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【注目】前週末25日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

オークマ <日足> 「株探」多機能チャートより

■オークマ <6103>  1,027円 (+23円、+2.3%)

 オークマ <6103> が3連騰し連日の年初来高値更新となった。24日に、工作機械の知能化技術を発展させ、人工知能(AI)を活用した診断技術「OSP-AI」を開発したと発表しており、これを好感した買いが入った。「OSP-AI」は、機械異常を自己診断する技術として、世界で初めてAIを工作機械用CNC装置に内蔵。正常状態と異常状態の診断結果をランプの色で表示することで、ベテラン保全員でも不具合判断が難しい送り軸の状態を判断する診断技術だという。機械基礎特性の高度な知見をベースに、ディープラーニングによるAI技術を融合させて、確度の高い自己診断を実現した。

■神戸製鋼所 <5406>  1,126円 (+23円、+2.1%)

 神戸製鋼所 <5406> が連日の急伸。鉄鋼セクターは、米トランプ次期大統領の経済政策を視野にインフラ投資関連株として再評価する動きが出ており、来期にかけて鋼材市況の上昇や原料炭価格のピークアウトで業績拡大を予想する見方が強まった。特に、同社は鉄鋼事業のほか建機事業やアルミ・銅事業なども手掛けていることから、インフラ関連事業の需要を幅広く取り込むことができるとの期待も膨らんでいる。

■日機装 <6376>  1,072円 (+21円、+2.0%)

 日機装 <6376> が7連騰で新値街道。同社は、世界的な航空機需要の高まりを背景にジェットエンジン逆噴射装置用備品である「カスケード」の生産増強に動く。25日、カスケードの増産需要に対応するため宮崎県宮崎市に新工場を建設し、生産能力の拡大を図ると発表、これが株価を刺激する格好となった。信用取組は買い残が枯れ切った状態で信用倍率は0.2倍台と大幅に売り長であり、株式需給関係の良さも株価にプラスに作用した。

■ヤマハ発動機 <7272>  2,650円 (+50円、+1.9%)

 ヤマハ発動機 <7272> が続伸。25日の外国為替市場で1ドル=113円台後半まで円安が進んでおり、輸出関連企業には業績上振れへの期待が強まっている。SMBC日興証券は24日付のリポートで同社の目標株価を2300円→2700円に引き上げた。トランプ次期米大統領の政策期待から急激な円安が続いており、同証券は前提為替レートを1ドル=100円→110円に、1ユーロ=110円→115円に変更。これを踏まえ、17年12月期の連結営業利益を1120億円→1230億円に、さらに18年12月期を1280億円→1350億円と最高益に上方修正した。

■スタンレー電気 <6923>  3,215円 (+60円、+1.9%)

 スタンレー電気 <6923> が続伸で連日の年初来高値更新。同社は自動車用照明器の大手メーカーで、好採算のLEDヘッドランプが北米を中心に需要拡大しているほか、生産合理化努力で利益率が向上している。17年3月期は営業利益段階で前期比13%増の415億円と2ケタ増益を見込むなど好調だ。そのなか、中間期時点の伸びは会社側想定を上回って着地したほか、通期想定為替レートを1ドル=105円で設定しており、円安メリットも考慮した場合に一段の業績上振れ余地が出てくる。信用取組は買い残が希薄で信用倍率は0.1倍台と株式需給面でも上値が軽い。

■トヨタ自動車 <7203>  6,689円 (+101円、+1.5%)

 トヨタ自動車 <7203> 、富士重工業 <7270> 、ホンダ <7267> など自動車セクターへ資金が流入。米国では好調な景気実態を背景に12月利上げの観測が強まっており、米長期金利の上昇基調を背景に、日米金利差拡大を背景としたドル買いの流れに変化がない。足もとのドル円相場は1ドル=113円台前半まで円安が進行、今年3月下旬以来約8ヵ月ぶりの円安水準にあり、中間決算発表時に下期設定為替レートを円高方向に修正した矢先ということもあって、輸出採算改善に伴う収益上振れ期待が株価見直し機運につながった。自動車セクター以外では小型建機メーカーで海外売上比率が9割を超える竹内製作所 <6432> のほか、村田製作所 <6981> 、アルプス電気 <6770> などの電子部品メーカー、牧野フライス製作所 <6135> 、アマダホールディングス <6113> 、オークマ <6103> などの工作機械メーカーにも追い風が強い。

■住友金属鉱山 <5713>  1,592円 (+18.5円、+1.2%)

 非鉄株が軒並み高。住友金属鉱山 <5713> やDOWAホールディングス <5714> 、三井金属鉱業 <5706> などがそろって年初来高値に買われた。24日のロンドン金属取引所(LME)で銅相場(3ヵ月物)は前日比128ドル高の1トン=5868ドルと上昇。昨年6月以来、1年5ヵ月ぶりの高値圏に値を上げている。ニッケルや亜鉛も高い。米次期大統領となるトランプ氏による大規模なインフラ投資に向けた期待や中国の公共投資拡大への思惑で銅やニッケルの価格が軒並み上昇しており、これを受け非鉄株への見直し買いが流入した。

■塩野義製薬 <4507>  5,423円 (+61円、+1.1%)

 塩野義製薬 <4507> が反発。24日、徳島大学との間で、脳卒中後遺症の麻痺軽減を目指したボツリヌス毒素製剤に関するライセンス契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが入った。今回締結したライセンス契約は、大阪府立大学・小崎俊司名誉教授(現徳島大学客員教授)と、徳島大学医歯薬学研究部・梶龍兒教授の研究から見いだされた新規のA2型ボツリヌス毒素について、製剤の開発・製造・販売権を取得するというもの。ボツリヌス毒素は、筋肉の過度な収縮を抑えることが知られており、脳卒中後の痙縮(けいしゅく)に対し、標的患部にボツリヌス毒素を投与することにより筋肉の収縮をやわらげ、リハビリテーションの実施の助けとなる治療法の一つとして確立されている。

■東京応化工業 <4186>  3,850円 (+40円、+1.1%)

 東京応化工業 <4186> が反発。24日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「ニュートラル」を継続、目標株価を2900円から3300円へ引き上げた。高密度実装材料とKrF用レジストの好調により17年3月期は会社計画の94億円(前期124億3800万円)に対して従来予想の86億円から98億円へ、18年3月期は112億円から123億円へ引き上げている。

■東芝 <6502>  410.3円 (+4.1円、+1.0%)

 東芝 <6502> が3日続伸、年初来高値を更新した。同社は、24日、野村不動産ホールディングス <3231> 傘下のNREG東芝不動産と東京海洋大学から、両社が共同研究をしている実験船「らいちょうN」に搭載する純水素燃料電池を受注し納入したことを発表した。今回同社が納入したのは、出力3.5キロワットの定置用純水素燃料電池2台。純水素燃料電池は、水素をそのまま燃料とするため、CO2を発生させずに発電することができるほか、短時間で発電を開始することが可能。

※25日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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