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【経済】フィンテック革命の未来像は「規制」のあり方次第【野口悠紀雄が語るフィンテックと仮想通貨(4)】「FISCO 株・企業報」


フィンテックの今後を考えた場合、規制の存在が非常に重要で、法体系や規制がどう変わっていくかが将来の姿を大きく決めていくという面があると思います。そして、その点で日本はすでに遅れをとっているのではないかと思うのです。

IT革命の第一フェーズではPCを作ることに何の制限も規制もありませんでした。企業では大型コンピューターを使わなくてはいけないなどという法的な規制はなく、価格が安いPCが現れたらそれを使えばいい、と。第二フェーズのネット革命の時も、回線を整備するというインフラの問題はありましたが、インターネットを使ってはいけないという規制はありませんでした。もちろん、回線や電気通信法の規制はありましたが、新しい技術に対して抑制する規制はなかったのです。

ただ、金融の場合には規制があることが大きな問題ですね。だから今まで遅れたのです。そしてそれが日本におけるフィンテックの最大の問題でもあるのです。

こうした状況を打破して、日本のフィンテックをさらに推進していくためには、単に規制を受け入れるのではなく、それに対する積極的な働きかけが重要となってきます。

規制というのは、天から与えられるものではなくて、我々がそれに働きかけるものだと思うのです

(野口悠紀雄/早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問)

※本稿は実業之日本社より刊行されているムック「Jマネー FISCO 株・企業報 2016年秋冬号」の記事からの抜粋(一部修正)です。野口悠紀雄氏へのインタビュー全編は、現在発売中の「Jマネー FISCO 株・企業報 2016年秋冬号」をご覧ください。

《FA》

 提供:フィスコ

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