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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

プロスペクト <日足> 「株探」多機能チャートより

■プロスペクト <3528>  71円 (+30円、+73.2%) ストップ高

 プロスペクト <3528> [東証2]が急騰。6日、同社が配当修正を発表。17年3月期の期末一括配当を従来計画の1円→3円(前期は1円)に増額修正したことが買い材料視された。海外不動産事業の好調を踏まえ、株主への利益還元を増やす。6日終値ベースの期末配当利回りは7.3%に急上昇し、配当取りを狙う買いが向かった。

■ソフバンテク <4726>  3,165円 (+503円、+18.9%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。ソフトバンク・テクノロジー <4726> がストップ高。ソフトバンクグループ <9984> の孫正義社長が現地時間6日午後にトランプ次期米大統領とトランプタワーで会談し、米国のビジネスに500億ドル(日本円で約5兆7000億円)を投資することが明らかとなったことで、子会社の同社にも思惑が働いたようだ。ソフトバンクの巨額投資は、米国のIT分野を中心とした新興企業への投資とされている。ソフトバンテクは、米マイクロソフトの「Microsoft Worldwide Partner Award」で4冠を受賞するなど世界的にも技術力が評価されていることから、上記の出資企業などに対してサービス提供などが期待されているようだ。

■シャープ <6753>  227円 (+19円、+9.1%)

 シャープ <6753> [東証2]が連日の急騰。東芝 <6502> の急伸を受け、「同じ電機セクターの経営再建銘柄としてシャープに見直し買いが流入している」(市場関係者)という。株価は低位にあり水準訂正への思惑もあったようだ。また、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業出身の戴正呉社長が「シャープが東証1部へ復帰したら台湾に戻る」と発言したが、市場には業績回復への期待も強まった様子だ。

■NSユナイテッド海運 <9110>  226円 (+15円、+7.1%)

 NSユナイテッド海運 <9110> が3連騰、年初来高値を更新した。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況は回復歩調にあり、「中型船のチャーター料など、数年来の高値水準まで上昇している」(市場関係者)という。ばら積み船の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は、足もとこそ調整局面にあるものの1200近くまで上昇している。トランプ次期米大統領が掲げる大規模なインフラ投資や中国の景気減速懸念が目先後退していることに加え、原油市況の底入れや非鉄市況の上昇は荷動きを活発化させる要因として海運市況にとっても追い風となった。PBR0.7倍台は株価指標面でも割安感が強い。

■ソフトバンクグループ <9984>  7,387円 (+431円、+6.2%)

 ソフトバンクグループ <9984> が続急伸。同社株にとって7000円ラインは上値の大きなフシとして意識されており、8月17日以来約4ヵ月ぶりとなる台替えとなった。同社の孫正義社長が現地時間6日午後にトランプ次期米大統領とトランプタワーで会談、米国のビジネスに500億ドル(日本円で約5兆7000億円)を投資し、5万人の新たな雇用を創出することで合意したことが、市場では驚きをもって受け止められた。同社はサウジアラビアの政府系ファンド「PIF」などと共同で最大1000億ドル(約11兆4000億円)規模のテクノロジー分野に投資する巨大投資ファンドを設立する計画にあるが、この資金を活用する可能性が高いとみられている。いずれにしてもソフトバンクの米国での存在感が一気に高まることになり、投資事業への成長期待のほか今後米国でのビジネスを円滑に進めていく足場としても注目される。

■TOREX <6616>  1,873円 (+108円、+6.1%)

 トレックス・セミコンダクター <6616> [東証2]が続急伸で8ヵ月ぶり新高値、11月中旬にマドを開けて上放れて以降、半導体関連株人気に乗って急激な上昇波形成に動いた。ビッグデータの普及はデータセンターの増設需要を促すとともに、スマートフォンなどのモバイル端末の高機能化や自動車のエレクトロニクス化進展などで半導体需要の構造的拡大局面が続いている。そのなか、同社は車載用や産業機械、情報処理分野向けに電源ICを手掛け、世界展開を図っている。自動車向け部品点数の増加による収益押し上げ効果が期待されるほか、エレクトロニクス分野での小型化、省電力化の流れが同社の商機を拡大させている。17年3月期は営業利益段階で2割減益見通しにあるが、市場では18年3月期に急回復を見込む向きも多く、来期業績を先取りする買いが流入した。

■牧野フライス製作所 <6135>  949円 (+51円、+5.7%)

 牧野フライス製作所 <6135> やツガミ <6101> など工作機械株が高い。足もとの円安が好感されたほか、米トランプ次期政権によるインフラ投資などは、米国の設備投資活発化につながり、日本の機械株にはプラス要因に働くとの見方も出ている。また、日本工作機械工業会が発表する工作機械受注は10月が前年同月比8.9%減だったが、今年4月の同26.3%減で大底を打った可能性も指摘されている。7日は牧野フライスやツガミ、東芝機械 <6104> が年初来高値に買われるなど、再評価機運が膨らんだ。

■トプコン <7732>  1,796円 (+84円、+4.9%)

 トプコン <7732> が大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が6日付でレーティングを「アンダーウエイト」から「ニュートラル」とし、目標株価を900円から1600円へ引き上げたことが好材料視された。同証券の業績予想前提為替レートを1ドル=100円から110円へ、1ユーロ=100円から115円へ変更し、それに伴い17年3月期以降のポジショニングと18年3期以降のアイケアの見通しを引き上げたことが要因としている。また17年3月期営業利益予想を90億円から98億円へ、18年3月期を同106億円から118億円へ引き上げている。

■OKI <6703>  1,655円 (+68円、+4.3%)

 沖電気工業 <6703> が続伸。7日、今年12月までにブラジルの民間最大手であるブラデスコ銀行に還流型紙幣入出金機「Teller Cash Recycler G7」(TG7)を100台納入し、さらに、今後5年間で現金処理機4000台の販売を目指すと発表しており、これを好感した買いが入った。ブラデスコ銀行は支店数4600を有するブラジル最大手の民間銀行で、窓口にTG7を設置することで、これまで手作業で行っていた紙幣取り扱い業務を機械化し、支店の業務効率化と現金管理の厳格化を図るという。既にブラジルの複数の州の支店で運用を始めており、12月末までに100台の運用を開始する。また、ブラデスコ銀行へのTG7納入を機に、ATMや現金処理機など関連商品のブラジル主要銀行をはじめ世界の銀行への販売を加速する。

■TASAKI <7968>  1,747円 (+69円、+4.1%)

 TASAKI <7968> が続急伸。6日、旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが関東財務局に提出した大量保有報告書により、同社の発行済み株式の5.29%を取得したことが判明した。保有目的は「純投資」としているが、エフィッシモは株主還元の強化など経営改革を求める「物言う株主」として知られるおり、同社株取得による思惑買いが向かった。

■デジタルガレージ <4819>  1,955円 (+58円、+3.1%)

 デジタルガレージ <4819> が4日ぶりに反発。7日午前10時ごろに提出された大量保有報告書(変更報告書)で、シュローダー・インベスト・マネジメントの保有割合が4.07%から5.24%に上昇したことが判明しており、需給思惑が働いたようだ。なお、保有目的は純投資としている。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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