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2016年08月29日19時10分

【特集】石川久美子氏【日本株に「神風」か、米9月利上げも!?】(2) <相場観特集>

石川久美子氏(外為どっとコム総合研究所 シニアFXアナリスト)

 週明け29日の東京株式市場は、外国為替市場で1ドル=102円台まで円安が進行したことを受けて、大きく買いが優勢の展開となった。ジャクソンホール経済シンポジウムでのイエレンFRB議長の発言に注目が集まっていたが、「雇用改善で利上げの条件は整ってきた」と述べたことが、9月利上げ実施の可能性も示唆するものとしてドル買いの動きを誘発。これが東京市場にとっては追い風材料となり、日経平均株価は一時400円を超える上昇をみせたが、果たしてこれが9月相場での“もみ合い上放れ”につながっていくのかどうか。為替の見通しと株式市場の今後についてマーケット関係者の意見をまとめた。

●「米雇用統計が良好なら9月利上げ実施も」

石川久美子氏(外為どっとコム総合研究所 シニアFXアナリスト)

 前週末の米ジャクソンホールのイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言内容は、ある程度は想定の範囲内だった。米国の利上げに向け課題とされた雇用情勢や海外情勢に関して状況は落ち着いてきている。その内容は、同議長らしい、まとめ方だったと思う。

 一方、フィッシャーFRB副議長が、9月の利上げについてイエレン氏の発言とは「整合性がある」と述べたことで、一気に早期利上げの可能性が浮上した。同副議長を含むFRB幹部の発言の背景には米長期金利を上げたいという意図があるのかもしれない。こうしたなか9月利上げの確率はそれまでの20%前後から30%台に上昇してきている。

 今後の焦点は、今週末発表の米8月雇用統計だ。非農業部門雇用者数の伸びが市場予想(18万人増)を超える強めの結果なら、利上げの可能性は一段と強まりそうだ。もっとも市場には、9月利上げに懐疑派も少なくなく、株式市場関係者などは、株価を意識し利上げに慎重な姿勢をとるかもしれない。

 個人的には、米雇用統計が予想前後の水準で、平均時給の伸びも堅調なら9月利上げはあり得るとみている。その後、12月のFOMCを意識する展開を見込む。9月のFOMCは日銀金融政策決定会合と時期が重なるが、特に日銀の動向は読みづらい。ただ、9月米雇用統計の結果が良好ならFOMCに向け1ドル=105~106円へとドルの上昇は進むとみている。逆に、米雇用統計がさえず9月にFOMCは動かず、日銀も追加緩和を見送るようなら99円割れへのドル安・円高もあり得るだろう。

 ユーロは、独自材料に欠け米国次第の展開。当面は1ユーロ=1.08~1.40ドルのレンジを想定する。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(いしかわ・くみこ)
千葉大学法経学部総合政策学科卒業。商品市況研究所(商品先物専門紙「日刊デリバティブジャパン」他発行)の貴金属および外国為替相場担当の編集記者として、新聞や雑誌、ラジオ等で活躍する。2009年6月から現職。相場分析・レポート執筆の他、セミナー講師や、同社オンライン TVのキャスターやコメンテイターなども務める。

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