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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

アエリア <日足> 「株探」多機能チャートより

■岡本工作機械製作所 <6125>  170円 (+37円、+27.8%) 一時ストップ高

 岡本工作機械製作所 <6125> が一時ストップ高。8月31日の取引終了後、科学技術振興機構の「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)」に、同社の事業テーマ「Si貫通電極ウェーハ全自動薄化加工装置」が採択されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)」は、大学や公的研究機関などで生まれた国民経済上、重要な科学技術に関する研究成果をもとに、実用化を目指す研究開発フェーズを対象とした技術移転支援プログラム。これに採択された同社の事業「Si貫通電極ウェーハ全自動薄化加工装置」は、シリコン製半導体チップの内部を垂直に貫通する電極であるSi貫通電極(TSV)ウエハーを高平坦かつ高均一に10マイクロメートル(100万分の1メートル)厚さレベルまで薄層化する加工技術で、新たに開発した自動Si厚さ補正機構付き研削盤、Si/Cu同時研削技術、および金属汚染低減化技術を融合したTSVウェーハ全自動薄化加工装置を世界で初めて実用化するとしている。なお、事業支援予定期間は16年10月から20年9月までで、現時点で支援金額および受取時期は未定としている。

■アエリア <3758>  1,060円 (+150円、+16.5%) ストップ高

 アエリア <3758> [JQ]が3日連続のストップ高で、年初来高値を更新した。同社は8月30日に、角川ゲームス(東京都渋谷区)との共同事業第1弾となるiOSおよびAndroid向け次世代育成シミュレーションゲーム「STARLY GIRLS-Episode Starsia-」を発表したことをきっかけに人気化。1日は、子会社のリベル・エンタテインメントが来年1月配信予定のイケメン役者育成ゲーム「A3!(エースリー)」のティザーサイトを公開しており、新たな期待材料となったようだ。

■リボミック <4591>  770円 (+100円、+14.9%) ストップ高

 8月31日、リボミック <4591> [東証M]が米国で抗MK(ミッドカイン)アプタマーに関する物質特許査定を取得したと発表したことが買い材料視された。抗MKアプタマーは大塚製薬と共同研究している低分子量タンパク質。今回取得した特許はMKの作用を阻害し、がん治療用途に適したアプタマーをカバーするもの。別の物質特許については日本を含む複数国で成立しているが、今回の物質特許は米国が初の査定となる。発表を受けて、知的財産権の強化による業績への寄与に期待する買いが向かった。

■田中化学研究所 <4080>  793円 (+100円、+14.4%) ストップ高

 8月31日、田中化学研究所 <4080> [JQ]が住友化学 <4005> を引受先とする1050万株の第三者割当増資を実施すると発表したことが買い材料視された。発行価格は626円で調達する約65億円はリチウムイオン電池向け製品の設備投資増強に充てる。また、今回の増資で住友化の出資比率は14.8%→50.1%となり、同社は住友化の連結子会社になる。発表を受けて、住友化との関係強化やリチウムイオン電池向け製品の設備増強を好感する買いが殺到した。

■富士製薬工業 <4554>  2,625円 (+225円、+9.4%)

 東証1部の上昇率4位。富士製薬工業 <4554> が後場一段高で年初来高値を更新した。同社は1日、中外製薬 <4519> が製造販売する急性前骨髄球性白血病治療剤「ベサノイド」について、11月1日から国内製造販売承認を承継することで中外薬と合意したことを明らかにした。ベサノロイドは、ロシュ社が開発した経口投与による急性前骨髄球性白血病治療を可能にしたビタミンA誘導体。日本では1993年に希少疾病用医薬品に指定され、1995年3月から発売されている。

■武蔵精密工業 <7220>  2,230円 (+152円、+7.3%)

 東証1部の上昇率7位。武蔵精密工業 <7220> が続騰。みずほ証券が8月31日付で投資判断を「中立」から「買い」へ、目標株価を2300円から2800円へ引き上げた。足もとの事業環境およびドイツの鍛造・機械加工メーカーHay groupの買収効果を織り込み、17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の110億円(前期133億9800万円)に対して従来予想の116億円から118億円へ、18年3月期を127億円から156億円へ引き上げている。

■パイオニア <6773>  241円 (+14円、+6.2%)

