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2017年01月16日16時09分

【特集】プラザクリエイト Research Memo(4):フォト&モア戦略は依然有効、店舗間格差は店長の力量差が起因との結論

プラザクリエ <日足> 「株探」多機能チャートより

■プリント事業の進捗状況

(1)プリント事業の業績動向

プラザクリエイト<7502>のプリント事業の業績は元来季節性が大きく、第2四半期決算では経常損失となり、下期の黒字でそれを埋めて通期ベースで黒字を確保するというのが通例だ。これは、下期には年賀状を始め年末需要や年度末需要があるのに対して、夏場の第2四半期累計期間はプリント需要が大きく盛り上がらないためだ。この下期偏重の傾向は、印刷業界全般にも通じることだ。

2017年3月期第2四半期プリント事業は、売上高3,895百万円(前年同期比1.6%減)、セグメント経常損失937百万円(前年同期は846百万円の損失)と、減収及び損失幅拡大という形で着地した。同社は前2016年3月期から店舗のフォト&モア化、すなわちリニューアルと新規の人材採用を積極化させているため、それに伴う費用増により、例年よりも赤字幅が拡大した状況となっている。今第2四半期もフォト&モア化推進の中での損失計上という大枠は同じだが、前期までにフォト&モア化した店舗が今期においてトップライングロースを実現できなかった点が前期までと大きく異なっている。この事実は同社において非常に重く受け止められ、後述するように、フォト&モア化による成長戦略の現状分析と今後の対策へとつながる。

(2)成長戦略『フォト&モア』の現状

2017年3月期第2四半期のプリント事業の業績は、前述のように計画を下回って着地した。その直接の要因は第2四半期平均の既存店売上高が前年同期対比で96.3%にとどまったことにあるが、それをさらに分解すると、フォト&モア店舗の既存店売上高が99.0%と低迷したことが原因だ。店舗のフォト&モア化は店舗のトップライングロースを実現するための施策であり、そこからトップライングロースが消えることは成長戦略が根底から崩れることになる。

フォト&モア店舗の既存店売上高の月別推移を、2017年3月期と2016年3月期で重ね合わせると、2017年3月期は明確に低い水準にとどまっていることがわかる。この点について弊社が最も危惧した点は、フォト&モアのコンセプトが陳腐化してもはや消費者への訴求力を失ってしまったのではないかということだ。最初のフォト&モアが登場したのは2014年3月期中であり、既に3年目、4年目に入った店舗も増えてきているためだ。

しかしながらこの点については弊社の杞憂であった。同社によれば、比較的初期に開店した店舗であっても、依然として既存店が110%~120%といった成長を示している店舗もあれば、新規リニューアル店舗にも関わらず前年割れのままの店舗もあるということだ。同社は成績不振のフォト&モア店舗についてその原因究明を行い、フォト&モア戦略自体は依然として有効性があり、店舗間格差は個々の店舗の固有の要因、特に店舗経営者(店長)の力量の差に起因するとの結論に至った。

内容的には、フォト&モア店舗の基本的な営業戦略であるVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)について、不振店舗はそれができていないということだ。VMDは店頭・店前での単なるディスプレイや飾り付けではなく、店舗の価値を視覚的に伝えて収益につなげるための一連のシステムとされている。“伝える”ことには、顧客に対する提案力や企画力なども含まれる。フォト&モア店舗は、店舗デザイン、商材、人材がすべてかみ合って初めて力を発揮する。同社は2016年3月期において、フォト&モアのコンセプトを実現できる人材を求めて大掛かりな採用活動を行い、約180名の店長候補者を外部から採用した。しかしながら、ここで採用したすべての店長候補者がVMDを着実に遂行できる人材というわけではなかったということだ。

フォト&モア店舗の既存店売上高が上がらない状況について、同社は第2四半期期中において手をこまねいていたわけではない。応急的な対応として、店舗リニューアルのペースを落とした。人材強化を行わずに店舗の改装だけを先行させても意味がないと判断したことにある。同社は、期初、2017年3月期中に直営店70店舗を新たにフォト&モア化し、期末までに約300店舗体制(直営店ベース)を確立する計画だった。しかしながら今第2四半期中の直営店のフォト&モア化の店舗数は29店舗にとどまっており、今下期もペースをさらに落とすとみられる。この判断は極めて妥当な判断だと弊社では評価している。フォト&モア化の本質に照らせば当然の判断とも言えるが、一度動き出した歯車を止めるのは容易なことではない。それができるということに、同社の経営力の高さや意思決定のスピード感の存在を感じ取ることができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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