【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):アウトソシン、クラレ、三菱UFJ
アウトソシン <日足> 「株探」多機能チャートより
アウトソーシング<2427>が大幅高。同社は製造ラインへの人材派遣や製造請負、研究開発の受託などを手掛けており、国内外での積極的なM&Aにより業容を急拡大させている。同社が14日取引終了後に発表した16年12月期の決算では、売上高が1344億8200万円(前期比66.3%増)と急激な伸びをみせ、営業利益も37億3600万円(同19.6%増)と2ケタ伸長を示した。円安の影響から収益は事前の予想から上振れたこともあって、株価にはプラスに働いている。17年12月期連結業績予想はIFRSに基づき作成しているため、前期との比較はできないが売上高2130億円、営業利益95億円を予想しており、成長路線に陰りはみられない。
■クラレ <3405> 1,717円 +36 円 (+2.1%) 本日終値
クラレ<3405>が反発。この日、液状ゴムやイソブチレン系水溶性樹脂などの価格を3月1日出荷分から引き上げると発表しており、採算改善への期待感から買いが入った。改定幅は、タイヤやホースに使う液状イソプレンゴムで、国内向けが1キロあたり25円、海外向けが1キロあたり0.23ドルなど。原材料市況が昨年末から大幅な上昇を継続しており、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えると判断したという。
■野村ホールディングス <8604> 761.2円 +13.2 円 (+1.8%) 本日終値
野村ホールディングス<8604>、大和証券グループ本社<8601>など証券株が軒並み堅調。足もと米株高と円安の恩恵が東京市場に波及しており、「米長期金利の上昇をベースとしたリスク選好の流れが保険や銀行など金融株中心に反映されている」(大手ネット証券アナリスト)という。証券セクターも株式市場の先高期待に加え、足もと増勢となっている売買代金が手数料収入の拡大につながるとの見方が強まっている。
■コンコルディ <7186> 618.9円 +10.6 円 (+1.7%) 本日終値
ドイツ証券が14日付で大手地銀の第3四半期業績に関するリポートを発表した。「ついに本業収益が底入れ」と題した同リポートでは、時価総額上位を占めるコンコルディア・フィナンシャルグループ<7186>、静岡銀行<8355>、千葉銀行<8331>、スルガ銀行<8358>、めぶきフィナンシャルグループ<7167>、ふくおかフィナンシャルグループ<8354>の地銀6グループの第3四半期業績は、合計の連結純利益が4015億円で、前年同期比54.5%の大幅増となったが、コンコルディアとめぶきで発生した負ののれん代を除く実質は2220億円で14.6%の減益、主要行5グループの前年比減益幅が7.1%であったことからやや低い着地であったとしている。ただし、同証券が銀行の本業収益と考える基礎業純(実質資金利益+手数料収益)でみると、前年比の変化幅は単体が2.2%減、連結が1.5%減と前年比ほぼ横ばい圏まで回復しており、主要行が単体で7.0%減、連結で5.2%減であったことを比較すると地銀の優位性がみられると指摘している。地銀では短期プライムレートが据え置かれたこと、4.4%の貸し出し増が寄与。実質資金利益はスルガ、静岡やふくおかで増益となり、手数料を入れた基礎業純でもスルガ、静岡が増益となり、千葉、ふくおかの減益幅が小さいとしている。
■三菱UFJ <8306> 768.5円 +12.9 円 (+1.7%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>といったメガバンクが高い。三菱UFJフィナンシャル・グループは昨年来高値を更新した。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は、14日の議会証言で「利上げを待ち過ぎることは賢明ではない」と発言。市場には3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げもあり得るとの見方が浮上し、米長期金利が上昇した。銀行にとっては、長短金利差が広がることは利ザヤ拡大による収益増につながるとの見方から、米国でバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースが上昇した。この流れを受け、日本でも三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行株が買われている。
■セイコーエプソン <6724> 2,554円 +29 円 (+1.2%) 本日終値
セイコーエプソン<6724>が新高値。大容量インクタンクを積んだプリンターが新興国などで好調。同社の業績は先月末に17年3月期連結営業利益が従来予想600億円から640億円(前期比32%減)に上方修正されている。また、東芝<6502>の4~12月期は債務超過転落した見通しだが、同社が東証1部から降格もしくは上場廃止となった場合、エプソンが代わりとして日経平均株価に新規採用されるとの観測が出ており、この日は買いが流入している様子だ。
■トヨタ自動車 <7203> 6,491円 +37 円 (+0.6%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>、富士重工業<7270>、ホンダ<7267>など自動車株に軒並み買いが先行。前日に米国株市場でNYダウをはじめ主要3指数がいずれも最高値を更新していることで外国人投資家のリスク許容度が改善していることに加え、足もとの外国為替市場で円安が進行していることも追い風となっている。イエレンFRB議長が前日の上院での議会証言で利上げに前向きな発言をしており、ドル買いの動きを誘発、ドル円相場は足もと1ドル=114円台前半の推移となっており、為替感応度の高い自動車セクターにはポジティブに働いている。
■エボラブルアジア <6191> 3,800円 +10 円 (+0.3%) 本日終値
14日、エボラブルアジア <6191> [東証M]が決算を発表。17年9月期第1四半期(10-12月)の連結経常利益が前年同期比44.6%増の2億円に拡大して着地したことが買い材料視された。主力の航空券予約サイトの利用者拡大で手数料収入が伸びたことが寄与。ベトナムにおけるIT開発事業で受託案件の単価が上昇したことも増益に貢献した。
■オプティム <3694> 5,240円 -770 円 (-12.8%) 一時ストップ安 本日終値 東証1部 下落率トップ
14日に決算を発表。「10-12月期(3Q)経常は40%減益」が嫌気された。オプティム <3694> が2月14日大引け後(17:00)に決算を発表。17年3月期第3四半期累計(4-12月)の経常利益(非連結)は前年同期比7.6%増の4億5400万円に伸びたが、通期計画の6億4000万円に対する進捗率は70.9%にとどまり、前年同期の78.3%も下回った。
⇒⇒オプティムの詳しい業績推移表を見る
■野村マイクロ <6254> 424円 +80 円 (+23.3%) ストップ高 本日終値
14日、野村マイクロ・サイエンス <6254> [JQ]が17年3月期の連結経常利益を従来予想の5600万円→4億8300万円に8.6倍上方修正。従来の71.0%減益予想から一転して2.5倍増益見通しとなったことが買い材料視された。中国と韓国で受注した純粋製造装置の順調な工事進捗に加え、消耗品・メンテナンスの受注が想定より伸びることが収益を押し上げる。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の3円→10円(前期は3円)に大幅増額修正した。前日終値ベースの期末配当利回りが2.91%に急上昇し、配当取りを狙う買いも向かった。
●ストップ高銘柄
ダイヤモンド電機 <6895> 538円 +80 円 (+17.5%) ストップ高 本日終値
U-NEXT <9418> 1,042円 +150 円 (+16.8%) ストップ高 本日終値
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
ゼネラル・オイスター <3224> 1,550円 -400 円 (-20.5%) ストップ安 本日終値
以上、1銘柄
株探ニュース