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【特集】アドバネクス Research Memo(8):戦略製品「インサートカラー」

アドバネクス <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業戦略

「インサートカラー」は、プラスチック部品締結部の補強部品である。自動車は、世界的に燃費規制が強化されるなか、車体軽量化のためプラスチック部品の使用が増加する傾向にある。プラスチック部品をボルトで固定する際に用いる金属製補強金具であるインサートカラーは、車1台当たり100?200個が使用される。インサートカラーは、自動車部品専用の埼玉工場の主力戦略製品となる。2020年3月期の販売目標を2,000百万円としており、その後も規模拡大を図る。

アドバネクス<5998>のインサートカラーの優位性は、製造工法を従来の切削加工からマルチフォーミングとプレスを組み合わせた加工に変更することでコストを半減できることにある。マルチフォーミング加工は、材料幅で加工できるためスクラップになる部分が少なく、板及び帯状の金属材料の抜き、潰し、曲げを1工程で済ませる。金型を内製化しているため、顧客ニーズに即応できるのが強みとなる。他社フォーミング加工品に対しても、ばねのノウハウを応用した独自技術で明確な優位性を築いている。通常、金属を筒状に丸めると、元の形状に戻ろうとする「復元性」によりつなぎ目が開き、そこから樹脂が流入するリスクが生じるが、同社はばね技術を応用し逆に押し合う力を作用させることで、この問題を解決している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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