【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):アルプス、国際石開帝石、三菱UFJ
アルプス <日足> 「株探」多機能チャートより
アルプス電気<6770>が続伸。米アップル社のiPhone向け電子部品供給で高実績を誇るが、今下期から新モデル向けで需要回復局面が見込まれている。また、自動車の電装化進展で車載用電子部品点数の増加が同社の収益機会を広げており、12月のZMP上場を契機に自動運転分野の開発が加速方向にあることも、間接的な追い風要因となる。このほか同社の通期想定為替レートは1ドル=110円だったが、10月28日決算時に下期100円前提に大幅に円高方向に修正しており、ここ急速に進むドル円相場の円安進行を受け、業績の上振れ要因になるとの思惑が株価のポジティブ材料となっている。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,079.5円 +33 円 (+3.2%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>、JXホールディングス<5020>など石油関連株が高い。18日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近12月物が前日比0.27ドル高の1バレル45.69ドルと上昇。今月30日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)での減産合意期待が続いている。イランのザンギャネ石油相がOPEC総会での最終合意に向け、楽観的な見方を示すなど、産油国の要人から減産合意に前向きな発言が出ていることを評価する買いが流入している。
■任天堂 <7974> 27,650円 +835 円 (+3.1%) 本日終値
任天堂<7974>が6連騰。時価近辺は滞留出来高も多く戻り売りも浴びやすいが、2万7000円台半ばでしぶとく売り物を吸収している。「ポケモンGO」の世界的なヒットは同社に二次的な恩恵をもたらしている。東南アジアやインドでのポケモン人気が再燃しており、「同地域の企業との関連商品の取り扱いを巡るライセンス契約数が急増傾向にあることがメディアを通じて伝わっている。ポケモンGO配信後にいったん株価が下押したことで売り圧力が低減している。これが株高期待を後押しているもようだ」(準大手証券)という。
■クリレスHD <3387> 1,019円 +26 円 (+2.6%) 本日終値
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>が続伸。ドイツ証券が18日付で投資判断「バイ」、目標株価1250円でカバレッジを開始しており、これを好材料視した買いが入っている。オーガニックな出店や国内M&A、海外展開により継続的な成長が期待できると評価。17年2月期営業利益予想は80億円(前期比17.8%増)と会社ガイダンス76億円を上振れると予想。また、18年2月期は同92億円を見込んでいる。
■三菱UFJ <8306> 678.6円 +16.4 円 (+2.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクがいずれも朝安後にプラス圏に切り返した。トランプ次期米大統領がその政策の一環として金融規制の緩和を掲げており、これが米国株市場で大手金融株の株価上昇をもたらし、東京市場でも銀行株人気に波及した。前週後半は目先筋の利益確定の動きに上昇一服となったが、きょうの朝方でとりあえず売りが一巡した格好だ。三菱UFJは商い面でも大活況でメガバンクの中軸銘柄となっているが、きょうも売買代金でトップを争う状況にあり市場の注目度が引き続き高いことをうかがわせる。16年4~9月期業績については経常利益、最終利益ともに前年同期比18%減益と低調だったが、マイナス金利環境下で事前の市場コンセンサスを大きく上回っていることで買い安心感も出ている。米長期金利の上昇傾向が続き、これが国内の金融セクターにもポジティブな流れとの見方が市場では強まっている。
■東映アニメーション <4816> 6,000円 +140 円 (+2.4%) 本日終値
18日、東映アニメーション <4816> [JQ]が中国で映画「ONE PIECE FILM GOLD」を公開し、好調なスタートを切ったと発表したことが買い材料視された。「ONE PIECE FILM GOLD」は国内で興行収入52億円を上げた大ヒット作。中国でも初日から3日間で約11億1500万円の興行収入を上げる大ヒットスタートとなった。これは今年に中国で公開された日本映画の初日3日間の成績としてはトップとなる。同社は17年3月期の連結経常利益は前期比1.3%増益の81億円と2期連続の過去最高益を見込んでおり、「ONE PIECE FILM GOLD」の中国での大ヒットによる業績上振れを期待する買いが向かった。
■NSユナイテッド海運 <9110> 191円 +4 円 (+2.1%) 本日終値
NSユナイテッド海運<9110>が6連騰。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数がここにきて急速に上昇基調にあり、同指数に連動しやすい同銘柄は株価低位の強みも発揮して海運株のなかでも異彩を放っている。バルチック指数は前週末時点で26ポイント高の1257と12日続伸。2014年10月以来の高値圏に到達している。
■協和発酵キリン <4151> 1,699円 +35 円 (+2.1%) 本日終値
協和発酵キリン<4151>が反発。18日付でみずほ証券が投資判断「買い」継続、目標株価を2140円から2230円へ引き上げた。同証券では遺伝性くる病治療薬KRN23のFDA申請が早まったことと、日本を含む国際共同のフェーズ3試験が開始されたためKRN23の売上高を増額修正。これにより、16年12月期は通期連結営業利益で会社側計画の320億円(前期437億6500万円)に対して従来予想の361億円から372億円へ、17年12月期を360億円から367億円へ引き上げている。
■テンプホールディングス <2181> 1,710円 +31 円 (+1.9%) 本日終値
テンプホールディングス<2181>が続伸。前週末18日の取引終了後、それぞれ100%子会社のテンプスタッフ・テクノロジーとインテリジェンスの派遣部門を来年1月に統合し、エンジニア派遣事業の強化を図ると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入っている。統合後の新社名は「パーソルテクノロジースタッフ」となる予定で、経営資源の集中により同事業における競争力を高めるのが狙い。また、エンジニアの就業機会の拡大やキャリア形成支援を通じて、IT・通信会社や大手製造業、その他一般事業会社、金融機関など幅広い顧客に対し、組織課題を解決する最適なサービスを提供するとしている。
株探ニュース