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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

石川製 <日足> 「株探」多機能チャートより

■石川製作所 <6208>  1,137円 (+150円、+15.2%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。石川製作所 <6208> が急反発しストップ高。6日からの米中首脳会談を控え、北朝鮮問題を背景とした北東アジア情勢の緊迫が高まっており、防衛関連株として値動きの軽い同社株への物色資金流入を誘っている。日本時間6日朝に日米電話首脳会談が行われ、トランプ米大統領が「すべての選択肢がテーブルの上にある」と強調したことが伝わっており、地政学リスクが改めて意識された。

■北日本紡績 <3409> [東証2] 112円 (+13円、+13.1%)

 北日本紡績 <3409> [東証2]が買われ、年初来高値を更新した。朝鮮半島を巡る緊張度合が高まるなか、防衛関連株としてストップ高まで買われている石川製作所 <6208> が大株主である同社にも物色人気が波及しているもよう。なお、同社は合繊紡績糸メーカー。2月3日に公表した17年3月期第3四半期決算短信のなかで、「繊維事業は、防護衣料および特殊用途向けの商品開発が急務であり、さまざまな素材を組み合わせて独自商品の開発を進めている」と記載されている。

■TOKYO BASE <3415>  3,250円 (+289円、+9.8%)

 東証1部の上昇率2位。TOKYO BASE <3415> が全般下げ相場に逆行し急騰。アパレル分野で国内ブランドに特化したセレクトショップ「STUDIOS」を展開するほか、独自の新業態店「UNITED TOKYO」も運営。嗜好性が高い商品が主軸でEコマース売り上げが占める割合も高く、高成長路線を走る。17年2月期は会社側計画では営業利益段階で8割増益と高変化を見込むが、上振れた可能性が高い。SMBC日興証券では5日付で同社の投資評価を「1」で新規カバレッジ、目標株価を4100円に設定しており、これが株価を強く刺激する格好となっている。同証券ではTOKYO BASEの17年2月期営業利益を前の期比97%増益の13億円と予想、また18年2月期については18億円を予想している。

■ソレキア <9867> [JQ] 5,210円 (+390円、+8.1%)

 ソレキア <9867> [JQ]が急伸。5日、富士通 <6702> が同社に対するTOB(株式公開買い付け)価格を1株4000円から5000円に引き上げると発表したことが買い材料視された。同社を巡ってはフリージア・マクロス <6343> [東証2]の佐々木ベジ会長がTOB価格を3700円から4500円に引き上げていた。富士通はTOBを成立させるため、価格を上乗せすることを決定した。

■アスクル <2678>  3,170円 (+178円、+6.0%)

 東証1部の上昇率4位。アスクル <2678> が大幅反発。5日取引終了後、17年5月期の連結業績予想の修正を発表し、売上高を3480億円から3350億円(前期比6.3%増)へ、営業利益を95億円から80億円(同6.1%減)へ下方修正したが、目先の悪材料出尽くし感から買われた。個人通販向けサイト「ロハコ」の出荷物流拠点の火災影響により、約101億円の特別損失を計上したことが要因としている。なお、火災による損失額が現時点では確定できないため、最終利益を55億円から未定とし、併せて期末配当も未定と変更している。あわせて発表した第3四半期累計の連結決算は売上高2517億1800万円(前年同期比9.6%増)、営業利益66億9500万円(同2.0%減)、最終損益29億2500万円の赤字(前年同期44億円の黒字)だった。

■アイリッジ <3917> [東証M] 4,320円 (+225円、+5.5%)

 5日、アイリッジ <3917> [東証M]が4月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。

■ソルガムHD <6636> [JQ] 292円 (+14円、+5.0%)

 ソルガム・ジャパン・ホールディングス <6636> [JQ]が大幅続伸。5日の取引終了後、同社株式の「業績」に関する猶予期間入りについての足もとの状況を発表しており、猶予期間入り銘柄からの解除の可能性について触れたことが好感された。同社によると、バイオ燃料事業の販売実績を踏まえると17年3月期は営業キャッシュ・フローが黒字化する見込みで、6月30日提出予定の17年3月期有価証券報告書でこれが確認されると、猶予期間入り銘柄から解除されるとしている。なお、同社では、13年3月期から16年3月期まで4期連続して営業利益および営業キャッシュ・フローが赤字の状態となったことから、上場廃止基準にかかる猶予期間入り銘柄となっている。

■そーせいグループ <4565> [東証M] 11,170円 (+510円、+4.8%)

 そーせいグループ <4565> [東証M]が大幅続伸。5日の取引終了後、英子会社ヘプタレス・セラピューティクスが、英アストラゼネカから1200万ドルのマイルストンを受領したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。ヘプタレス社とアストラゼネカ社とのがん免疫療法領域での提携において、各種がんに対する新規候補治療薬であるAZD4635(HTL-1071)の開発で重要なマイルストンを達成したという。AZD4635は経口投与が可能で、強力かつ選択性の高い低分子のアデノシンA2A受容体拮抗薬で、ヘプタレス社が研究開発を行い、15年にアストラゼネカ社にライセンスを供与した。現在、固形がん患者での単剤治療として、また、アストラゼネカ社のデュルバルマブ(抗PD-1L抗体)との併用治療として、第1相臨床試験を実施中という。

