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2016年11月14日20時20分

【特集】高橋春樹氏【どこまで続く“トランプ相場”、世界株高の行方】(3) <相場観特集>

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

―「勝ち馬に乗れ」、陶酔の上げ相場とマーケットの鉄則―

 11月8日の米大統領選では市場の予想を大きく覆しドナルド・トランプ氏が勝利を収めた。その後、米国株や日本株をはじめ世界株市場は総じて大幅上昇する展開となったほか、為替市場でもドル高・円安が一気に加速する展開となったことは、二重の驚きとなった。“勝ち馬に乗れ”というのはマーケットの鉄則ながら、今後もこの陶酔状態の上げ相場が続くかどうかは未知数だ。株式市場の見通しに定評のある識者3人に今後の相場展開を聞いた。

●「米国金利上昇による株式への資金シフトで年内1万9000円も」

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

 トランプ次期大統領の誕生で、世界の株式相場を巡る枠組みがまったく変わってしまったことを認識しなければならない。「トランプ氏がもし当選すれば相場は大荒れ」との見方は“ルール変更”によって見事に外れた。新しいルールは「財政赤字悪化は覚悟の上で、金利を上昇させ、景気を良くし、インフレ基調を醸成する」というものだ。今後は債券から株式への資金シフト加速が予想される。

 日本にとっては、米国金利の上昇は円安・ドル高を誘発することになり、歓迎すべき状態といえる。現状の円相場は1ドル=107円台半ばまで円安・ドル高が進行しており、決算発表のほぼ終了した「7-9月期の企業業績が底だった」となる可能性が高い。

 もちろん、今後次第に具体化するトランプ新政権の経済政策や欧州経済の動向への目配りは必要だが、米国金利の上昇ペースが早まるという変化は、世界の株式市場に大きな影響を与えることになる。

 株価水準が上昇しても、日銀によるETF(上場投資信託)の買い入れは継続し、上場企業による自社株買いの姿勢は積極化する見通しにある。日経平均株価は、過去の累積売買代金が比較的少ない価格帯に差し掛かっており、年内の1万9000円台回復が視野に入ってきた。金利の上昇で株価が敏感に反応する、証券、銀行、保険、その他金融、不動産、商社など景気敏感のバリュー系の銘柄が物色対象となりそうだ。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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