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【経済】ヨーカドー:北京の旗艦店閉鎖へ、残り百貨2店も苦戦

セブン&アイ <日足> 「株探」多機能チャートより

セブン&アイ・ホールディングス<3382>傘下のイトーヨーカドー(中国名:華堂商場)が中国で苦戦を余儀なくされている。北京旗艦店の十里堡店については、11月1日に閉鎖することを先ごろ決めた。北京の店舗閉鎖はこれで6店目を数える。百貨店2店舗と食品スーパー1店舗を残すのみとなった。しかも百貨店2店は、ここ数年利益計上していない。店舗家賃や人件費高騰を背景とした高コスト経営に、ネット通販との競争激化が追い打ちとなる中、経営体力が奪われている。経済参考報などが28日付で伝えた。
朝陽区朝陽路に位置する十里堡店は、ヨーカドーの北京第1号店として、1998年に開業した。当時の十里堡は住宅街だったが、同店舗の設立をきっかけに店舗が目立って増加。広い商業圏が形成されていった。しかし小売市場の低迷や、ネット通販市場の台頭が逆風となるなか、直近7年間は赤字が続いていた。
すでにヨーカドー大興店(北京市大興区康庄路)は7月1日に閉鎖されている。経営構造の調整を理由に挙げ、現地子会社の華糖洋華堂商業有限公司(1997年設立の華糖ヨーカ堂有限会社)は2014年以来、すでに北苑路店、望京店、西直門店、右安門店を相次ぎ閉鎖した。他の店舗と比べて大興店は4階層と規模が小さい。地下1階でスーパー、地上1階で化粧品・靴・宝飾品、2階で衣料、3階で家庭用品・玩具などを販売していた。
百貨店企業による北京店舗の閉鎖は同社に限ったことでない。老舗の大衆デパート「西単商場」は今年1月に営業を停止した。マレーシア最大の総合スーパー・百盛(PARKSON)も、北京・太陽宮店の売却を決めている。
中国聯鎖経営協会によると、四川省成都、遼寧省瀋陽などもチェーン経営型小売企業の業績不振が目立つエリア。空きテナントや店舗閉鎖が続出している。同協会によると、2015年はチェーン経営型小売企業の売上高上位100社のうち、31社が減収。過半数が減益を強いられた。百貨店の閉鎖ラッシュについて同協会の裴亮・秘書長(事務局長)は、コスト高とネット通販の台頭のほかに、ビジネススタイル自体に問題があると指摘。サービスの同質化やユーザーエクスぺリエンス(UX)の乏しさが不振の要因だと解説した。
聯商網の統計によれば、上場デパート企業45社の2016年第1四半期営業実績は、総売上高が1007億8900万人民元(約1兆6400億円)、総利益が29億8100万人民元にとどまった。減収に追い込まれた企業は全体の84.4%を占める38社。売り上げ上位10社のなかで増収を確保したのは欧亜集団の1社に限定された。ただ、その増収率は3.13%に過ぎない。45社のうち減益は34社(75.6%)。四半期純利益トップの百聯股フンは、利益が4億600万人民元に半減した。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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