■冨士ダイス <6167> [東証2] 718円 (+29円、+4.2%)

 5日、東証が冨士ダイス <6167> [東証2]を12日付で市場1部に指定替えすると発表したことが買い材料。発表を受けて、TOPIX連動型ファンドの組み入れ需要を見越した先回り的な買いに加え、知名度の高まりや株式流動性の向上を期待する買いが向かった。

■ブランジスタ <6176> [東証M] 1,546円 (+57円、+3.8%)

 ブランジスタ <6176> [東証M]が5日ぶりに大幅反発。同社は5日に、神体験3Dクレーンゲーム「神の手」で、アクセス集中による通信障害が発生したと発表。これをきっかけに「神の手」への関心が再び高まっているようだ。通信障害が発生した背景は、「神の手」の第27弾企画として、5日からアイドルグループ欅坂46の4枚目シングル「不協和音」とのコラボをスタートさせたこと。会社側によると、企画の景品投入後から想定を大幅に上回るアクセスが集中したことによってシステムに負荷がかかり、つながりにくい事象が発生したため、緊急メンテナンスを実施しているという。

■グリー <3632>  717円 (+22円、+3.2%)

 東証1部の上昇率6位。グリー <3632> が大幅続伸し年初来高値を更新した。SMBC日興証券が5日付で同社の投資判断を「2(中立)→1(強気)」に引き上げ、目標株価を590円→900円に大幅増額したことが買い材料視された。リポートでは、2014年に断行したネイティブゲームへのシフトが結実し、18年6月期に業績成長局面入りすると予想。3月30日にリリースされた「武器よさらば」を筆頭に、既に複数のタイトルでユーザーの高評価を獲得していることを評価。17年6月期は計9タイトルのリリースを予定、今後のタイトルの動向に注目したいとしている。

■トーセイ <8923>  735円 (+19円、+2.7%)

 トーセイ <8923> が3日ぶりに反発。5日の取引終了後に発表した第1四半期(16年12月-17年2月)連結決算は、売上高146億7700万円(前年同期比8.5%増)、営業利益38億2800万円(同7.3%減)、純利益25億円(同4.2%減)と減益で着地したが、株価は3月中旬以降下降局面にあっただけに、目先の悪材料出尽くし感から買いが入ったようだ。不動産流動化事業で収益オフィスビルや賃貸マンションなどの1棟販売を順調に進捗させたほか、不動産開発事業で戸建て住宅の販売を推進したことなどが寄与し売上高は増加したが、不動産開発事業で前年同期は商業施設2件の売却があった一方、今期は戸建て住宅の販売のみであったことなどから減益を余儀なくされた。ただ、会社側では第1四半期業績について「概ね計画通り」としており、17年11月期通期業績予想は、売上高692億6800万円(前期比39.0%増)、営業利益100億800万円(同7.8%増)、純利益59億2600万円(同6.8%増)の従来予想を据え置いている。

■あかつき本社 <8737> [東証2] 357円 (+7円、+2.0%)

 あかつき本社 <8737> [東証2]が大幅反発。5日の取引終了後、非開示としていた17年3月期業績見込みを発表するとともに、18年3月期の業績予想を発表しており、18年3月期に営業利益12億円(17年3月期見込み5億円の赤字)を予想していることが好感された。不動産関連事業を展開するトータルエステートグループが18年3月期第2四半期から連結子会社に含まれる見込みであることに加えて、EWアセットマネジメントが運営するヘルスケアファンドにおいて、引き続き有料老人ホーム施設の保有拡大を積極的に行っていくこと、さらに、不動産投資関連のコンサルティング収益11億円が見込まれることなどが業績を牽引するとしている。

■理経 <8226> [東証2] 209円 (+3円、+1.5%)

 理経 <8226> [東証2]が堅調に推移。同社はJアラート(全国瞬時警報システム)の受信機を販売していることなどから、防衛関連株として物色人気が波及しているもよう。なお、同社は昨秋からJアラート受信機の新製品「MRJA2000」の販売を開始。今年1月にはテレビ東京に採用されたことを明らかにしている。

■アドバンテスト <6857>  2,038円 (+23円、+1.1%)

 アドバンテスト <6857> が全体悪地合いのなか反発。前日まで小幅ながら4日続落と調整色をみせていたが、足もと25日移動平均線をサポートラインに切り返しに転じている。半導体製造装置では後工程の検査装置で世界的に高いシェアを持つ。「3次元NAND型フラッシュメモリーなどの次世代商品向けにテストシステム需要が旺盛で先行き成長期待が強い。米国ではこれまでのトランプ相場で主役を担った金融株などから半導体などIT関連に資金シフトの動きが出ており、(東京市場でも)これに追随することも考えられる。6日は、国内大手証券が同社の目標株価を2200円に引き上げたことも株価に追い風となっている」(準大手証券ストラテジスト)としている。

※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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