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【注目】前週末2日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

安永 <日足> 「株探」多機能チャートより

■オンコリス <4588>  1,391円 (+300円、+27.5%) ストップ高

 オンコリスバイオファーマ <4588> [東証M]がストップ高。中国の江蘇恒瑞医薬(ハンルイ社)と「OBP-301(テロメライシン)」の中国・香港・マカオにおける独占的ライセンス契約を締結したと11月30日に発表したことが材料視され、1日に値幅制限いっぱいまで買われた流れを引き継ぐかたちとなった。この発表前まで株価は75日移動平均線を下回って推移していたこともあり、物色人気が集まりやすくなっている面もあったようだ。なお、オンコリスバイオはこの契約により、ハンルイ社から契約一時金を受領するほか、今後ハンルイ社におけるテロメライシンの開発進捗および年間販売額に応じて開発および販売マイルストーンを受け取る。また、市販後には年間販売額に応じて一定の料率を乗じたロイヤルティーを受け取ることになる。

■安永 <7271>  3,100円 (+500円、+19.2%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。安永 <7271> の上昇相場が止まらない。2日も値幅制限上限の500円高は3100円まで上昇、直近8営業日で7回ストップ高。しかも唯一、ストップ高しなかった11月30日もザラ場中に398円高とわずか2円届かなかっただけで、実質的には8日連続ストップ高に等しい。東証は2日、同社株を日々公表銘柄に指定したが規制の影響も現時点では限定的だ。同社はリチウム電池の正極板の製造で独自技術を駆使して電池寿命を大幅に向上させる新技術を開発、これが起爆材料となって株価は急騰局面に突入した。上場した1996年の10月に1920円の高値をつけているが、11月30日の時点でここを一気に抜き去っている。2日の高値まで8営業日で5.9倍となり、近年では稀に見る急騰銘柄となっている。

■クラリオン <6796>  419円 (+51円、+13.9%)

 東証1部の上昇率4位。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が1日付でクラリオン <6796> の投資判断「オーバーウエイト(強気)」を継続し、目標株価を370円→480円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、ADAS(安全運転支援システム)事業の収益貢献の拡大を評価している。今夏発売の日産セレナに採用されるとみられる同社のパーキングアシストシステムはADAS事業を牽引すると指摘。また、VWジャパン向け俯瞰画像システムや完全自動駐車システムの量産車への搭載も同事業の拡大に貢献するとみている。

■三菱UFJ <8306>  726.1円 (+39円、+5.7%)

  メガバンクが連日の人気化。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> が軒並み高。米国でJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカが年初来高値に上昇するなど、大手金融株が買われるなか、日本のメガバンクにも買いが流入した格好だ。トランプ次期米大統領の新政権で財務長官に就くスティーブン・ムニューチン氏は、ドッド・フランク法(金融規制改革法)を見直す姿勢を表明しており、規制緩和による金融業界の業績拡大への期待が膨らんでいる。

■野村ホールディングス <8604>  682円 (+31.5円、+4.8%)

 野村ホールディングス <8604> が続急伸、年初来高値を更新した。米国株市場ではトランプ新政権下での金融規制緩和などに対する期待感から金融関連株が大きく株価水準を切り上げており、東京市場にもその流れが波及した。特に「銀行株では三菱UFJ、証券株では野村の海外展開比率が高く、米国金融緩和政策の恩恵を受けやすい」(市場関係者)との見方が株価の押し上げ要因となっている。2012年からアベノミクス相場の初動では証券株の上昇が業種別でも際立っていたことから、市場でも証券株に対するマークが強まったもようだ。

■スクエニHD <9684>  2,952円 (+123円、+4.4%)

 スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> が反発。同社は1日、11月29日に全世界同時発売したゲームソフト「ファイナルファンタジー15」(FF15)の販売本数が発売初日で500万本を突破したことを明らかにした。日本では発売初日のダウンロード販売本数の最多記録を達成したほか、日本を除くアジア地域でも発売初日のパッケージ出荷とダウンロード販売の合計本数の最多記録を達成。会社側によれば、歴代の「ファイナルファンタジー」シリーズの中でも最速の記録だという。

■アルパイン <6816>  1,531円 (+49円、+3.3%)

 アルパイン <6816> が続伸。1日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「ニュートラル」を継続ながら目標株価を1200円から1300円へ引き上げた。同証券では第3四半期以降の為替前提を1ドル=100円から110円へ、1ユーロ=110円から115円へ変更。17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の23億円に対して従来予想の25億円から32億円へ、18年3月期は55億円から71億円へ引き上げている。

