【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソフトバンク、Jフロント、トヨタ
ソフトバンク <日足> 「株探」多機能チャートより
ソフトバンクグループ<9984>が3日続伸。ドイツ証券は19日、同社株のレーティングを「ホールド」から「バイ」に引き上げた。目標株価は9200円(従来7000円)としている。同社が設立した「ビジョン・ファンド」に関して「最初の資金調達ラウンドは間もなく終えようとしている」と指摘。同ファンドが出資約束金額の1%の手数料を受け取るとすれば、早急に利益への重要な貢献事業となり、総額1000億ドルに達した際には、利益を推定9%押し上げることが可能と見ている。価値を付与する孫社長の手腕が「ファンドの設立や電撃的なトランプタワー訪問を含め再び明らかになった」と評価している。
■Jフロント <3086> 1,695円 +24 円 (+1.4%) 本日終値
J.フロント リテイリング<3086>が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日付のリポートで、レーティング「オーバーウエート」を継続し、目標株価を1500円から1790円に引き上げたことが好感されている。同証券では、免税店売上高の底打ちや心斎橋大丸本館の閉館によるマイナス一巡などで今後の業績は底打ちから回復に向かう可能性が高いと指摘。また、17年2月期の営業利益予想を前期比1.5%減の473億円としているが、4月に「GINZA SIX」(旧松坂屋銀座店)が開業することは18年2月期の業績にとって追い風になるとし、営業利益は17年2月期比12.3%増の531億円を見込んでいる。
■旭硝子 <5201> 823円 +5 円 (+0.6%) 本日終値
旭硝子<5201>が3日続伸。19日の取引終了後、集計中の16年12月期連結業績について、営業利益が従来予想の840億円から950億円(前の期比33.5%増)へ上振れたようだと発表しており、好業績を好感した買いが入っている。売上高は従来予想の1兆2800億円(同3.5%減)を据え置いたものの、化学品事業が好調に推移したことや、液晶用ガラス基板の出荷数量が好調に推移したことに加えて、米国子会社の年金制度改定に伴う一時的な利益(約20億円)などが寄与したという。なお、純利益は、業績の回復に伴い繰延税金資産を積み増し法人税等調整額の戻りが生じたことにより、従来予想の300億円を30%以上上回る見込みとしているが、予想数値は現在精査中としている。
■トヨタ自動車 <7203> 6,801円 -54 円 (-0.8%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>をはじめ自動車株は売り優勢。外国為替市場ではムニューチン次期米財務長官のドル高肯定発言をきっかけに1ドル=115円近辺の推移と足もとはドルが買い戻される流れとなっており、これは追い風材料ながら、一方で北米自由貿易協定(NAFTA)見直しなど保護主義的な政策姿勢を前面に押し出すトランプ政策に対する警戒感もくすぶっている。なお、富士重工業<7270>は19日、中型セダン「レガシィ」で11万6396台を対象とするリコールを国土交通省に届け出たが株価への影響は限定的。
■JIA <7172> 3,850円 -30 円 (-0.8%) 本日終値
ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>が3日続落。19日の取引終了後、集計中の16年12月期連結業績について、売上高が従来予想の52億1000万円から59億円(前の期比2.1倍)へ、営業利益が23億6200万円から24億円(同2.1倍)へ上振れたようだと発表したが、修正幅が小幅だったことからサプライズはないとの見方が強く、目先の材料出尽くし感から売りが優勢となっている。上方修正は中核事業であるオペレーティング・リース事業や環境関連事業で案件組成が順調に進み、商品出資金の販売も顧客(投資家)からの強い需要を背景に好調に推移したことが要因。また、一昨年10月に開始した、航空機を対象としたパーツアウト・コンバージョン事業が計画を上回ったことも寄与した。
■イオンディライト <9787> 3,225円 -20 円 (-0.6%) 本日終値
イオンディライト<9787>が反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日付のリポートで、レーティング「ホールド」を継続するも、目標株価を3390円から3260円へ引き下げたことが嫌気されている。同証券は、新規受託や海外貢献などにより、17年2月期以降の営業利益も最高益更新が続くと見込んでいる。一方で、買収した白青舎の損益改善が遅れていることを指摘しており、18年2月期営業利益予想を従来の190億円から188億円へ引き下げている。
■日本ライトン <2703> 285円 +80 円 (+39.0%) ストップ高 本日終値
日本ライトン<2703>がストップ高まで買われ、昨年来高値を更新した。一部メディアで「iPhone8用ワイヤレス充電装置のサプライヤーに、台湾の半導体部品メーカーLite-On Semiconductorが加わった」と報じており、台湾ライトン系の電子部品商社である同社に思惑買いが流入しているようだ。ライトングループの母体企業であるライトン テクノロジー社は台湾で初めてLEDの量産を行ったメーカーとして、台湾証券取引所に電子関連銘柄として初めて上場した企業。グループには、Lite-On Semiconductorなどが名を連ねている。
■省電舎 <1711> 1,000円 +150 円 (+17.7%) ストップ高 本日終値
省電舎 <1711> [東証2]が昨日のストップ高に続き、本日も150円高と値幅制限いっぱいに買われた。18日、同社の子会社ドライ・イーが東芝ITサービス、NTTスマイルエナジーと組み、太陽光発電設備メンテナンス事業を開始すると発表したことが引き続き材料視された。固定価格買取制度がスタートしてから4年以上経過し、太陽光発電設備のメンテナンス需要が高まっていることが事業開始の背景。同社は顧客との契約主体となるとともに、通常メンテナンス以外の修繕工事を受託する。共同事業は3月からサービスを開始する予定。発表を受けて、太陽光発電設備メンテナンス事業への参入による業績への寄与に期待する買いが続いている。
株探ニュース