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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

PCデポ <日足> 「株探」多機能チャートより

■クミアイ化学工業 <4996>  551円 (-78円、-12.4%)

 東証1部の下落率トップ。クミアイ化学工業 <4996> が急反落。前週末9日の取引終了後、16年10月期の連結業績予想について、売上高を660億円から620億円(前期比1.4%増)へ、営業利益を32億円から19億円(同49.0%減)へ、純利益を40億円から29億円(同55.8%減)へ下方修正したことが嫌気された。国内販売の低調が続いたことに加えて、海外畑作用除草剤販売が予定していた数量に達しなかったことで売上高が想定を下回る見通しであるのに加えて、試験研究費などが増加することが要因としている。また、想定為替レートを1ドル=105円から100円へ、1ユーロ=120円から110円へそれぞれ見直したことも響くという。なお、併せて発表した第3四半期累計(15年11月-16年7月)決算は、売上高500億7200万円(前年同期比0.6%増)、営業利益23億7300万円(同37.5%減)、純利益27億4900万円(同24.2%減)だった。

■PCデポ <7618>  697円 (-37円、-5.0%)

 9日、ピーシーデポコーポレーション <7618> が月次売上高を発表。8月の全店売上高は前年同月比10.5%減、既存店売上高が同9.9%減と5ヵ月ぶりに前年割れとなったことが売り材料視された。大幅減の理由について、会社側では8月17日以降、販売促進活動を自粛したことなどが影響したとしている。同社は7月まで前年を上回る売上高を確保していたが、8月に入って業績に急ブレーキが掛かった。同社は高齢者への高額解除料の請求などが問題視され、8月に株価が急落していた。

■SUMCO <3436>  780円 (-41円、-5.0%)

 SUMCO <3436> が急反落で下値模索途上にあるほか、東京エレクトロン <8035> 、信越化学工業 <4063> も3日続落となるなど半導体関連株に売りが優勢となった。「中国で国内外の半導体メーカーが大規模な増産に乗り出す」と11日付けの日本経済新聞が報じており、「2020年までの5年間の総投資額は過去5年の2倍以上の5兆円に達する見通し」と伝えた。あらゆるものをインターネットでつなぐIoT時代の到来で半導体需要が急速な高まりをみせるなか、3次元NAND型フラッシュメモリーなどメモリーの積層化で関連企業の商機が膨らんでいる。しかし、一方で中国での急速な投資拡大が需給バランスを崩すとの懸念も出ており、足もとは中期的な需給悪化への思惑が売りを誘発している。

■国際石油開発帝石 <1605>  839.9円 (-30.6円、-3.5%)

 国際石油開発帝石 <1605> 、石油資源開発 <1662> が反落となったほか、昭和シェル石油 <5002> などの原油関連銘柄に売りがかさんだ。前週末に米国株市場が急落しており、そのリスクオフの流れが原油市況にも反映、WTI原油先物価格は1ドル74セント安の1バレル=45ドル88セントと5日ぶりに急反落、この流れが東京市場にも波及した。原油価格に連動するNEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN <2038> [東証ETN]なども大幅安となっている。

■東建コーポレーション <1766>  7,440円 (-270円、-3.5%)

 東建コーポレーション <1766> が続落。前週末9日の取引終了後に発表した第1四半期(5-7月)連結決算が、売上高686億5000万円(前年同期比1.7%増)、営業利益27億9200万円(同13.7%減)、純利益19億1400万円(同10.1%減)と2ケタ営業減益となったことが嫌気された。建設事業で完工物件が少なかったことや、利益率の低い工事の比率が高まったことが利益を押し下げた。不動産賃貸事業は一括借り上げ物件の件数が増えたことで売上高・利益を押し上げたが、建築事業の落ち込みをカバーするまでには至らなかった。なお、17年4月期通期業績予想は、売上高3018億3600万円(前期比6.4%増)、営業利益148億800万円(同12.4%増)、純利益100億5700万円(同16.5%増)の従来予想を据え置いている。

■ドンキHD <7532>  3,485円 (-110円、-3.1%)

 9日、ドンキホーテホールディングス <7532> が月次販売高状況(速報)を発表。8月既存店売上高が前年同月比0.4%減とマイナスに転じたことが売り材料視された。インバウンド消費は前年同月を上回る堅実な推移を続けているが、台風など悪天候の影響で客数が減少したことが響いた。

■川崎汽船 <9107>  263円 (-8円、-3.0%)

 川崎汽船 <9107> など海運株が下落。韓国の海運最大手、韓進海運の経営破綻に海運市況の改善期待などを背景にして株価は堅調に推移していたが、高値警戒感が強まっている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は9日、川崎汽のレーティングを「ニュートラル」から「アンダーウエイト」に引き下げた。目標株価は210円としている。足もとで韓進海運の経営破綻に起因してコンテナ運賃が急上昇しているが、「一時的な現象に終わる」と同証券では予想。「今期初時点からファンダメンタルズは悪化しているにもかかわらず株価は上昇し、割高感が高まった」とみている。商船三井 <9104> のレーティングはニュートラルで目標株価は250円(従来220円)としている。日本郵船 <9101> はLNG船や完成車輸送の長期安定利益が今後緩やかに回復することなどを見込みレーティングは「オーバーウエイト」で目標株価は260円(同240円)としている。

■三菱UFJ <8306>  532.3円 (-13.9円、-2.5%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクに売りが先行。前週末の米国株市場の急落の余波が東京市場にも及んだ。メガバンクは相対的に株価が出遅れていたこともあって、下値に対しても底堅さを発揮しているが、三井住友などは12日で4日続落と下値模索の展開が続く。SMBC日興証券が9日付リポートで、9月20~21日の日銀の金融政策決定会合での「総括的検証」の展望として「マイナス金利幅の拡大の可能性は排除し難い様に見える」としており、銀行セクターについては、「現在の株式市場の期待値はやや“マイナス金利幅拡大なし”に傾いているため、ここまでリバーサルを演じてきた 銀行株については、短期的には下方リスクをやや強く意識すべき」という見解を示している。

■デンソー <6902>  4,279円 (-51円、-1.2%)

 デンソー <6902> が3日ぶりに反落。9日の米株式市場で、早期利上げへの警戒感からNYダウが急落したことなどが警戒された。同社は同日、富士通 <6702> 傘下の富士通テンを子会社化する検討に入ったと発表した。富士通テンへの出資比率を現在の10%から51%に引き上げることを検討し、16年度中の最終合意を目指す。この発表に対して、市場からは「ポジティブな印象」との見方が出ている。特に、ADAS(先進運転支援システム)、自動運転技術および電子基盤技術の開発の強化につながる点を評価。次世代車載電装向け開発リソースの強化だけでなく、スケールメリットの享受などに期待している。

■丹青社 <9743>  729円 (-7円、-1.0%)

 丹青社 <9743> が続落。9日取引終了後、17年1月期第2四半期累計(2-7月)の連結決算を発表し、売上高は378億5500万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は28億1200万円(同8.0%増)と増収増益だったが、全般相場軟調につれて値を下げた。観光関連投資の増加を受けて、ホテルの新改装などの案件を中心に商業その他施設事業が売上高を牽引した。また、チェーンストア事業でもアパレル分野、飲食店分野などが堅調に推移したほか、習熟度の向上による収益性も高まり増益に寄与した。なお、通期業績予想は従来見通しを据え置き、売上高698億円(前期比3.2%増)、営業利益34億円(同5.6%増)を見込んでいる。

※12日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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