■JVCケンウッド <6632>  331円 (+10円、+3.1%)

 JVCケンウッド <6632> が4日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が1日付で投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を230円から290円へ引き上げたことが好材料視された。第3四半期以降の為替前提を1ドル=100円から110円へ、1ユーロ=110円から115円へ変更したことを受けて、17年3月期営業利益予想を44億円から48億円へ、18年3月期を同54億円から61億円へ引き上げたことが要因としている。

■東京製綱 <5981>  2,122円 (+61円、+3.0%)

 東京製綱 <5981> が反発。岩井コスモ証券が1日付で投資判断「A」を継続しつつ、目標株価を2200円から2600円へ引き上げたことが好材料視された。同証券では、今期は炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)や海外防災製品が伸び悩むが、在庫していたワイヤソーの計上で想定通りの増益を確保できると予想。また、来期以降はCFCCや海外防災関連製品の売り上げ拡大が本格化する見通しで、中期経営計画の20年3月期営業利益78億円の達成に向けて収益拡大が進むとしている。これを受けて、市況に左右される素材メーカーから成長企業へマーケットの評価が高まる可能性が強いとしている。

■石油資源開発 <1662>  2,669円 (+58円、+2.2%)

 石油資源開発 <1662> など資源開発関連が高い。30日にウィーンで開催されたOPEC総会では大方の予想に反し減産で合意、これがサプライズとなってWTI原油先物価格は一気に4ドル以上の上昇となったが、1日も上昇基調が続き、1ドル62セント高の1バレル=51ドル6セントまで水準を切り上げ、終値ベースでは10月24日以来の50ドル台乗せを果たした。これを受けて1日の米国株市場ではシェブロンなどのエネルギー関連株が買われており、東京市場でも引き続き資源開発関連に買いが優勢の展開となった。また、NEXT 原油ブル <2038> [東証ETN]が連動するドバイ原油価格も直近50ドル近辺まで上昇したことで、上値期待はなお強い。

■エイチ・アイ・エス <9603>  3,205円 (+45円、+1.4%)

 エイチ・アイ・エス <9603> が続伸。1日の取引終了後、同社とANAホールディングス <9202> が宇宙船開発ベンチャー、PDエアロスペース(名古屋市緑区)に出資すると発表しており、これを好感した買いが入った。PDエアロスペースは、低コストで利便性の高い宇宙輸送インフラの構築に向けて事業を展開しており、現在、世界初となるジェットエンジンとロケットエンジンを切り替えることができる次世代エンジンと、完全再使用型弾道宇宙往還機を開発している。今回の出資は、民間主導による宇宙機開発の推進を目的としており、HISが3000万円(出資比率10.3%)、ANAが2040万円(同7.0%)をそれぞれ出資するとしている。

■東邦亜鉛 <5707>  443円 (+6円、+1.4%)

 東邦亜鉛 <5707> が反発。足もとの亜鉛価格の上昇を受け同社株を見直す動きが強まった。22日のロンドン金属取引所(LME)で亜鉛相場(3ヵ月物)は前日比28ドル高の1トン=2728ドルだった。年初の1月から7割強上昇している。足もとの市況回復を受け豪州子会社が操業するエンデバー鉱山を来年5月からフル操業体制にするなど事業環境は好転している。

■新日鉄住金 <5401>  2,535.5円 (+34円、+1.4%)

 新日鉄住金 <5401> が続伸。1日付でみずほ証券が投資判断を「中立」から「買い」へ、目標株価を1920円から3050円へ引き上げた。USスチール、アルセロールミッタルなど一部世界鉄鋼大手の株価は16年初から2倍以上上昇したのに対し同社株の上昇率は5%前後にとどまっているが、国内価格の上昇局面入りに伴い今後は「世界鉄鋼大手の出遅れ」として注目されると指摘している。

■島精機製作所 <6222>  3,595円 (+45円、+1.3%)

 島精機製作所 <6222> が全般軟調相場に抗い、続伸し年初来高値を更新。足元の為替相場はトランプ次期米大統領への政策期待から急激な円安が進んでおり、業績上振れが期待される輸出関連として物色買いが続いた。同社は10月19日、円高進行を受けて前提為替レートを1ドル=102円に見直し、17年3月期の経常利益を従来予想の110億円→80億円に27.3%下方修正した。一方、足元の業績は主力のコンピュータ横編機が絶好調で、上期(4-9月)の売上高は前年同期比31.5%増収を達成している。このままの円安水準を保てば通期業績の大幅上方修正が期待される。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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