【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東芝、アウトソシン、イーレックス
イーレックス <日足> 「株探」多機能チャートより
東芝<6502>が売り物を吸収して反発。前日まで7日続落となっており、特に直近3日間で時価総額の4割以上を吹き飛ばした。米原発事業に絡む巨額の特損計上の可能性について発表したことで、業績の先行き不透明感から大きく売り込まれる展開となっていたが、目先は売られ過ぎとみたリバウンド狙いの買いが優勢となっている。前日は売買高も6億4000万株近い記録的な大商いをみせており、個人投資家など短期資金の注目度も高い。
■アウトソーシング <2427> 3,645円 +170 円 (+4.9%) 本日終値
アウトソーシング<2427>、UTグループ<2146>、フルキャストホールディングス<4848>、夢真ホールディングス<2362>、ディップ<2379>、エン・ジャパン<4849>、テクノプロ・ホールディングス<6028>、ウィルグループ<6089>など人材関連株が軒並み高に買われた。記録的な有効求人倍率にも反映されるように、企業の人材需要は旺盛であり、安倍政権が掲げる「働き方改革」などの政策後押しも人材関連業界のビジネスチャンスを広げる追い風要因として意識されている。市場では「電通<4324>の問題などで、企業も1人当たりの負担を考慮して物理的に人員を補充していく必要性に迫られ、それだけ人材サービス業界のニーズが高まるという見方にもつながる」(国内ネット証券大手)という指摘があった。
■イーレックス <9517> 3,385円 +150 円 (+4.6%) 本日終値
イーレックス <9517> が全般軟調相場に抗い逆行高で7日続伸。電力小売り販売が個人向け、法人向けともに契約数が好調に推移しており、今期業績の上振れを期待する買いが向かっている。26日、同社は電力自由化が解禁となった4月からの低圧・家庭用申込件数が想定より早く4万件を突破したと発表。また、28日には電力を供給するオフィスビルや商業施設が来月1日に1万施設を達成する見通しとなったと発表した。17年3月期中間期(4-9月)経常利益が通期計画に対して進捗率が57.8%に達しており、業績上振れへの期待が膨らんでいる。また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付で同社の投資判断「Buy(買い)」を継続し、目標株価を4300円→4360円に引き上げたことも支援材料となっている。
■スクリン <7735> 7,250円 +140 円 (+2.0%) 本日終値
SCREENホールディングス<7735>は反発。29日付で岡三証券がレーティングを新規「強気」、目標株価を8200円に設定した。18年3月期は主力製品の洗浄装置が、ロジックなどにおける微細化の進展や、3D NANDの積層数増加などの恩恵を受け堅調に推移すると指摘。同証券では17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の290億円(前期235億5700万円)に対して303億円、18年3月期は322億円と予想している。
■日清食HD <2897> 6,140円 +90 円 (+1.5%) 本日終値
日清食品ホールディングス<2897>は続伸。29日付でみずほ証券が投資判断「中立」継続ながら目標株価を5960円から6540円へ引き上げた。投資額575億円の関西工場新設によるコスト負担増は限定的で自社株買い効果を反映、17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の278億円(前期263億9900万円)に対して従来予想の290億円から288億円へ引き下げたが、18年3月期は350億円から370億円へ引き上げている。
■トヨタ自動車 <7203> 6,878円 +40 円 (+0.6%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は売り買い交錯。前日は為替の円高進行を背景とするリスク回避の流れのなかで2%近い下げをみせたが、きょうは目先値ごろ感からの押し目買いと利益確定を急ぐ動きが交錯している。為替動向は足もと1ドル=116円台前半と円高が進行しており株価にはネガティブ材料。前日の欧米株市場が総じて軟調気味な展開だったこともあって、弱気ムードも漂う。時価はトレンドの強弱を示す分水嶺ともなる25日移動平均線近辺にあり、テクニカル的にも正念場といえる。
株探ニュース