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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):アカツキ、日本紙、五洋建設

アカツキ <日足> 「株探」多機能チャートより
■アカツキ <3932>  5,810円  +470 円 (+8.8%)  本日終値
 アカツキ<3932>が前日のストップ高の余勢を駆って続急伸。1月末を境に急反騰態勢に入り、時価は昨年5月下旬以来約9カ月ぶりの高値圏に浮上してきた。スマートフォンゲームの開発・運営を手掛けるが課金収入が増勢で収益を押し上げている。「ドラゴンボール Z ドッカンバ トル」は、今下期以降、イベント効果により高いDAU(1日にサービスを利用したユーザー=アクティブユーザー)を確保、「サウザンドメモリーズ」も3周年記念イベントを実施したこともあり、昨年末に高水準の売上高を記録するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。既に会社側は17年3月期営業利益予想を大幅上方修正、20億円から40億円(前期比86%増)に倍額上方修正しているが、市場では一段の上乗せが有望とみられており、再増額を先取りする買いを呼び込んでいる。

■日本製紙 <3863>  2,115円  +134 円 (+6.8%)  本日終値  東証1部 上昇率5位
 日本製紙<3863>が前日比6%超の上昇で2000円台に復帰したほか、王子ホールディングス<3861>も急動意、北越紀州製紙<3865>なども上値指向が鮮明と紙パルプセクターへの買いが際立っている。これについて市場では「主要素材に値上げの動きが相次ぎ、そのなか日本製紙が4月出荷分から印刷用紙を15~20%値上げすると報じられたことで、紙パ株全般に見なおし機運が広がった。解散価値を下回る低PBR株の宝庫であることも買い安心感を与え、個人投資家などの短期資金が流入している」(大手ネット証券アナリスト)と指摘していた。

■四国電力 <9507>  1,151円  +58 円 (+5.3%)  本日終値
 20日、四国電力 <9507> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の70億円→130億円に85.7%上方修正。減益率が68.1%減→40.8%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。電力融通取引が想定より増加し、売上が計画を上回ることが寄与。コスト削減の進展なども利益を押し上げる。

■五洋建設 <1893>  541円  +25 円 (+4.8%)  本日終値
 五洋建設<1893>が大幅高に買われた。1月下旬以降は下値模索の動きにあったが、目先値ごろ感から押し目買いを誘導し急反発に転じた。同社は海洋土木のトップで、海外工事で高実績を持つ。今3月期はシンガポールでの地下鉄工事など大型案件が寄与して経常利益段階で2ケタ増益を達成する見通しにある。完工総利益率が改善傾向にあることも評価されている。今週は決算発表が一巡し、全般相場の方向性がはっきりしないなかで、リターンリバーサル狙いの買いが目立っており、同社株はその対象となっている。市場では「信用買い残が積み上がり上値の重さが気になるところだが、PER11倍台で指標面から割安感がある。きょうはみずほ証券がレーティングを『買い』で継続して目標株価を680円から720円に引き上げたことが物色人気に火をつけたかたちだ」(準大手証券ストラテジスト)としている。

■西尾レントオール <9699>  3,450円  +150 円 (+4.6%)  本日終値
 20日、西尾レントオール <9699> が発行済み株式数(自社株を除く)の4.49%にあたる120万株(金額で39億6000万円)を上限に、21日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は20日終値の3300円)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■ローツェ <6323>  2,637円  +102 円 (+4.0%)  本日終値
 ローツェ<6323>の上値追い鮮烈。同社はウエハー搬送装置などを手掛けており、世界的に好調な半導体設備投資需要を捉えている。17年2月期の連結売上高は207億1100万円から247億300万円(前期比23.9%増)へ、営業利益を39億6600万円から47億300万円(同60.1%増)へ大幅上方修正しているが、18年2月期についても、同社の韓国子会社が日本円にして約90億円の製品を一括受注し、これが計上される見通しにあることから高成長トレンドが継続するとの見方が強い。また、独自技術を生かして細胞自動培養装置を製造しており、市場では再生医療関連の一角としてもテーマ性を見出している。再生医療分野は周辺機器を含め2030年には10兆円を超える市場規模に成長すると試算されており、同社の中長期的な成長期待につながっている。

■高島屋 <8233>  1,037円  +37 円 (+3.7%)  本日終値
 高島屋<8233>、松屋<8237>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>、丸井グループ<8252>、三越伊勢丹ホールディングス<3099>など百貨店株が軒並み高い。月末の金曜日に午後3時の退社を促して消費喚起を狙う「プレミアムフライデー」が今週末24日から開始される。それを見込んだ消費関連株に物色の矛先が向いている。取り組みに積極的な百貨店はその有力関連セクターとして投機資金のターゲットとなりやすい。日銀の金融政策決定会合前に不動産株が物色されたように、「緩和トレード」ならぬ「プレミアムフライデートレード」の要素もあるようだ。

■日本調剤 <3341>  3,855円  +125 円 (+3.4%)  本日終値
 日本調剤<3341>が反発。20日の取引終了後、第一生命ホールディングス<8750>傘下の第一生命保険およびネオファースト生命保険と業務提携を行うと発表しており、今後の事業展開への貢献を期待した買いが入ったようだ。今回の提携は、営業基盤やスマートフォンアプリなどの顧客インターフェイスにおけるコラボレーションや、双方のノウハウを活用した健康寿命延伸に役立つ新たな保険商品・サービスの開発などを目的としたもの。また、日本調剤の保険代理店店舗での第一生命グループ商品の販売や、「お薬手帳プラス」アプリの第一生命グループ契約者向けサービスとしての活用の検討なども行うという。なお、同件による17年3月期業績への影響は軽微としている。

■横浜ゴム <5101>  2,263円  +67 円 (+3.1%)  本日終値
 横浜ゴム <5101> が4日続伸し、約1ヵ月ぶりに昨年来高値を更新した。同社は20日後場に決算を発表。16年12月期の連結経常利益は前の期比20.7%減の391億円になったが、従来予想の310億円を上回って着地。続く17年12月期は前期比11.2%増の435億円に伸びる見通しとなったことが引き続き材料視された。前期は前の期に比べ対ドルで12円も円高だったことや、タイヤの価格低下などが響き大幅減益となった。今期は昨年買収したオランダATG社の通期フル寄与に加え、製品構成の良化や原価低減などで2ケタ増収増益を見込む。

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