 パイオニア <6773> が買われ、ゼンリン <9474> も続伸。VCケンウッド <6632> が4日続伸となったほか、クラリオン <6796> も大きく上値を伸ばすなど車載用3次元マップ分野を手掛ける企業群に買いが集まった。1日からきょう2日までの日程でZMPフォーラムが開催されていることで、自動運転関連が改めてテーマ性を帯びている。そのなか、自動運転関連で有力な役割を担うGISソリューションやデジタルマッピング技術に絡む銘柄に買いが集まった。

■デジタルガレージ <4819>  1,849円 (+107円、+6.1%)

 デジタルガレージ <4819> が大幅に3日続伸。いちよし経済研究所は8月31日、同社株のレーティングを「B」から「A」に引き上げた。フェアバリューは2500円(従来2900円)としている。投資関連の収益性に安定感が高まっている点を評価している。投資関連の中核子会社「DGインキュベーション」の投資事業の収益は特定企業の株式公開への依存が低下しつつあるとみられ、投資収益率は今後も年間10~20%程度は確保できる、と予想。一方、持分法適用会社のカカクコム <2371> を含む既存事業の成長率は予想を下回るとみて業績予想を保守的に見直しており、フェアバリューは引き下げている。

■ヤーマン <6630>  2,314円 (+124円、+5.7%)

 8月31日、ヤーマン <6630> がアートネイチャー <7823> とヘアケア商品の共同開発で業務提携すると発表したことが買い材料視された。共同開発商品の第1弾として10月上旬から、アトネイチャの育毛サービスのブランド「LABOMO(ラボモ)」からヘッドスパ美容器「LABOMO ヘッドスパリフト」を全国のレディースアートネイチャーサロンにて販売を開始する。発表を受けて、アトネイチャとのヘアケア商品の共同開発による業績への寄与に期待する買いが向かった。

■ゼニス羽田 <5289>  282円 (+14円、+5.2%)

 ゼニス羽田ホールディングス <5289> が上伸。安倍政権では2020年の東京五輪に向けて無電柱化投資を積極的に推進する方針をみせているほか、小池百合子東京都知事も無電柱化に前向きであり、道路下に設置されるスロープホール(電線共同溝)を手掛ける同社はその関連有力銘柄として投機資金の流入が続いている。また、日本列島への台風上陸が相次ぐなか、マンホール製造などコンクリート2次製品メーカーである同社は雨水対策で定評があり、官公庁向けで実績豊富なことから台風被害対策関連株としても注目されたようだ。

■西松屋チェーン <7545>  1,491円 (+69円、+4.9%)

 8月31日、西松屋チェーン <7545> が17年2月期の経常利益(非連結)を従来予想の77億円→87億円に13.0%上方修正。増益率が26.1%増→42.5%増に拡大する見通しとなったことが買い材料。今期業績の上方修正は6月に続き、2回目。PB商品の拡充や値下げロスの改善に加え、急激な円高による原価低減などが寄与し、採算が改善する。

■アストマックス <7162>  394円 (+18円、+4.8%)

 8月31日、アストマックス <7162> [JQ]が17年3月期から3期にわたり普通配当に加え特別配当を実施すると発表したことが買い材料視された。ヤフー <4689> との資本業務提携に伴い、子会社アストマックス投信投資顧問の株式をヤフーに売却する。これにより増加する資本剰余金の約30%の額を3分割して特別配当を実施する。なお、1株あたりの配当金額は判明次第速やかに開示するとしている。併せて、20年3月期に売上高45億円以上(16年3月期実績は30億円)、ROE8%以上(同3.6%)を目標とする中期経営計画を発表したことも買いに拍車を掛けた。

■ヘリオス <4593>  1,989円 (+90円、+4.7%)

 ヘリオス <4593> が大幅高で3連騰。同社は8月31日、体性幹細胞再生医薬品「HLCM051」の国内における脳梗塞急性期を対象疾患とした臨床試験を9月15日から18年10月31日まで実施すると発表、これが材料視されたかたちだ。株価は8月相場で調整色を強めていたが、直近は26週移動平均線に接触、下ヒゲをつけて切り返す動きをみせるなど粘り腰を発揮、中期上昇トレンドを維持している。

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