【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):豊田織、第一生命HD、国際石開帝石
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豊田自動織機<6201>が3日ぶり反発。ドイツ証券が発表した14日付のリポートで、投資判断「ホールド」を継続し、目標株価を5000円から5700円へ引き上げたことが材料視されている。主力のフォークリフトで堅調な需要があるほか、燃費改善要請からカーエアコン向けコンプレッサーの中期的な成長が見込まれるとしている。また、産業車両は、ネット通信販売拡大に伴う物流需要の取り込みがポイントであると指摘。17年3月期営業利益予想は会社計画1200億円を上回る1234億円、18年3月期は同1320億円、19年3月期は同1377億円を見込んでいる。
■第一生命HD <8750> 2,030.5円 +20 円 (+1.0%) 本日終値
第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>といった生保株は堅調。14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表され、米政策金利は0.25%引き上げられ0.5~0.75%となった。これを受け、米10年債利回りは一時2.58%と14年9月以来、2年3カ月ぶりの水準に上昇。日本の長期金利も上昇傾向にある。生保各社にとっては国内外の長期金利の上昇は、運用環境の好転による収益改善につながるとの期待が出ている。
■東京エレクトロン <8035> 10,380円 +90 円 (+0.9%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、日立国際電気<6756>、アドバンテスト<6857>、SCREENホールディングス<7735>など半導体製造装置株が軒並み高となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)を受け、外国為替市場では1ドル=117円台までドル高・円安が加速、輸出比率の高い同セクターには追い風となっている。また、前日から東京ビッグサイトで半導体製造技術の国際展示会「セミコン・ジャパン」が開催されており、チップを高層化する3次元NANDメモリーなどこれまでの微細化投資の流れを変える革新的技術に注目が集まっていることもあって、関連銘柄の株価を改めて刺激しているかたちだ。
■JIG-SAW <3914> 5,830円 +50 円 (+0.9%) 本日終値
14日、JIG-SAW <3914> [東証M]が発行済み株式数(自社株を除く)の0.14%にあたる9000株(金額で6500万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は12月15日から17年1月31日まで。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,220.5円 -34 円 (-2.7%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、日本海洋掘削<1606>、石油資源開発<1662>などに売り先行。前日のWTI原油価格はドル高加速の影響で1ドル91セント安と急落し1バレル=51ドル04セントまで水準を切り下げており、原油市況安に連動するかたちで売られている。前日の米国株市場でシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー関連株が下落し全体相場を押し下げており、東京市場でも円安進行によるリスクオンの流れにあるなかで関連銘柄は逆行安を余儀なくされている。なお、国際帝石は14日、ロシアのイチョディンスコエ油田について、商業的生産に十分な原油埋蔵量を確認したことを受け、開発・生産段階へ移行することを発表したが、反応は限定的。
■キトー <6409> 1,128円 -28 円 (-2.4%) 本日終値
キトー<6409>は軟調。同社は14日の取引終了後、未定としていた17年3月期の連結利益予想を発表。営業利益は37億円(前期比29.1%減)、純利益を18億円(同27.9%減)とし、売上高は従来予想の530億円(前期比5.1%減)で据え置いた。5月13日に発表していた前々回予想である営業利益43億円、純利益24億円からは下方修正されており、これを嫌気する動き。STAHL買収の入札プロセスが終了し、買収には至らない見込みとなり、買収案件の入札に要した諸費用約6億円を織り込んでいる。
■新日鐵住金 <5401> 2,710円 -18.5 円 (-0.7%) 本日終値
新日鉄住金<5401>、神戸製鋼所<5406>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>などいずれも軟調な動きとなった。SMBC日興証券は14日付で、日銀短観を受けた鉄鋼、非鉄株の業績展望についてリポートを発行している。業種格付けは鉄鋼が「弱気」、非鉄・電線が「中立」。14日に日銀短観が公表されたが、業況判断の先行きの見通しに関しては、製造業全体がプラス8と予測されたが、鉄鋼は12月調査実績比較で2ポイントの改善もマイナス5、非鉄はプラス6だったものの、12月調査実績比較で14ポイントの悪化が見込まれている。 同証券によると「鉄鋼は材料価格の上昇から厳しい環境が続くため、想定線の内容との印象だが、非鉄は、金属市況の上昇、自動車生産の改善、高水準の光ファイバー需要を考慮すると、弱い数字との印象だ」としている。また、17年3月期第4四半期において、「原料炭価格が一段と上昇しており、鉄鋼は一段の悪化の可能性がある」と指摘している。
■ファーストロジック <6037> 2,337円 +400 円 (+20.7%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
14日、ファーストロジック <6037> が決算を発表。17年7月期第1四半期(8-10月)の経常利益(非連結)が前年同期比92.9%増の2.1億円に拡大して着地したことが買い材料視された。不動産投資ポータルサイト「楽待」の物件掲載数が増加し、手数料収入や広告収入が伸びたことが寄与。通期計画の5.9億円に対する進捗率は36.6%に達し、さらに前年同期の19.9%も上回った。
■アクリーティブ <8423> 481円 +80 円 (+20.0%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
14日、アクリーティブ <8423> に対して芙蓉総合リース <8424> がTOB(株式公開買い付け)を実施し、連結子会社化を目指すと発表したことが買い材料視された。TOB価格が前日終値を29.7%上回る1株520円とあって、本日の株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買付期間は12月15日から17年1月19日まで。なお、TOB成立後も同社の上場は維持する。
株探ニュース