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【特集】「テクニカル分析で読むドル円の上値」外為どっとコム総研・川畑琢也氏に聞く!<直撃Q&A>

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより
 米大統領選での共和党・トランプ候補の勝利後、外国為替相場は急速なドル高・円安基調が続いている。足もとでは1ドル=115円を前に足踏み状態だが、市場には「昨年6月からの円高は終了し、再度、長期的な円安基調に入った」との声も聞こえる。ドル円を中心とする為替相場はテクニカル面から、どう分析することができるのか。外為どっとコム総合研究所調査部の川畑琢也シニアテクニカルアナリストに聞いた。

Q1 ドルは米大統領選後に急上昇しています。テクニカル分析で今後のドル円相場をどう予想しますか?

川畑 ドル円は、週足ベースで一目均衡表の雲を上抜けしつつある。雲の上限は114円40銭前後にあるが、ここを抜いてくると、次は心理的な抵抗線である115円が意識されてくる。115円台には、昨年6月高値(125円85銭)から今年6月の安値(98円80銭)の下げ幅の戻りの61.8%に当たる115円51銭、あるいは今年1月安値115円97銭とフシ目が多い。115円ラインにはオプションのバリアがあるとの噂もある。この115円前後でもたつくと111~112円前後へ調整する可能性はある。しかし、115円台のフシを抜ければ、次は今年1月高値121円68銭が目標値となる。基本的にはドル高・円安基調にあるとみている。

Q2 15年の125円高値更新は見込めそうですか?

川畑 目先の上値メドを抜けてくれば、来年に向けては昨年6月5日につけた125円85銭が意識される。もし、この昨年高値を抜ければ、次は02年1月の135円10銭が見えてくるが、まずは同年以来の130円が抵抗線となるだろう。長期的にみて、11年10月の75円57銭から15年6月の125円85銭まで約50円の上昇に対して、その上昇幅の半値押しとなる100円50銭前後まで今年の年央には下落した。いったん調整は終了し、来年は高値に挑戦することも予想される。

Q3 ユーロの見通しはいかがでしょうか?

川畑 ユーロドルは月足でみて1ユーロ=1.04~1.17ドルのレンジ相場にある。このレンジの下限である1.04ドル前後を下抜ければ、次はやはり1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)への下落が意識されるだろう。ユーロ円の基調は円安で、15年4月安値の1ユーロ=126円09銭を抜ければ次は128円が視野に入るとみている。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(かわばた・たくや)
外為どっとコム総合研究所、調査部シニアテクニカルアナリスト。2000年東海大学教養学部国際学科卒業。複数の外国為替保証金取引会社にてディーリングや相場分析業務などを経験後、06年8月、外為どっとコム入社。資金為替部(ディーリング部門)、投資情報部(セミナー担当部門)を経て、10年2月同研究所入社。日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト。

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

最終更新日:2017年03月23日 08時55分

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