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【特集】秋野充成氏【新局面入りか―、1万7000円奪回後の展開は?】(2) <相場観特集>

秋野充成氏(いちよしアセットマネジメント 執行役員)

―トレンドは本当に変わったのか? 今後の相場展望を聞く―

 24日の東京株式市場は堅調。前週末に日経平均株価は6日ぶりに反落したものの、きょうはその下げ分をほぼ取り戻す格好となった。ただし、東証1部の騰落レシオは136%まで上昇するなど過熱領域に大きく踏み込んでいるにも関わらず、売買代金は約5ヵ月ぶりの低水準と閑散商状が際立つ。外国人の買い意欲復活なども観測されるなか、果たして相場のトレンドは本当に変わったのか。第一線で活躍する市場関係者の意見をまとめた。

●「米利上げを意識し往来相場続く」

秋野充成氏(いちよしアセットマネジメント 執行役員)

 今月下旬から来月いっぱいにかけては、往来相場が続くとみている。日経平均は1万6800~1万7500円のレンジで動くと予想する。

 米大統領選挙は民主党のクリントン氏で決まる方向が見えてきており、今月下旬から本格化する日本の中間決算も予想に比べ若干届かないかもしれないが、大きな波乱要因にはならないだろう。今月31日から1日の日銀金融政策決定会合も現状維持とみられ、この点は市場はすでに織り込んでいる。

 マーケットが、いま最も気にしているのは、12月13日から14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)だろう。ここで利上げが実施されるかどうかがポイントだが、その可能性はあり得るとみている。

 もし、米国が利上げに踏み切った場合、昨年12月の利上げ後、今年年初に中国の人民元不安で世界の金融マーケットが不安定状態となったようなことが起こらないかが懸念される。米利上げが実施された後も市場が堅調に推移するのなら、日経平均株価は年内にも1万8000円を意識する展開が期待できるとみている。

 こうしたなか、当面注目できるのは直近IPO銘柄を含む新興市場銘柄だろう。全体相場が一進一退基調となるなか、主力株の上値は重い状況となりそうだ。

 また、25日に新規上場となるJR九州 <9142> は、配当利回りなどの面で魅力があり、堅調なスタートを切るとみている。

(聞き手・岡里英幸)

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