【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ニチアス、島津、ブラザー
ニチアス <日足> 「株探」多機能チャートより
ニチアス<5393>が続急伸。7日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想の修正について、営業利益を155億円から173億円(前期比14.5%増)へ、純利益を102億円から113億円(同69.4%増)へ上方修正したことが好感されている。なお、売上高は1750億円(同2.7%増)で据え置いた。半導体・液晶製造装置向け関連製品の需要が高水準で推移し、高機能製品部門が想定を上回って推移していることに加えて、巻付け耐火被覆材など非住宅部門の需要が堅調に推移し建材部門が好調なことなどが要因としている。また、業績予想の修正に伴い、従来、中間・期末各11円を予定していた配当予想についても、中間・期末各12円の年24円にするとあわせて発表しており、これも好材料されているようだ。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高847億300万円(前年同期比4.2%増)、営業利益88億7600万円(同32.3%増)、純利益56億5300万円(同25.6%増)だった。
■サンケン電気 <6707> 396円 +40 円 (+11.2%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
サンケン電気<6707>が急騰。同社は7日取引終了後、17年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。売上高は760億5500万円(前年同期比1.6%減)、営業利益は21億6100万円(同26.4%減)、最終損益は7200万円の赤字(前年同期1億900万円の黒字)だった。しかし、今上期の収益低調については織り込まれていたほか、事前の会社側計画は営業利益段階で18億円であり、約20%も上回って着地したことで空売りの買い戻しを誘発し思わぬ急騰につながった。パワー半導体を手掛け実力は国内屈指、IoT時代の到来で車載向けにとどまらず次世代家電向け需要開拓に対する期待感もあるようだ。
■アニコムHD <8715> 2,588円 +214 円 (+9.0%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
アニコム ホールディングス<8715>が大幅高。ペットを家族の一員として考える「コンパニオンアニマル化」が浸透するなか、ペット保険最大手の同社は、全国で提携動物病院のネットワークを構築することで、需要の取り込みに成功している。7日取引終了後に発表した17年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、経常収益が140億4100万円(前年同期比9.5%増)、経常利益は10億7200万円(同19.2%減)だった。経常利益は従来予想の9億6900万円から1億円強上振れ着地している。保有契約件数も増加の一途をたどっており中期的な成長期待が大きい。機関投資家の継続的な買いも観測されており、株価は2000円台前半の底値もみ合いを経て一気に上放れる動きをみせている。
■島津製作所 <7701> 1,608円 +120 円 (+8.1%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
7日、島津製作所 <7701> が決算を発表。17年3月期上期(4-9月)の連結営業利益が前年同期比5.5%増の152億円と、従来予想の130億円を上回って着地したことが買い材料視された。主力の計測機器は国内外で質量分析計などの販売が好調だった。円高で円換算の海外売上高は減ったものの、利益率の高い高性能機種の販売増加やコスト削減などで増益を確保した。
■ユニプレス <5949> 2,061円 +149 円 (+7.8%) 本日終値
7日、ユニプレス <5949> が決算を発表。17年3月期上期(4-9月)の連結営業利益は前年同期比1.0%増の92.7億円と、従来予想の65億円を42.6%も上回って着地したことが買い材料視された。日産自動車の増産を受けてプレス部品の販売が伸び、売上が計画を上回ったことが寄与。UPS(ユニプレス生産システム)活動を柱とした合理化を進めたことで採算も大きく改善した。
■ブラザー工業 <6448> 1,980円 +136 円 (+7.4%) 本日終値
ブラザー工業 <6448> が続急伸し年初来高値を更新した。7日に発表した17年3月期上期(4-9月)の連結税引き前利益が前年同期比26.5%増の370億円に伸びて着地したことが買い材料視された。米国や中国を中心に複合機などの販売が伸びたことが寄与。コスト削減や在庫水準の適正化で、円高による収益押し下げ圧力を吸収し、大幅増益を達成した。業績好調に伴い、通期の同利益を従来予想の485億円→550億円に13.4%上方修正した。通期業績の上方修正は8月に続き、2回目となる。なお、前提為替レートは1ドル=105円、1ユーロ=115円で変更はない。
■クリナップ <7955> 940円 +64 円 (+7.3%) 本日終値
7日、クリナップ <7955> が発行済み株式数の13.2%にあたる550万株(金額で41億8550万円)を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け価格は7日終値を15.1%下回る761円。主要株主である創業家一族が保有株の一部を売却する意向を示したことに対応する。同時に、17年3月期の連結最終利益を従来予想の12億円→14.5億円に20.8%上方修正したことも支援材料。
■市光工業 <7244> 324円 +21 円 (+6.9%) 本日終値
市光工業<7244>が大幅続伸。7日の取引終了後、17年3月期連結業績予想について、営業利益を28億円から33億円(前期比35.8%増)へ、純利益を31億円から41億円(同63.7%増)へ上方修正しており、これを好感した買いが入っている。国内工場の合理化効果や、ASEANの海外子会社の経営改善が前倒しで進んだことなどが利益を押し上げている。為替差損の計上はあるものの、国内の収益改善を踏まえた繰り延べ税金資産の計上効果などもあり、最終損益の大幅増益を見込んでいる。なお、売上高は円高の影響などで1133億円から1100億円(前期比7.7%増)へ下方修正した。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高508億7400万円(前年同期比5.0%増)、営業利益11億1000万円(同11.9倍)、純利益12億6100万円(前年同期収支均衡)だった。
■スタジオアリス <2305> 2,197円 +141 円 (+6.9%) 本日終値
7日に決算を発表。「1-9月期(3Q累計)経常が2倍増益で着地・7-9月期も53%増益」が好感された。スタジオアリス <2305> が11月7日大引け後(15:30)に決算を発表。16年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常利益は前年同期比2.0倍の10.2億円に急拡大し、通期計画の54.3億円に対する進捗率は5年平均の9.0%を上回る18.9%に達した。
⇒⇒スタジオアリスの詳しい業績推移表を見る
■GMOインターネット <9449> 1,433円 +89 円 (+6.6%) 本日終値
7日、GMOインターネット <9449> が決算を発表。16年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常利益が前年同期比5.2%増の125億円に伸びて着地したことが買い材料視された。個人向けインターネット接続サービスや決済代行サービスの顧客基盤が拡大したインターネットインフラ事業の収益が急拡大したことが寄与。上期の同利益は前年同期比0.3%減益だっただけに、累計で増益に転じたことを好感する買いが向かった。
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