、3月消費者物価指数(14日)、3月小売売上高(14日)などの発表が予定されている。2月消費者物価指数は前月からは小幅上昇となったが、前年同月比ベースでは2012年以来最大の伸びとなった。物価上昇が示されれば、年内の追加利上げや連銀のバランスシートの縮小に関して強気な見方が強まりそうだ。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