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【市況】S&P500 月例レポート ― 空前のトランプ政治ショーと続く楽観 (5) ―


※(4)から続き。

●投資家が押さえておくべきポイント(3)

==> 経済指標関連では

○12月のマークイット製造業PMIは11月の54.1から54.3に上昇しました。1月の速報値は55.1となっています。

○12月のマークイットサービス業PMIは53.9と前月の54.6から低下しました。また、12月のISM非製造業景況指数は57.2と予想の56.8を下回りました(11月も57.2)。

○12月のISM製造業景況指数は54.7と、予想の53.8を上回り、11月の53.2から大きく上昇しました。

○12月の消費者物価指数(CPI)は予想通り前月比0.3%上昇し、CPIは2016年通年では前年比2.1%上昇となりました。コアCPI(食品とエネルギーを除く)は12月が前月比0.2%上昇(予想通り)、2016年通年では前年比2.2%上昇でした。

○12月の生産者物価指数(PPI)は、前月比では予想通り0.3%上昇、前年同月比では1.6%上昇となりました。コアPPIは前月比では予想の0.1%上昇に対して0.2%上昇、前年同月比では1.6%上昇でした。

○12月のPCE価格指数は前月比0.2%上昇し、2016年通年では前年比1.6%上昇となりました。コアPCE価格指数は前月比が0.1%上昇、2016年通年が前年比1.7%上昇でした。

○12月の小売売上高は11月の前月比0.2%増に対して0.6%増(予想は0.7%増)、自動車を除く小売売上高は予想の0.5%増に対して0.2%増となりました(11月は0.3%増)。

○11月の企業在庫は予想の前月比0.6%増に対して0.7%増となりました。10月は0.2%減でした。

○12月の自動車販売台数は値引き販売の継続を背景に好調な数字となり、2016年通年では過去最高を記録しました。しかし、2017年は金利上昇による自動車ローン負担の増加を背景に「厳しい」年となることが予想されます。メーカー別の12月の米国販売台数は、General Motors(GM)が前年同月比10%増(過去10年間で最大の伸び)、Ford(F)が0.1%の微増、Fiat Chryslerが10%減でした。

○米国の11月の貿易収支は、輸出が前月比0.2%減、輸入が同1.1%増となった結果、赤字額は10月の422億ドルから452億ドルに拡大しました。

○11月の製造業受注は予想の前月比2.5%減に対して、2.4%減となりました。10月は、当初発表の2.7%増から2.8増に上方修正されました。

○12月の鉱工業生産は前月比0.8%増と、予想の0.6%増を上回りました。12月の設備稼働率は11月の74.9%から75.5%に上昇しました。

○11月の建設支出は前月比では予想の0.6%増に対して0.9%増、前年同月比では4.1%増となりました。

○12月の耐久財受注は、主要項目の国防資本財が前月比33.4%減少したことを背景に、前月比は予想の2.3%増に反して0.4%減、前年同月比では1.6%減となりました。

○2016年第4四半期のGDP成長率速報値は、予想の前期比年率2.2%を下回る1.9%となり(改定値は2017年2月28日、確報値は3月30日に発表)、第3四半期の3.5%から低下しました。GDP価格指数は第3四半期の前期比年率1.4%上昇から2.1%上昇に加速しました。

○ユーロ圏は予想を上回る経済成長を見せ、2016年のGDP成長率は前年比1.7%となりました。12月の失業率も9.6%と、2009年5月以来の低い水準に低下しましたが、残念ながら高止まりしている点に変わりはありません。

==> 住宅市場関連では

○1月のNAHB住宅市場指数は予想の69に対して67となり、12月の数値も当初発表の70から69に下方修正されました。

○12月の新築住宅着工件数は年率換算122万6,000戸(予想を若干超過)、住宅建築許可件数は同121万戸(予想を若干未達)となりました。

○12月の中古住宅販売件数は年率換算549万戸(予想は555万戸)で、前年同月から0.7%増加しました。

○12月の新築住宅販売件数は年率換算53万6,000戸と、予想の同59万3,000戸を下回りました。

○12月の中古住宅販売仮契約指数は予想の前月比0.6%上昇を大幅に上回る1.6%上昇となり、11月の2.5%低下から力強く反発しました。

○11月のFHFA住宅価格指数は予想通り前月比0.5%上昇し、前年同月比でも6.1%上昇しました。

○11月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は、前年同月比5.6%上昇しました。

==> S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、動物用診断・検査機器メーカーのIDEXX Laborites(IDXX)を新たにS&P500指数に組み入れた一方、ヘルスケア会社Abbott Laboratories(ABT)による買収に伴い、医療機器メーカーのSt. Jude(STJ)を同指数から除外しました。

※「空前のトランプ政治ショーと続く楽観 (6)」に続く。

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