【経済】【中国】6エリアで風力発電新設を禁止、設備の遊休化で
風力発電設備の遊休化問題を重視し、中国当局は新規風力発電プロジェクトの推進を6エリアで禁じると通知した。国家国家能源局は22日、風力投資監視作業の結果を公表し、内モンゴル自治区、黒竜江省、吉林省、寧夏回族自治区、甘粛省、新彊ウイグル自治区を「赤色警戒地域」に指定すると報告。送電網との接続を急ぐよう指導した。その他のエリアは新規整備を認める。
まず、既存設備、建設中設備の送電網接続を優先させなければならない。新たな風力発電プロジェクトに対し、発電業務許可証を与えないよう各地域の当局に求めた。また、送電企業に対しては、新たな電線接続の申請を受理しないよう命じる。
一方、京津唐(北京・天津・唐山)向けのクリーンエネルギー供給量に関しては、増やす必要があると指摘。承徳2期の風力発電プロジェクト建設を急ぐよう要求した。2017年末までに全設備を送電網と接続させなければならない。張家口3期風力発電プロジェクトの建設を進めるよう命じた。ただ、効率の低い小型の風力発電プロジェクトについては、承徳、張家口の両エリアでも新規着工を認めない方針を示している。
「棄電」(ロス電力)の問題は、中国で深刻だ。2発電設備の稼働を停止し、送電量を制限する「棄風限電」「棄光限電」「棄水限電」は16年も頻発した。政策の後押しでクリーンエネルギー発電容量が拡大する一方、送電インフラの整備が追い付いていないため。国家能源局の統計によれば、風力エネルギーを無駄にする「棄風」は、16年通年で甘粛省が全体の43%、新彊ウイグル自治区が38%、吉林省が30%、内モンゴル自治区が21%など。太陽光エネルギーを無駄にする「棄光」は、西部エリアで平均20%に達したという。
【亜州IR】
《SK》
提供:フィスコ