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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):日電子、トヨタ紡織、セガサミー

日電子 <日足> 「株探」多機能チャートより
■日本電子 <6951>  447円  +16 円 (+3.7%)  本日終値
 半導体の微細化に伴い、次世代描画技術としてマルチビームの描画装置が注目されている。クレディ・スイス証券は27日、「マルチビームの時代は到来するか」とのリポートを出し日本電子<6951>とニューフレアテクノロジー<6256>の調査を開始した。両社ともに、マスクへの描写時間の短縮、製造コストの低減を図るため、積極的にマルチビームの開発を行っている。ただ、マルチビームの開発においては描画の安定性や装置の性能向上が課題としてあり、開発スケジュールの遅延も考えられる。このため、同証券では開発の成否について複数のシナリオを想定している。こうしたなか、ベースケースではマルチビームの開発で先行し理科学・医用事業において業績拡大が期待できる日電子を「アウトパフォーム」とした。ニューフレアはその開発で後塵を拝しているとみられるが、株価の調整などを考慮し格付けは「ニュートラル」に設定している。

■トヨタ紡織 <3116>  2,520円  +86 円 (+3.5%)  本日終値
 トヨタ紡織<3116>が高い。午後2時ごろ、17年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆3200億円から1兆3300億円(前期比6.1%減)へ、営業利益を570億円から690億円(同16.0%増)へ、純利益を300億円から360億円(同9.2倍)へ上方修正したことが好感されている。為替の影響はあったものの、車種構成の変化や商品力を向上させた新製品の増産による影響、さらに合理化などで上期業績が計画を上回ったことなどが要因。その第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高6674億8500万円(前年同期比3.7%減)、営業利益361億4800万円(同30.3%増)、純利益132億8100万円(同25.0%減)だった。同時に従来、中間・期末各18円を予定していた配当について、中間・期末各21円の年42円にすると発表しており、これも好材料視されている。なお、前期の年30円に対しては12円の増配となる。

■セガサミー <6460>  1,570円  +38 円 (+2.5%)  本日終値
 セガサミーホールディングス<6460>が反発し年初来高値を更新。27日の取引終了後、傘下のセガホールディングスが、2020年の東京オリンピックを題材にしたゲームソフトの開発・販売について、全世界を対象にしたライセンス契約を締結したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入っている。今回の契約は、国際オリンピック委員会(IOC)とゲーム化権のライセンス契約を結ぶ米インターナショナル・スポーツ・マルチメディアとの独占契約で、これにより、家庭用ゲーム機、ハンドヘルド機、モバイル、オンラインおよび業務用ゲーム機に向けて、東京オリンピック公式ゲームソフトの開発・販売が可能となる。なお、セガでは、08年の北京(夏季)、10年バンクーバー(冬季)、12年ロンドン(夏季)、14年ソチ(冬季)、16年リオの各オリンピックのゲームを提供している。

■アステラス製薬 <4503>  1,585.5円  +35.5 円 (+2.3%)  本日終値
 アステラス製薬<4503>が後場一段高。この日正午ごろ、上限を3000万株(発行済み株数の1.41%)、または500億円とする自社株買いを発表しており、これを好感した買いが入っている。取得期間は10月31日から12月22日までで、資本効率と株主還元のさらなる向上を図るためとしている。同時に、17年3月期の連結業績見通しについて、純利益を1970億円から1980億円(前期比2.2%増)へ上方修正したことも好材料視されている。為替の影響を考慮し売上高を1兆3500億円から1兆3000億円(同5.3%減)へ下方修正したが、主力の前立腺がん治療剤「イクスタンジ」などの販売が海外で伸びたことで、上期営業利益が2ケタ増となったことや、海外拠点での研究開発費が減少することが寄与する。なお、あわせて発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高6516億7300万円(前年同期比5.2%減)、営業利益1570億5700万円(同18.4%増)、最終利益1150億6400万円(同11.8%増)だった。さらに、独バイオ医薬品企業のガニメドファーマシューティカルズ社を最大8億6000万ユーロで買収することで合意したと発表しており、買収によるパイプライン強化を期待した買いも入っているようだ。

■ツバキ・ナカシマ <6464>  1,655円  +36 円 (+2.2%)  本日終値
 27日、ツバキ・ナカシマ <6464> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.4%にあたる57万1000株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は11月1日から12月31日まで。同時に決算を発表。16年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結税引き前利益が前年同期比19.2%減の41.6億円に減少したが売り材料視されなかった。

■三菱UFJ <8306>  543.9円  +9.2 円 (+1.7%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>といったメガバンクが高い。ドイツ銀行が27日に発表した7~9月期の最終損益が2億7800万ユーロの黒字となったことから、経営不安が後退。足もとで欧州の主要企業で構成する「ストックス600」の銀行株指数は上昇基調にあり、日本のメガバンクを含む銀行株には買い安心感が出ている。

■小糸製作所 <7276>  5,390円  +80 円 (+1.5%)  本日終値
 小糸製作所<7276>が反発。27日付で岡三証券がレーティング「強気」継続、目標株価を5920円から6800円へ引き上げた。LEDヘッドランプの市場拡大に、独自の合理化効果が加わり、中期的にみて高い利益創出力を維持できるとみられる点を評価。17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の820億円(前期822億1800万円)に対して従来予想の835億円から855億円へ、18年3月期を890億円から915億円へ引き上げている。

■石油資源開発 <1662>  2,368円  +32 円 (+1.4%)  本日終値
 石油資源開発<1662>やJXホールディングス<5020>、昭和シェル石油<5002>など石油関連株が堅調。27日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近12月物が前日比0.54ドル高の1バレル49.72ドルと上昇した。ペルシャ湾岸諸国が原油生産を削減する用意があると意向を示した、との報道されたことが、原油価格の上昇要因となった。また、29日からのウィーン原油生産調整会議に、ロシアなどとともにブラジルが参加する見込みとなった、と伝えらたことも注目されている。

■シークス <7613>  4,210円  +50 円 (+1.2%)  本日終値
 シークス<7613>が続伸、上場来高値を更新した。27日付でみずほ証券が「買い」で投資判断を再開した。車載関連機器事業の好調と、中国大手総合家電メーカー美的集団とのアライアンス拡大による産業機器事業の成長が、業績を牽引すると指摘。美的集団とのアライアンスは15年4月に商業用空調機器用電子基板の製造から始まったが、今後は家庭用エアコンやその他家電製品へ領域が広がる可能性が高い、としている。

●ストップ高銘柄
 カルソニックカンセイ <7248>  1,330円  +300 円 (+29.1%) ストップ高   本日終値
 エヌジェイ <9421>  2,890円  +500 円 (+20.9%) ストップ高   本日終値
 エージーピー <9377>  1,027円  +150 円 (+17.1%) ストップ高   本日終値
 ジーエルサイエンス <7705>  719円  +100 円 (+16.2%) ストップ高   本日終値
 イメージ情報開発 <3803>  761円  +100 円 (+15.1%) ストップ高   本日終値
 以上、5銘柄

●ストップ安銘柄
 ファインデックス <3649>  1,074円  -300 円 (-21.8%) ストップ安   本日終値
 サハダイヤモンド <9898>  1円  0 円 (0.0%) ストップ安   本日終値
 以上、2銘柄

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