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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):WSCOPE、ヨロズ、国際石開帝石

WSCOPE <日足> 「株探」多機能チャートより
■ダブル・スコープ <6619>  2,008円  +123 円 (+6.5%)  本日終値
 ダブル・スコープ<6619>が4連騰したほか、田中化学研究所<4080>、昭和電工<4004>などリチウムイオン電池関連株に高いものが目立つ。世界的な環境規制強化の流れのなかで、エコカーも二酸化炭素排出量を今よりさらに少なくしようとする動きが顕在化してきており、ハイブリッド車(HV)よりも電気自動車に補助的にエンジンを搭載したプラグインハイブリッド(PHV)や電気自動車(EV)の普及が今後加速する可能性が指摘されている。車載用リチウムイオン電池の需要がこれまで以上に高まる公算が大きく、関連メーカーの動きも風雲急だ。そうしたなか、ダブル・スコープが韓国で新工場を建設し、耐熱性の高いセパレーターの生産能力を倍増させる方針にあることが一部で伝わり、これが株価を刺激する格好となった。セパレーターはリチウムイオン電池の正極材と負極材を絶縁する機能を持つ主要部材で、特に熱に強いコーティング型セパレーターは欧州向けで高い需要が発現している。同社株の動きに触発されて正極材を手掛ける田中化研や負極材を手掛ける昭和電工なども買い優勢の展開となっている。

■ヨロズ <7294>  1,468円  +75 円 (+5.4%)  本日終値
 8日、ヨロズ <7294> が発行済み株式数(自社株を除く)の4.04%にあたる100万株(金額で20億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は9月14日から17年3月13日まで。

■昭和電工 <4004>  1,328円  +63 円 (+5.0%)  本日終値
 SMBC日興証券が8日付で昭和電工 <4004> の投資判断「2(中立)」を継続し、目標株価を1150円→1370円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、16年12月期通期計画を下方修正したことで当面の悪材料は出尽くしたとみている。また、構成比は小さいが半導体特殊ガスや電池材料といった新たな収益源が台頭しつつあることを評価。株価本格反発にはHDメディアと黒鉛電極の構造要因解消が必要条件と指摘している。

■シーイーシー <9692>  1,766円  +82 円 (+4.9%)  本日終値
 シーイーシー<9692>は反発。同社は8日の取引終了後、17年1月期第2四半期累計(2~7月)の連結決算を発表。売上高は218億9300万円(前年同期比0.7%増)、営業利益は16億5700万円(同5.1%減)、純利益は10億7700万円(同63.4倍)だった。前期の自社開発製品大口販売や有価証券保有目的変更による評価益計上の反動減などにより営業利益は減益ながらスマートファクトリー関連ビジネスが好調に推移、前期計上した神奈川第2データセンター譲渡による特別損失約18億円の影響が今期は解消されたことから純利益は大幅な増益となった。通期業績は売上高450億円(前期比5.3%増)、営業利益34億5000万円(同6.0%増)、純利益22億円(同70.6%増)と従来見通しを据え置いた。

■DMG森精機 <6141>  1,098円  +28 円 (+2.6%)  本日終値
 DMG森精機<6141>が高い。この日、日本マイクロソフト(東京都港区)と、工作機械を中心とする制御システムのセキュリティーとスマートファクトリーなどの実現に向けて技術協力で連携することで合意したと発表しており、これを好感した買いが入っている。今回の連携では、世界最大の工作機械メーカーであるDMG森精機と、組み込み機器向けからパブリッククラウドプラットフォームまで幅広くIoTの基盤を提供し、グローバルレベルでのさまざまなセキュリティー対策の実績を持つ日本マイクロソフトが、それぞれのノウハウを結集することで、制御システムが直面するセキュリティーの課題に取り組むというもの。また、新規ビジネスモデルの構築に向けたクラウドにおける運用と応用分野の検討や、VR(仮想現実)/ウエアラブルデバイスによる機械操作員の作業効率の向上など、先端のIT技術の活用などでも協力するという。

■JVCケンウッド <6632>  254円  +6 円 (+2.4%)  本日終値
 JVCケンウッド<6632>が続伸。同社は8日、米国の無線子会社EFジョンソンテクノロジーズ(EFJT)を通じて、Public Safety(公共安全)市場向けデジタル無線規格「P25」に対応したデジタル無線システムを、米国ペンシルバニア州エリー郡から受注したことを発表した。今回受注したシステムを構成するEFJTの無線制御システム「ATLASシステム」と「KENWOOD」ブランドで統一した携帯・車載無線端末(Vikingシリーズ)は、警察や消防、救急医療などPublic Safety市場向けに開発されたデジタル無線規格「P25」に対応しているだけでなく、EFJTが誇る高い品質と信頼性により、いかなる環境下でも安定した無線通信を可能としている。

■国際石油開発帝石 <1605>  870.5円  +20.4 円 (+2.4%)  本日終値
 国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>が反発したほか、NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブルETN<2038>が続伸するなど原油関連銘柄に物色資金が流入した。ここ原油市況が上昇基調を強めている。直近では米エネルギー省が発表した週間在庫統計で原油在庫が市場コンセンサスに反し大幅に減少したことから、北米指標であるWTI原油先物価格は2ドル12セント高の1バレル=47ドル62セントと大幅高で4日続伸となり、これを受けて、前日の米国株市場では資源エネルギーセクターが買いを集めた。この流れが東京市場にも波及している。

■アルプス電気 <6770>  2,227円  +37 円 (+1.7%)  本日終値
 JPモルガン証券は8日付で、「iPhone7の勝ち組と負け組」と題する電子部品セクターのリポートを発表した。新モデルが発表されたことで、今後はプレオーダーの動向と年末ごろからデザインが確定する次期モデルに焦点は移行するとみており、7月から本格化している新モデル向け受注拡大による業績モメンタム上昇と次期モデルにおけるコンテンツの変化、さらに非スマホビジネスも考慮した上で、アルプス電気<6770>と日東電工<6988>に注目しているとした。同証券では、次期モデルの最大の焦点はOLEDシフトであるとして、タッチセンサがアウトセルになることから、日本写真印刷<7915>のフィルムタッチセンサの大きな事業機会につながる見通しとしたほか、日東電工の光学フィルムもiPhone1台当たり搭載金額は3割上昇すると予想。さらに、カメラ機能の強化は次期モデルでも続く見通しであることから、アルプス電気やミツミ電機<6767>の事業機会拡大が続くとみている。一方、LEDバックライトを供給するミネベア<6479>やフォースタッチセンサ向けFPCを供給するNOK<7240>にはネガティブとなるとしている。

■コマツ <6301>  2,311円  +37 円 (+1.6%)  本日終値
 建機株が高い。コマツ<6301>と日立建機<6305>はそろって年初来高値に買われた。中国での建機販売の好調を評価する買いが流入している。野村証券の8日付リポートによると、中国工程機械工業会(CCMA)が発表した中国・油圧ショベル販売は、8月の需要台数(中国系と外資系の合計、6トン未満のミニショベル含む、輸出除く)が前年同月比53%増と7月の同18%増から増勢が強まった。また、コマツが発表した中国の建機稼働時間は、8月が前年同月比11%増と7月の同6%増から伸び率は高まった。同社の中国での販売台数(ミニショベル含む)は8月に同60%増と7月の同18%増に比べ増加基調を強めたほか、日立建機も8月は同42%増となった。

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