【市況】今週の【早わかり株式市況】 大幅反発、週末にトランプ発言による米株高と円安で買い戻し
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
今週の株式市場は、異例の言動によるトランプ・リスクが意識され、週後半まで気迷い相場が続いた。週末は一転、米株高と急激な円安で買い戻しが膨らみ、日経平均株価は急反発し、今年2番目の上げ幅となった。
週初の6日は、前週末の米株高を受けて朝方は銀行株中心に買い優勢で高く始まった。買い一巡後は為替の円高基調で日経平均は一時マイナス圏まで押し込まれたものの、結局プラス圏で着地した。
翌7日は円高が進んだことが嫌気され、日経平均は3日ぶりに反落した。8日は前日の米株高に加え、円高が一服したことから主力株を中心に買い戻され、1万9000円の大台を回復した。9日は為替が円高方向に振れたうえ、10日の日米首脳会談を前に買い控え感が強く、反落した。
週末の10日は、トランプ米大統領の発言で大型減税への期待が高まりNYダウが過去最高値を更新したことに加え、為替も急激に円安方向に振れたことから大きく買い優勢となった。日経平均は471円高と買い戻され今年2番目の上げ幅となり、東証1部の売買代金は今年最大となった。
日経平均株価は、前週比460円(2.44%)高の1万9378円と大幅に反発して取引を終えた。週間の振れ幅は590円と、前週の560円から拡大した。
来週もどんな言動が飛び出すか読めないトランプ・リスクを意識した不安定な相場が続きそうだ。
重要イベントとしては、国内では13日朝に発表される10-12月GDPが注目される。海外では15日発表の米国1月消費者物価指数や同日のイエレンFRB議長の議会証言に注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(2月6日~10日)
【↑】 2月 6日(月)―― 続伸、銀行株中心に堅調も円高で上値は重い
日経平均 18976.71( +58.51) 売買高17億9766万株 売買代金 2兆1807億円
【↓】 2月 7日(火)―― 3日ぶり反落、円高進行で輸出株中心に売り
日経平均 18910.78( -65.93) 売買高16億9448万株 売買代金 2兆0610億円
【↑】 2月 8日(水)―― 反発・1万9000円回復、円高一服で主力株に買い
日経平均 19007.60( +96.82) 売買高16億4171万株 売買代金 1兆9826億円
【↓】 2月 9日(木)―― 反落、円高と日米首脳会談前で買い控え
日経平均 18907.67( -99.93) 売買高19億3351万株 売買代金 2兆2457億円
【↑】 2月10日(金)―― 急反発・今年2番目の上げ幅、米株高と円安を好感
日経平均 19378.93( +471.26) 売買高22億4275万株 売買代金 2兆7569億円
◆セクター・トレンド(2月6日~10日)
(1)三井不 <8801> 、菱地所 <8802> など不動産株が業種別値上がり率トップ
(2)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株が買われた
(3)ホンダ <7267> など自動車、コマツ <6301> など機械といった輸出株は週末に買い戻された
(4)旭硝子 <5201> などガラス・土石、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼といった素材株が総じて堅調
(5)前週売られた商船三井 <9104> 、川崎汽 <9107> など海運株は急反発
(6)JT <2914> など食品、セブン&アイ <3382> など小売りといった消費関連は低調
株探ニュース