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【経済】NYの視点:米3月利上げ、ベージュブック、ISM製造業も後押し


金融市場での3月の利上げ観測が急速に強まっている。現時点で米金利先物市場での3月の利上げ確率は80%前後に達し、利上げをほぼ織り込んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が半年に一度の議会証言でタカ派に転じたことに加えて、イエレンFRB議長、フィッシャー米FRB副議長とともにFOMC内で権力を持つNY連銀のダドリー総裁もインタビューで、「引き締めの根拠は過去数か月で一段と説得力のあるものになった」との見方を示した。さらに、米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁も「3月FOMCでは利上げを真剣に協議することになるだろう」と述べた。市場が3月利上げを織り込むように、FOMCメンバーが協調行動を起こしているとの憶測も浮上。

続いて発表された全米の製造業活動指数や米地区連銀経済報告(ベージュブック)も3月の利上げを後押しする結果となった。米供給管理協会(ISM)が発表した最新2月ISM製造業景況指数は57.7と市場予想56.2を上回り2014年8月来で最高となった。6か月連続で50を上回り活動の拡大を示した。内訳でも重要項目である新規受注も65.1と6か月連続の拡大で、2013年12月来で最高。生産も62.9と、2011年3月来で最高となった。雇用は1月の56.1から54.2へ低下したものの、6か月連続で50を上回り活動の拡大を示している。

ISM景気指数:57.7(56.0)
仕入れ価格:68.0(69.0)
生産:62.9(61.4)
新規受注:65.1(60.4)
受注残:57.0(49.5)
入荷遅延:54.8(53.6)
在庫:51.5(48.5)
顧客在庫:47.5(48.5)
雇用:54.2(56.1)
輸出:55.0(54.5)
輸入:54.0(50.0)

ISM製造業調査委員会のブラッドリー・ホルコム委員長は「過去のPMIと全般的な経済との比較データをもとにすると、1月から2月にかけたPMIの結果はGDPで年率4.5%前後の成長に一致する」と強気の見方を示した。米国経済の中でもドル高や世界経済の回復の遅れから唯一低迷が長期化していた製造業の大幅な回復は米国経済全体を支援する。

3月FOMCの材料となる米連邦準備制度理事会(FRB)が公表したベージュブックでも2月中旬までの全米経済は引き続き緩やかなペースで成長していることが明らかになった。物価は前回の報告に比べてほぼ変わらずだが労働市場はひっ迫しており、雇用も緩やかな拡大を継続していることが指摘された。

《SK》

 提供:フィスコ

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